国内避難民の食糧安全保障実態調査
KPK州とFATAは複雑な人道危機に見舞われており、今もなお多くの人が反政府武装勢力と政府軍の戦闘を逃れ、各地に避難を余儀なくされています。
これらの地域で活動する人道支援機関は、支援プロジェクトを計画する際に避難民の数や人口動態、そのニーズについて、様々な異なるデータに頼らざるを得ないのが現状です。様々な地域で暮らす避難民がそれぞれ異なる側面を持つことを考えると、支援機関が入手するデータは、状況を細かく把握するには十分とは言えませんでした。
食糧安全保障分野で活動する機関は皆、KPK州とFATAで暮らす避難民について、その実態の詳細を調査する必要性を感じていました。避難民キャンプで暮らす人はもちろん、キャンプ外に避難している人々についても、食生活のパターンや、収入・支出、確保できる食料の量、生活上のリスク、危機対応能力について、詳しく把握することが必要だと考えたのです。
この構想は2013年に実行に移され、避難民の実態調査のためのツールや手法が開発されました。これらを使用した調査が2013年12月~2014年1月にかけて行われ、ジェンの現地スタッフ2名もデラ・イスマイル・カーン県の調査に参加しました。収集されたデータは分析後レポートにまとめられ、2014年5月に同じ分野で活動する機関全体で共有される予定です。
そのレポートを、より信憑性が高く誰でも活用できるものにするため、先日、食糧安全保障分野で活動する各機関から調査結果についての意見を集めることを目的としたワークショップが開催されました。ジェンの現地スタッフもそのワークショップに参加してきました。そこで共有されたデータはKPK州内の国内避難民キャンプ3か所・キャンプ以外の4か所の避難民流入先・FATAの7管区中2管区から、市場調査・世帯訪問・住民とのディスカッションなど、様々な手法を用いて収集されていました。
この調査レポートが、長い間苦しい状況に置かれている国内避難民の人たちへのより良い支援に役立てられることを期待しています。
ジェン パキスタンコハート事務所 家畜専門家
イブラヒム・ジャン
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