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2019年11月12日 (火)

変化に向けてコミュニティを動かしモチベーションを高める

アンゴリ村は、中央クラム地区パラチャムカニのJENの支援対象区域にあります。地域全体がそうであるように、アンゴリ村も生活基盤(例えば、健康、教育、生活のための設備など)が十分ではありません。衛生面では、地域も村民もとても良い状態とはいえません。村には衛生設備が全くありません。トイレを使用することが社会常識となっていないため、ほとんどの村民が戸外で排泄をしています。

 

フセイン・ガルさんはアンゴリ村の住民です。彼には仕事はありますが、家族を十分に養えるほどの収入は得ていません。彼の家族は20人で、男性も女性も全員戸外で排泄しています。1つだけトイレがありますがとてもひどい状態です。何度か改修を考えたそうですが、いつも実行できませんでした。幸いJENのプロジェクトが始まり衛生セッションに参加し、トイレ改修の必要性を強く感じたそうです。

 

彼はJENがトイレ建築用のツールを提供してくれると聞いて驚きました。すぐに計画を立て、ツールを受け取るとさっそく建築を始めました。

「子どもが排泄のために川に行くのを見ているのはとても辛いです。村の私の友人の子どもが、排泄のため野原や川に行き怪我をしました。」とも話していました。彼は、衛生キット配付期間中に室内便器やツールをJENから受け取ってすぐに建築を始めました。JENの衛生キットは役にたつものばかりで、いくつかは農業目的にも使えるそうです。

Hussain-gul-receiving-hit-kits-from-jen-

Hussain-gul-at-the-jen-registration-desk

次のようにも述べました。「現在私達はトイレが使用できます。家にトイレがあることは、良いことばかりだとわかりました。衛生面でもそうですし、精神的にもストレスが少なくなります。今は、掃除機もあるし、家族にとって衛生環境がさらに良くなりました。家族全員にとって幸せなことですが、特に子どもや女性にとってはトイレを使うことにより個人の尊厳が守られ、とても良かったと思います。」

 

フセイン・ガルさんの話は、ただ1つのトイレを作るにあたってのストーリーですが、私達は人々の行動変容に向けてコミュニティと共に活動する必要があります。そのためにも、JENは男性、女性、子ども達に衛生セッションを行いました。フセイン・ガルさんがJEN の衛生セッションに参加した後に自分自身のトイレを作ることを決心したように、PHPF (Pakistan Humanitarian Pooled Fund)助成金によるこのプロジェクトは、効果的で持続可能な方法であることを示しています。

A-view-of-hygiene-session-in-the-village

 

最後にフセイン・ガルさんはPHPFJENの貴重な支援に対し感謝を述べました。さらに「村の主たる問題は、家屋、墓地、畑に流れてくる排水や雨水です。毎年雨季の間、雨水によって収穫物がひどい影響をうけます。JENの力を借り、排水路を作り水が川に流れる方向を変えます。村を代表して、JENPHPFに感謝します!そして今後もJENが私達に支援を続けてくれることを強く望みます。」と付け加えました。

 

Drains-were-constructed-in-village-angor

A-view-of-completed-latrine5181【完成したトイレ】

 

11月 12, 2019 水衛生改善 |