シンド州ダドゥ郡で洪水被災者緊急支援のモニタリングを実施しました。
東京本部スタッフ・松浦とパキスタン事務所スタッフが、ジェンが洪水被災者緊急支援を実施したシンド州ダドゥ郡で、事業実施後のモニタリングを実施しました。
村でのヒアリングの様子
洪水の被害を受けた地域では、多くの人びとが未だにテント生活を送っています。既に気温は35度にも達し、テントでの暮らしは暑さで厳しさを増しています。
未だに多くの方がたがテント生活を送っています
ジェンは洪水で被災された方への緊急支援として、現地の食文化に合わせた米(バスマティ米)、小麦、ビタミン強化型の植物油、数種類の豆、塩、紅茶、砂糖、粉ミルクの入った食糧パッケージを配付しました。
ジェンの配布した食糧は大切に消費されていることが確認できましたが、食糧源であり収入源であった農地が壊滅的な被害を受けたため、人びとは未だに食糧不足に悩まされています。食事の量や回数を減らし、生き残った家畜のミルクでなんとかしのいでいますが、限られた日雇い労働の機会では、インフレによる物価高で、家を再建する費用を賄うことも困難です。
農地は洪水で深刻な被害を受けました。
洪水以前からあった課題も明らかになりました。訪問した村では政府が生活用水を供給していましたが、供給が途切れることもあるため、井戸水も利用していました。その井戸水はカナダのNGOから安全ではないと言われたものだそうですが、他に選択肢がないため、使い続けているとのこと。
被災された方がたの困難は多岐にわたっていますが、ジェンが配布した食糧を受け取られたある女性は、「このような厳しいときでも、紅茶を飲むことが出来るのは本当に幸せです。」と満面の笑顔でお話されました。現地の文化を尊重した支援を行うことは、被災された方の心のケアにもつながっていることを実感しました。
厳しいときでも、紅茶を飲むことの出来る幸せを語られたラニさん(中央の赤いスカーフの女性)
被災された方がたにとって、農業を再開し、洪水前のように、自ら食べ物を作ることが出来るようになることが、生活再建の第一歩となります。
ジェンは、大洪水で被災された方がたに対し、食糧配布から農業復興を通じた生活再建に軸足を移し、引き続き支援を行っていきます。