JENを覚えていてくれた男性
私たちパキスタン人は、数年前に数千人の死者を出し、インフラを破壊した二つの大地震をまだ鮮明に覚えています。JENは両方の地震に関して人道支援に出動し、コミュニティをサポートしてきました。最初の地震は2005年にカシミール地方で起こり、JENは3年間被災地で支援を実施しました。二番目の地震は2008年にバロチスタン州のジアラットで起こりました。これら2つの地震には似た点があります。両方とも冬がくる直前に、そしてアクセスが非常に難しく冬には必ず雪が降る山岳地地帯で発生したことです。
どちらの被災地でも、JENは何千人もの避難民に支援を提供したので、様々な出会いが有りました。中でも、以下のエピソードは特にJENのメンバーとして働くことに関し、誇りを持たせてくれるものでした。
ジャラットさんはジアラットのカッチ地区の貧しい農民です。彼の住まいは2008年の地震によって完全に破壊されました。ジャラットさんには90歳の母と、妻と子どもがいます。地震発生後、JENが冬用テント、衛生キット、キッチンセット、そしてがれき処理キットを提供する前は、弟の部屋を借りて暮らしていました。JENは長期間利用するテントの設置をサポートし、設置完了後、ジャラットさんはすぐ家族と一緒にテントに移りました。その後JENは支援活動の終了とともに、同州の事務所を閉じました。
先日、数年ぶりにJENスタッフが調査のため同地区を訪問した際、道端にいたジャラットさんに偶然会いました。ジャラットさんはテントをどのように使用しているか私たちに見せるため、私たちを家に招待してくれました。
中に入った私たちは、5年前に提供したテントがまだ建っていて、そしてジャラットさん一家が住み続けていることに大変驚きました。ジャラットさんは更にほかの複数の家族とテントを共有していることも教えてくれました。震災後、ジャラットさんは自分の家を建てたそうですが、まだ夜はテントで子ども達と寝ているそうです。その理由を尋ねると、彼は分からないと答えました。もしかするとジャラットさんはまだ地震の時のトラウマを抱えていて、大きな屋根の下で寝ることに不安を感じるのかも知れません。
今回ジャラットさんと再会し、話を聞いたことで、私たちはJENの支援を誇りに感じました。その理由は次の4点です。
1.被災者支援の成功を確認できました。
2.支援を届けた相手の喜びを確認できました。
3.支援を実施した際、期待していた結果(テントの正しい持続的な使用)を確認できました。
4.支援を届けた相手が、今もなおJENに対して温かい気持ちを持ってくれていることも確認できました。
イスラマバード事務所長 アズマット・アリ
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