より脆弱な避難民世帯への支援
カナ・ミールさんは、北ワジリスタンでの政府の対武装勢力軍事作戦を逃れ、バンヌー地方へ避難したお年寄りです。彼は息子3人と娘2人の父親ですが、息子の2人は子どもの頃にポリオに感染し、障がいが残っています。3人目の息子は地元の市場で日雇い労働をしています。
カナさんはレストランで警備員として働き、月に8000パキスタンルピー稼いでいます。これ以外に国連の世界食糧計画から毎月食料支援を受けています。さらに、彼の家族は政府や他の人道支援団体からも支援を受けています。
カナさんは元々生計手段として家畜を飼っており、北ワジリスタンから避難する際、どうにか羊58匹と牛10頭を何とか連れ出しました。しかし避難生活の混乱の中で、羊15匹と牛10頭を失ってしまいました。
JENがバンヌーで実施している国内避難民の家畜保護支援では、カナさんのようなお年寄りや、病気や障がいをもつ家族のいる世帯など、より困難な状況にいる人々を優先的に支援対象としています。カナさんはJENの家畜保護支援の対象となり、飼料やシェルター資材などの家畜飼育物資を受け取りました。カナさんはそれらを使い、家畜に栄養価の高い飼料を与え、家畜小屋の補強をしました。また、JENの獣医チームはカナさんの家畜へのワクチン接種も実施しました。
物資配布後のJENによるモニタリングの際、カナさんは、家畜飼育物資の配布は家畜の健康状態、栄養状態改善の点などで非常に役立った、と話してくれました。配布した飼料や物資を活用した結果、彼の家畜は健康を取り戻し、8リットルも多くミルクが取れるようになったそうです。このため、カナさんの家族全員が食糧を十分に確保できるようになってきた、とのことでした。
【JENスタッフとカナさん一家】
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