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2013年1月17日 (木)

マスード族避難民の二重の苦難

 2009年10月、パキスタンの連邦直轄族地域(FATA)南ワジリスタン管区のマスード族が住んでいた地域で、パキスタン政府による反政府武装勢力掃討作戦が開始されました。マスード族の人びとは一斉に戦闘を逃れ、ジェンが活動するデラ・イスマイル・カーン県や隣接するタンク県、または南ワジリスタンのワナという地域などに避難しました。
 
 ワナにはワジール族という部族が住んでいます。当初ワジール族はマスード族の国内避難民を温かく迎え入れ、生活資金や住居などのサポートをしていました。その土地で、避難民の人びとは果樹園や市場、日雇労働などで生計を立て始めました。避難当初からこれまで、ワナに避難したマスード族は避難民として国連機関に登録する機会がありませんでした。そのため、政府機関や国際機関からの支援は一切ありませんでした。

 ワナのマスード族避難民は、困難ながらもどうにか生活していましたが、2011年7月に同地域で起きた治安関連の事件をきっかけに、ワジール族とマスード族の関係が緊張し始めました。ワナの現地治安当局によるマスード族への締め付けは厳しくなっていきました。

 やがて2012年11月にワジール族平和委員会のリーダーが何者かに狙われ、攻撃されるという事件が起き、事態は更に悪化しました。同平和委員会とワジール族の長老たちは会議の結果、マスード族避難民に対し、2012年12月5日までにワナを出ていくよう、最後通告を出したのです。

 これにより、ワナのマスード族避難民は再び安全な場所を探す為、もう一度避難しなければならなくなってしまいました。多くのマスード族避難民はタンク県とデラ・イスマイル・カーン県に移動しましたが、これらの県には既に多くのマスード族が避難しており、新しく流入した彼らは現在困難に直面しています。

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 国連機関などが新たな避難民の登録を開始していますが、二度に渡り避難を余儀なくされた彼らには、あらゆる面からの生活サポートが急務となっています。

ジェンもこれらの人びとの今後の状況に関し、情報収集を行っていく予定です。

 

1月 17, 2013 国内避難民支援 |