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2020年12月17日 (木)

人々に水と衛生へのアクセスを確保する支援活動

シェド・ナジュムル・ハッサンさんはゼラン村の住民です。彼には職業がありますが、その労働だけが彼の家族を養う収入源です。月収は18,000ルピー(約12,000円)で、家族全員を支えるには不十分です。彼の家族は、妻、両親、未婚の兄弟、子ども3人(男の子2人と女の子1人)の8人家族です。彼のお母さんには高血圧の持病があります。

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お話を伺っている時の様子

彼は、彼のお母さんの治療のために、BHU(基礎保健ユニット)のゼラン外来病棟を訪れます。BHUは村でただ一つの医療施設です。BHUでは、医師一人と薬剤師二人が医療にあたっています。

高血圧のお母さんがトイレに行きたくなった時には、彼らはトイレを探して、遠くのイマームバルガ(宗教的建物)あるいは地元の誰かの家まで歩いて行かなくてはなりませんでした。BHUにもその周辺にも患者が使用できる公共のトイレがないからです。

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衛生セッションの様子

BHUあるいはその周辺に、毎日訪れる患者のためのトイレが一つもないことは問題でしたが、前回彼らがBHUを訪れた時、ジェンというNGOが、男女含めた患者のためにトイレ、洗面台、排水設備を建設してくれたことを知ってとてもうれしく思ったそうです。患者のために、ジェンが率先して支援してくれたことに感謝しています。とインタビュー時に伝えてくれました。

彼は衛生セッションにも参加しましたが、それはとても有益でした。また、ジェンの女性スタッフがBHUを訪れ、女性スタッフのために衛生セッションを行っていることを知りました。彼は妻にも、そのセッションに参加するよう促しました。夫婦ともに参加し、新しいことを学びました。適切な手洗い方法がとても重要だということを初めて知りました。

トイレ建設や衛生セッションは、人々の生活に良い変化をもたらします。トイレを利用できないことはとても大きな問題でしたが、彼らは今では外に行く必要がなくなり安堵しています。

 

※ハイバル・パフトゥンハー州(KP州)上部及び中央クラム地区における帰還民に対する水衛生施設改修を中心とした生活基盤改善支援事業でトイレの建設と衛生セッションを実施いたしました。本事業は、 ジャパン ・ プラットフォームからの助成金やジェ ン へ の寄付金により実施しています。

12月 17, 2020 水衛生改善 |