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2014年9月 4日 (木)

コハートにおける国内避難民支援

 連邦直轄部族地域(FATA) にて2009年に始まった紛争により、アフガニスタンとの国境に近いオラクザイ管区やクラム管区から大量の避難民が発生しました。現在までに、FATA内の多くの区域においてパキスタン軍による武装勢力掃討作戦が完了し、住民が避難先からの帰還を果たしました。

 しかし、いまだに何千もの国内難民世帯が、ハイバル・パフトゥンハー州のコハートやデラ・イスマイル・カーン、ハングーやペシャワールなどで避難生活を強いられています。

FATAの災害対策本部(FDMA)は、オラクザイ管区出身の国内避難民たちの帰還プロセスを2014年9月に開始する予定である、と発表しました。これを受け、ジェンはUNOCHAの協力のもと、コハートに避難している1000世帯を対象に支援を実施することを決めました。

支援内容は、折り畳みベッド、屋根用のプラスチックシートとロープ、安全な飲み水を運び保存する為のポリ容器、電力供給のない時でも使用できるソーラーランプや、カーペット・マットレスとして使用できるプラスチックのマットなどが含まれている支援パックの配布です。帰還を見据え、持ち運びしやすいものを選んでいます。

対象地域として、ジェンはジャルマとシャプールという2郡を選定しました。不安定な治安状況などによって、予定期間内での配布は困難かと思われましたが、できる限りの努力をし、1000世帯すべてに配布を完了することができました。 対象となったコミュニティはジェンダーに関して非常に保守的でしたが、外に出てきにくい女性のニーズにこたえるため、ジェンは女性スタッフによる対象地域訪問を計画しました。理解を得るため、活動の最初から長老たちなどの有力者と話し合いを重ね、最終的に女性スタッフが事業地を訪ねることに許可をいただくことができました。

配布対象者の選定前には、対象となるコミュニティとグループ討議を行い、支援目的や選定条件などについて、細かく話し合いました。こうすることにより、対象地域の人々が事業の目的を理解し、活動中の問題が起きにくくなることが期待できるのです。

配布は3回に分けて行われ、シャプールで373個、ジェルマで627個の支援パックが配布されました。受け取った人々は、シェルター、水、電灯など、最低限必要だったものを受け取ることができてよかった、と話していました。

これらの生活品は簡単に運べて、出身地に持ち帰り、使い続けることが可能なため、帰還後の再定住促進にも貢献することが期待されます。

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9月 4, 2014 支援物資配布国内避難民支援 |