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2013年7月 4日 (木)

猛暑と闘う国内避難民とジェンスタッフ

 デラ・イスマイル・カーン県はインダス川の西岸、ハイバル・パフトゥンハー州の最南端に位置しています。パンジャブ州、バロチスタン州とも境界を接する同県は、周辺地域の中で地理的に重要な場所となっています。

 デラ・イスマイル・カーンは砂漠気候で、夏は暑く、冬は比較的穏やかです。雨は1年のうち晩冬から初春(2月~4月)とモンスーンの時期(6月と7月)に集中して降ります。今年の夏も非常に暑く、これまでですでに最高気温が49度に達したと報じられました。

【国内避難民の男性の話を聞くジェンスタッフ(写真左)】
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 ジェンは、2008年から2009年にかけての戦闘によって南ワジリスタン管区からデラ・イスマイル・カーンに避難を余儀なくされた人々の支援を実施しています。今年支援の対象となっている村で生活する国内避難民の人々は、この猛暑の中、最悪の住環境の中で必死に耐えています。
 パロア郡では、国内避難民の人だけでなく、彼らを受け入れているコミュニティの人ですら、きれいな水へのアクセスがありません。国内避難民の人々の中には、灌漑用水路や池の水を飲み水に使用する人もいます。

 また、パキスタン全土で電力不足が広く問題になっていますが、国内避難民が暮らすテントには、そもそも電気が通っていません。そのため、暑さに拍車がかかっているのです。
 
 国内避難民の小さな子どもたちは、近所の川や運河、用水路などで水浴びをして一日を過ごしています。もともと涼しい南ワジリスタン管区出身の避難民の人々は、デラ・イスマイル・カーンの暑さに適応するのが難しく、今年はすでに2名が異常な高熱により亡くなったそうです。

【水浴びをする子どもたち】
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【川で水浴びをしてきた子どもたち。全身ずぶ濡れです】
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 このような暑さの中、生計回復委員会の設立、ヤギの配布、様々な研修など、様々な活動が今年の事業で計画されています。ジェンの現地スタッフは比較的涼しい早朝に活動を開始し、直射日光のダメージを減らすために濡らした布を頭に巻くようにしています。また、汗とともに消耗するエネルギーやミネラルを補うため、砂糖と塩を混ぜた水を飲むようにしています。

【国内避難民のコミュニティーとミーティングをするジェンスタッフ。首や頭に濡れたスカーフを巻いています(左から2番目、3番目、4番目)】
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 この暑い環境をどうにか乗り越え、できる限り早く支援を届けられるよう、色々と工夫をしながら活動を進めていきます。



【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

7月 4, 2013 国内避難民支援 |