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2012年3月15日 (木)

パキスタンの手工芸品

パキスタンはその歴史から豊かな文化的伝統を受け継いでおり、各地域に様々な伝統的・文化的手工芸品があります。

 なかでも、世界的に有名なのは、カシミール地方のショール、バロチスタン及びシンド族の刺繍、ペシャワールのチャパル、サルゴダ及びデラ・イスマイル・カーンの木彫り工芸などです。

 JENの現在の活動地であるデラ・イスマイル・カーンでは、木彫り工芸が昔から続く産業の一つとなっています。ここでは何十年も前から、多くの家庭が生計手段として木彫り工芸を行ってきました。この木彫り工芸は、壮大で歴史あるパキスタン文化を世界中に発信していると言えます。

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 ナジ―ル・フセインさん一家は、これまで100年以上にわたって木彫り工芸に携わってきました。ナジールさんのお店は、トパンワラ市場にある古い手工芸品センターの一角にあり、そのお店の品物一つ一つが文化的遺産と呼べるものです。

 ナジールさんのお店の売りは、「ジンドゥリ」と呼ばれる手作りの木彫り工芸品です。ジンドゥリの作成は大変時間がかかり、高レベルな技術が要求されます。

 ナジールさんの作品は小さな飾りから日用品まで多岐に渡ります(木彫りのおもちゃ、テーブル、灰皿、ティーセット、テーブルランプ、壁掛け時計、壷、木彫りの花、宝石箱、化粧台など)。また、注文を受けて木彫りのロゴや盾を作ることもあるそうです。
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 2010年7月の洪水と南ワジリスタンでの武力衝突により、同地域の他の産業と同様に手工芸業も大きな影響を受けています。ナジ―ルさんによると、トパンワラ市場はその魅力が薄れてきており、それにより彼のビジネスも影響を受けているそうです。

 それでも、ナジールさんは自分の仕事に革新をもたらそうと、毎日希望を持って一生懸命働いています。

3月 15, 2012 文化、生活、習慣国内避難民支援 |