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2021年8月 4日 (水)

クラム県での教育の苦悩

クラム県では、教育分野はこれまであまり注目されていませんでした。JENは、当初JENチームがこの地域で実施した調査で、現在の劣悪な教育環境の状況を考慮して、この地域でプロジェクトを実施することを決定しました。調査では、以下の教育や学校環境の悪化状況が明らかになりました。一部紹介します。

建物の状態は悪く、ほとんどの場合学校にトイレはありません。野外排便が行われております。それは、非衛生的で、生徒の健康を絶えず害するものです。加えて、過激派や宗派間の対立は、人々、特に子供たちに悪影響を及ぼしています。 事業対象地域でも同様の対立により、特に子ども達の心の健康がひどく損なわれていました。

JENチームは、生徒や教師と交流して、彼らの意見を記録しました。ザーラさんは政府女子小学校「カレッジコロニー」の優秀な生徒です。衛生教育について尋ねると、彼女は「手洗いについて少しは知っていますが、適切な知識は持っていません。」と答えてくれました。 ザーラさんは手洗いの手順は知りませんでしたが、衛生教育の内容に強い関心を示しました。

また、JENのスタッフは、この地域の紛争や闘争から生じる心理的問題についても、調査しました。彼女は「私はアートが大好きで、絵を通して自分の気持ちを表現したいと思っています。 何年もの間、私たちは自分たちの地域で宗派間の戦いに直面しました。 私たちは、これらの問題にうんざりしていて、幸せで恐怖のない人生を送りたいのです。 過去に宗派間の対立が激しかった頃、私たちは学校に行ったり、バザールを訪れたり、行事に出席している間、絶えず恐怖の中にいました。状況が少し良くなっていることを、神に感謝します。それでも私たちの地域では、常に宗派間の衝突の可能性があります。」と話してくれました。

政府女子小学校「カレッジコロニー」のミーナ・ナズ校長先生は、「私の考えですが、宗派間の対立は、学校中退や経済上の問題などを引き起こしたと思います。親も子ども達も学校に行くのをためらって、多くの子どもが授業を欠席したことを、ぼんやりと覚えています。その上、宗派間の衝突による学校の閉鎖は、子どもの行動に悪影響を及ぼしました。 子ども達は家に居るよう制限され、自由に遊ぶことができませんでした。彼らは、友達と会う機会を奪われ、それは明らかに彼らにマイナスの影響となっています。」と話してくれました。

学校での衛生教育については、同校長先生によると「私たちの学校の教師は、手洗い、爪を切ること、清潔な洋服を着ることなどの衛生教育の基本的な知識を持っていますが、正式な研修は受けていません。私たちは、この基本的な知識を生徒たちに教えたいと思っています。」ということでした。

また、JENの支援については、「私は、衛生教育について学ぶことに強い関心があり、心待ちにしています。 それを生徒たちに教えるだけでなく、自分の家にも応用したいと思います。また、JENによる心のケアの研修にも期待しています。 私たちのコミュニティは多くの苦しみを味わいましたが、今こそ恐れずに前進する時です。」と笑顔で、JENスタッフに話してくれました。

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8月 4, 2021 教育支援 |