重要な食糧源を守るために
2014年6月から開始された政府による武装勢力掃討作戦により、およそ100万人の人々が連邦直轄部族地域(FATA)北ワジリスタン管区から、国内避難民となって流出しました。
これらの避難民の人々の多くは混乱の中、ラッキー・マルワットを含むハイバル・パフトゥンハー州まで約350,000頭の家畜を連れて避難しました。
政府や人道支援組織による、避難民の人々への食糧、避難所、衛生・給水施設などの基本的なサービスの提供は、非常に大きな困難を伴いました。
一方、彼らの重要な食糧源の一つである家畜を、大量死や投げ売りから守ることも、同時に大きな課題となっていました。
JENはラッキー・マルワット地区の国内避難民1,200世帯を対象に、国連のパートナーとして家畜保護支援を始めました。このプロジェクトの目的は、避難民の家畜を大量死や投げ売りから守ることにより、彼らの食糧確保状況を改善することでした。
食糧安全保障クラスターや他の支援組織との調整により、避難民のための総合的な家畜保護パッケージが作られました。パッケージの内容は、麦わらなど家畜の飼料、ミネラル、給餌・給水キットなどです。
【配布場所に用意された家畜保護パッケージ】
このプロジェクトの対象者の一人、イシャク・ジャンさんは次のように話しています。
「誰も支援の手を差し伸べてくれる人がいない中で、このようなサポートを受けることができ、とても助かりました。私は生活のために、3頭の雌牛を1頭ずつ非常に安い値段で売ろうとしていたところでした。これらの牛から取れるミルクの量が避難前から3分の2も減り、牛の餌も手に入らない状況だったのです。売ってしまう前に支援を受けることができ、よかったです」
【イシャク・ジャンさん】
国内避難民は自分たちの家畜から、ミルク、ヨーグルト、チーズ、肉などを手に入れています。そのため、家畜保護は避難民の食糧安全保障に大きく貢献できるものなのです。避難先には十分な資源がないため、国内避難民が避難先で暮らし続ける限り、継続的な支援が必要になります。
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