パキスタンにおけるNGO人道支援の壁
最近パキスタンでは、人道支援団体とその職員たちが、ハイバル・パフトゥンハー州と連邦直轄部族地域(FATA)各地へのアクセスの問題に直面しています。
これらの地域でNGOが活動するためには、政府機関からの事業実施許可証(NOC:No Objection Certificate)を取得する必要があります。この許可証の取得までのチェック増加と厳格化に加え、現地スタッフの通行許可証取得が難しくなったことで、人道支援のための対象地アクセスが悪化しているのです。
事業実施許可証は通常、申請から取得まで最低でも約1か月かかると言われています。また、最近新たに取得を義務付けられた現地スタッフの通行許可証は、当初申請から取得までに6~8週間かかると言われていました。この通行許可証の処理時間は、人道支援関係者からの強い要求により5日間に縮小されることになりましたが、まだ実効には至っていません。
不安定な治安状況により、これまで以上に厳しいセキュリティ対策を取らなければならないこと、人道支援機関職員を狙った殺人や誘拐などの事件が増えていることも障害となっています。
軍事行動が続いている地域もあれば、避難民の帰還の告知がされていない地域もあるといった複雑な状況や、度重なる自然災害の発生により、紛争や災害被災者の窮状は厳しさを増しています。同時に、ジェンを含む人道支援関係者にとっての課題も、パキスタン全土において増大しています。
このような状況により、人道支援機関が素早く被災者のもとへ向かうことが困難になっており、被災者も人道支援を効率的に受けることができない状況が続いています。
ジェンはこれらの課題の解決策を探りながら、少しでも早く必要な人々へ必要な支援を届けられるよう、活動を続けていきます。
3月 28, 2013 国内避難民支援 | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)