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2015年3月26日 (木)

緊急支援における長老の役割

 短期間で実施する緊急支援では、きちんとした人選さえできれば、人道機関は効率的かつ迅速に支援を行うために、対象地域の長老の力を借りることができます。コミュニティに根差した活動をしている組織と活動したことのある長老は特に、コミュニティの協働の方法を知っているため、緊急時の協力者としてより適任といえます。

 昨年の秋から今年の1月にかけてJENが実施した洪水被災者緊急支援の対象地域であるパンジャブ州ムザファ・ガー県は、スタッフ全員にとって新しい土地でした。ですが、そこで短期間に緊急支援を実施する必要がありました。幸運にも、ニーズ調査で訪れた際、数名のやる気に満ちた長老に出会うことができました。そのうちの1人が、ミトーさん(現地語で「やさしい人」という意味)でした。

 コミュニティとの最初のやり取りの際、JENのスタッフはミトーさんのボランティア精神、献身的な姿勢や、過去にコミュニティ組織と働いた経験があることを知りました。ミトーさんはJENスタッフをコミュニティの方々に紹介し、かれらとのミーティング進行をサポートしてくれました。また、ミトーさんはJENの支援対象者選定基準を良く理解し、現地語(サライキ語)で自分が所属するコミュニティに説明してくれました。

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 その後、JENが各被災者の世帯を訪問し、選定基準にそって支援対象者を登録していく作業をする際にも、ミトーさんは案内役となって作業を手伝ってくれました。まさに、JENと被災者コミュニティとの懸け橋となってくれたのです。

 他にも、対象被災者の方々への物資配布引換券の配布や、配布スケジュールの告知、実際の配布実施まで、ミトーさんはずっと一緒にサポートをしてくれました。

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 さらに、女性や高齢の方々が物資を受け取った後安全に自宅に戻れるよう、ミトーさんは乗り物の手配までしてくれたのです。配布の時、現地では雨が降っていました。責任感の強いミトーさんは、その日の夜、JENスタッフに電話して、自分の村に住む支援対象者の人々が全員無事に物資を持ち帰ったことを報告してくれました。
 
 電話でミトーさんは「私たちは皆無事に家に帰ってきました。早速物資を使い始めましたよ。今日は本当に寒くて、この厳しい冬にキルトブランケットほどもらって助かるものはないです。とてもうれしく思います。JENの皆さんのご多幸をお祈りします」と話してくれました。

 支援が終了した今も、ミトーさんは時々イスラマバードにいるJENのスタッフに電話をしてきて、スタッフが変わりなく元気にしているかどうかを尋ね、またいつものように困ったことがあれば協力します、ということを伝えてくれます。

 私たちは、万一ムザファ・ガー県でまた何か緊急事態が起こったとしても、ミトーさんは自分のスキルとボランティア精神を生かし、支援団体と被災者の両方をサポートしてくれると信じています。JENスタッフは今後の災害発生の際の協力者として、現地政府へミトーさんを紹介しました。


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【緊急企画】イラク国内避難民緊急支援活動報告会を開催します。

イラク北部にて緊急支援に従事しているスタッフが帰国します。
今、イラク北部でなにが起こっているか、JENは国内避難民に対しどのような支援活動を行っているか、今後の活動の展開は、など、緊急支援活動報告会でご紹介いたします。
ふるってご参加ください。

くわしくはこちら

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【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

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3月 26, 2015 事務所・スタッフ支援物資配布緊急支援 |

2015年3月12日 (木)

重要な食糧源を守るために

 2014年6月から開始された政府による武装勢力掃討作戦により、およそ100万人の人々が連邦直轄部族地域(FATA)北ワジリスタン管区から、国内避難民となって流出しました。

 これらの避難民の人々の多くは混乱の中、ラッキー・マルワットを含むハイバル・パフトゥンハー州まで約350,000頭の家畜を連れて避難しました。

 政府や人道支援組織による、避難民の人々への食糧、避難所、衛生・給水施設などの基本的なサービスの提供は、非常に大きな困難を伴いました。

 一方、彼らの重要な食糧源の一つである家畜を、大量死や投げ売りから守ることも、同時に大きな課題となっていました。

 JENはラッキー・マルワット地区の国内避難民1,200世帯を対象に、国連のパートナーとして家畜保護支援を始めました。このプロジェクトの目的は、避難民の家畜を大量死や投げ売りから守ることにより、彼らの食糧確保状況を改善することでした。

 食糧安全保障クラスターや他の支援組織との調整により、避難民のための総合的な家畜保護パッケージが作られました。パッケージの内容は、麦わらなど家畜の飼料、ミネラル、給餌・給水キットなどです。

【配布場所に用意された家畜保護パッケージ】
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 このプロジェクトの対象者の一人、イシャク・ジャンさんは次のように話しています。

「誰も支援の手を差し伸べてくれる人がいない中で、このようなサポートを受けることができ、とても助かりました。私は生活のために、3頭の雌牛を1頭ずつ非常に安い値段で売ろうとしていたところでした。これらの牛から取れるミルクの量が避難前から3分の2も減り、牛の餌も手に入らない状況だったのです。売ってしまう前に支援を受けることができ、よかったです」

【イシャク・ジャンさん】
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 国内避難民は自分たちの家畜から、ミルク、ヨーグルト、チーズ、肉などを手に入れています。そのため、家畜保護は避難民の食糧安全保障に大きく貢献できるものなのです。避難先には十分な資源がないため、国内避難民が避難先で暮らし続ける限り、継続的な支援が必要になります。

【避難民との話し合い】
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3月 12, 2015 支援物資配布国内避難民支援 |