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2014年5月29日 (木)

新たな活動地、コハート

 ジェンは今年からハイバル・パフトゥンハー州(KP州)コハート県に事務所を設置し、隣接する連邦直轄部族地域(FATA)オラクザイ管区において帰還民自立支援を行っています。
 この支援と並行し、この5月から、コハート県内においても新たなプロジェクトが始動しました。内戦で被災し、同県に逃れてきた人たちのための支援です。

 コハート県はKP州南部の中心地で、州都ペシャワールの南方75km、車で約1時間のところにあります。ペシャワールとコハートの間には1.8kmのトンネルがあります。このトンネルは、日本政府の援助で建設されたものです。

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 同県は複数の部族から成る豊かな文化的背景を有しています。コハート市内から車で約10分のところには、「ドゥラニの墓」で知られる有名な遺跡もあります。
 
 

 コハートは、FATAのオラクザイ管区やクラム管区、北ワジリスタン管区への入口です。渓谷にある都市部に人々が暮らしています。タンダダム(貯水池)もあるので水資源が豊富であり、グアバ畑、野菜畑や他の穀物を潤しています。コハート産のグアバはとてもおいしく、KP州とFATAでとても人気があります。

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 山岳地帯で、整備された道や施設があり、コハート市は平和で資源に恵まれています。街は軍の野営地の周りに作られており、基本的な設備しっかりと整っています。立派な病院、ショッピングモール、銀行、学校、大学、新たに創設されたコハート大学、そのほか必要なものが揃っているのです。

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 街の外れにはアフガニスタン難民の村がたくさんありますが、治安状況は落ち着いています。コハート開発庁としてしられるコハート・タウンシップに、国際NGOや、国連機関、官庁などのオフィスが密集しています。




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5月 29, 2014 国内避難民支援 |

2014年5月15日 (木)

インダス川を渡る、おとぎ話の旅

 ジェンの現地スタッフは先日、ハイバル・パフトゥンハー州の25番目の郡として新たに認定された「トルガル」郡を、ニーズ調査の為に訪れました。別名「ブラック・マウンテン」とも呼ばれている同郡は、面積が約54平方キロメートルで山岳地帯にあり、人口はおよそ30万人です。

 トルガル郡はインダス川によって2つに分かれており、川を渡り、市場などに行く手段として、ボートが頻繁に使われています。ボートのほうが他の交通手段に比べ、時間がかからないのです。
 ジェンスタッフが調査を行なうため対象地域にジープで移動した時は、約1時間かかりましたが、帰りにボートを利用したら移動時間はほんの15分でした。トルガル郡の近くには、インダス川流域に建設されたパキスタン最大のダムである、タルベラ・ダムがあります。

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 今回の訪問では、驚きの旅をすることになりました。インダス川は上からの眺めでは落ち着いて安定した流れに見えますが、実際川を下り始めて皆、びっくりしました。中流ではものすごい速さで水が流れ、浮き沈みがとても激しく、ぞっとするほどだったのです。それでも船乗りは自分がしっかり舵を取っているから心配する必要は無いと、約束してくれました。中流を通過し、川の深い流域にたどり着くと、流れも落ち着き、旅も快適になってきました。

 インダス川が両側ともに山に囲まれているせいか、私たちはまるで、山あり谷ありの不思議な冒険をするおとぎ話の登場人物のようでした。今回の調査訪問はとても面白い旅となりました。

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5月 15, 2014 文化、生活、習慣国内避難民支援 |

2014年5月 1日 (木)

国内避難民の食糧安全保障実態調査

 KPK州とFATAは複雑な人道危機に見舞われており、今もなお多くの人が反政府武装勢力と政府軍の戦闘を逃れ、各地に避難を余儀なくされています。

 これらの地域で活動する人道支援機関は、支援プロジェクトを計画する際に避難民の数や人口動態、そのニーズについて、様々な異なるデータに頼らざるを得ないのが現状です。様々な地域で暮らす避難民がそれぞれ異なる側面を持つことを考えると、支援機関が入手するデータは、状況を細かく把握するには十分とは言えませんでした。

 食糧安全保障分野で活動する機関は皆、KPK州とFATAで暮らす避難民について、その実態の詳細を調査する必要性を感じていました。避難民キャンプで暮らす人はもちろん、キャンプ外に避難している人々についても、食生活のパターンや、収入・支出、確保できる食料の量、生活上のリスク、危機対応能力について、詳しく把握することが必要だと考えたのです。

 この構想は2013年に実行に移され、避難民の実態調査のためのツールや手法が開発されました。これらを使用した調査が2013年12月~2014年1月にかけて行われ、ジェンの現地スタッフ2名もデラ・イスマイル・カーン県の調査に参加しました。収集されたデータは分析後レポートにまとめられ、2014年5月に同じ分野で活動する機関全体で共有される予定です。

 そのレポートを、より信憑性が高く誰でも活用できるものにするため、先日、食糧安全保障分野で活動する各機関から調査結果についての意見を集めることを目的としたワークショップが開催されました。ジェンの現地スタッフもそのワークショップに参加してきました。そこで共有されたデータはKPK州内の国内避難民キャンプ3か所・キャンプ以外の4か所の避難民流入先・FATAの7管区中2管区から、市場調査・世帯訪問・住民とのディスカッションなど、様々な手法を用いて収集されていました。

 この調査レポートが、長い間苦しい状況に置かれている国内避難民の人たちへのより良い支援に役立てられることを期待しています。

 ジェン パキスタンコハート事務所 家畜専門家
 イブラヒム・ジャン

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5月 1, 2014 事務所・スタッフ国内避難民支援 |