洪水と備え
パキスタンでは、4月~5月がプレ・モンスーン、6月~8月がモンスーンの季節です。今年も、このプレ・モンスーンとモンスーンの大雨がパキスタンを襲い、各地に洪水をもたらしました。被害は23県に及び、死者81人、負傷者45人、損壊家屋1,921戸、172,016人の人々がより安全な場所に避難し、全部で793の村が被害を受けました(出典:パキスタン災害対策本部の状況報告。2015年7月28日時点)。
ハイバル・パフトゥンハー州ではチットラル地区とパンジャブ州の6つの地区が最も大きな被害を受け、シンド州では数日内に洪水が起きる可能性があります。パキスタンの気象庁は、来週さらに雨が降ると予報しています。
避難所の設置やその他の緊急対応がスタートし、中央および州政府が努力を続けています。パキスタン軍は被災地域で人々の救助や避難のための活動に従事しています。
毎年パキスタンのさまざまな地域が洪水に見舞われているので、被害にあった人々を助けるために巨額の資金が使われているのは止むを得ないことですが、もしコミュニティーの災害からの回復力を増すための対策が取られれば、被害を減らすことができるでしょう。
これに関しては、政府や多くの国際・国内NGOが防災研修を行っていますが、より大きなコミュニティーのインフラ開発を支援しつつ、このような研修の規模を拡大する必要があります。
それは基本的には政府の責任であり、実際、政府(特に、国家災害対策本部)が今後の災害に対処するための計画を立てていますが、必要とされるインフラ整備やコミュニティーでの訓練が追いつかないのが現状です。
そこで、防災のための専門知識や能力を持ったさまざまな組織による支援が重要となります。
人道支援組織や緊急支援組織は、コミュニティーの防災意識を高めるための効果的で重要な役割を担うことができます。それにより、中央と地方政府の負担を減らすこと、人々の苦しみを最小限にすることができるでしょう。
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