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2012年3月29日 (木)

デラ・イスマイル・カーン県における最初の山羊の配布

 今年も、山羊配布の時期がやってきました。

 山羊配布は、JENが現在デラ・イスマイル・カーン県で実施している国内避難民の生業回復支援において、中核となる活動です。山羊配布を待ちわびている避難民の方も多いのですが、実際に山羊が各避難民の家庭へ配布されるまでには、あと1週間~10日間待ってもらわなければなりません。配布の前に、まず山羊の検疫を済ませなければならないからです。

 この期間を経ることで山羊はより健康になり、避難民の方々もこれらの健康な山羊を受け取ることになるので、検疫を済ませるのは双方にとってよいことと言えるでしょう。

 現在JENの倉庫には190頭のメス山羊と10頭のオス山羊がいます。これらの山羊は、パンジャブ州でJENの家畜専門家が選定してきたものです。選定基準はとても面白く、典型的なローマ型の鼻、長く平らな耳、小~中サイズの角、大きな胴体、多色毛、そして妊娠3・4ヶ月であることです。

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 検疫期間の山羊はスイートホーム(倉庫/母屋)に滞在します。この倉庫は山羊の数に比べ広々としていて、外にはフェンスで囲まれたとても大きな牧場も併設されており、贅沢空間とも呼べそうなほどです。
 倉庫内は幾つかのパートに仕切られており、妊娠後期の山羊、比較的体の弱い山羊、病気の山羊は別々の区画に置かれます。

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 検疫期間中、これらの山羊全てに対して、命に関わる病気に対する免疫を持たせるため、風土病用のワクチンが投与されます。
 倉庫内には、山羊が餌や水を十分に摂取できるよう、木製の食事スペースやセメント製の水飲み場があちこちに設けられており、餌のバルシーム(麦わらを細かくしたもの)の他、栄養補充用にワンダという飼料も与えられています。

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 現在、これらの山羊は1週間の検疫期間中です。この検疫に合格した山羊は、飼い主となる各国内避難民の家庭へ配布され、不合格となったものは業者へ返送されるか、倉庫での家畜専門家による厳格な管理・熟慮の後、次の検疫の機会を待つことになるのです。

3月 29, 2012 国内避難民支援 |

2012年3月15日 (木)

パキスタンの手工芸品

パキスタンはその歴史から豊かな文化的伝統を受け継いでおり、各地域に様々な伝統的・文化的手工芸品があります。

 なかでも、世界的に有名なのは、カシミール地方のショール、バロチスタン及びシンド族の刺繍、ペシャワールのチャパル、サルゴダ及びデラ・イスマイル・カーンの木彫り工芸などです。

 JENの現在の活動地であるデラ・イスマイル・カーンでは、木彫り工芸が昔から続く産業の一つとなっています。ここでは何十年も前から、多くの家庭が生計手段として木彫り工芸を行ってきました。この木彫り工芸は、壮大で歴史あるパキスタン文化を世界中に発信していると言えます。

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 ナジ―ル・フセインさん一家は、これまで100年以上にわたって木彫り工芸に携わってきました。ナジールさんのお店は、トパンワラ市場にある古い手工芸品センターの一角にあり、そのお店の品物一つ一つが文化的遺産と呼べるものです。

 ナジールさんのお店の売りは、「ジンドゥリ」と呼ばれる手作りの木彫り工芸品です。ジンドゥリの作成は大変時間がかかり、高レベルな技術が要求されます。

 ナジールさんの作品は小さな飾りから日用品まで多岐に渡ります(木彫りのおもちゃ、テーブル、灰皿、ティーセット、テーブルランプ、壁掛け時計、壷、木彫りの花、宝石箱、化粧台など)。また、注文を受けて木彫りのロゴや盾を作ることもあるそうです。
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 2010年7月の洪水と南ワジリスタンでの武力衝突により、同地域の他の産業と同様に手工芸業も大きな影響を受けています。ナジ―ルさんによると、トパンワラ市場はその魅力が薄れてきており、それにより彼のビジネスも影響を受けているそうです。

 それでも、ナジールさんは自分の仕事に革新をもたらそうと、毎日希望を持って一生懸命働いています。

3月 15, 2012 文化、生活、習慣国内避難民支援 |

2012年3月 1日 (木)

ゴマル大学

 パキスタンは国土の27%が耕作地で、農業が大変盛んな国です。
 また、バッファロー、羊、山羊、ラクダ等の家畜によるミルク生産量が世界第4位と、畜産業も盛んです。

 このため、パキスタン経済にとって農業・畜産業は重要で、この分野の継続的に成長させていくには、専門家の育成が不可欠です。

 そのような専門家育成機関の一つとして、ジェンの現在の事業地であるデラ・イスマイル・カーンに、ゴマル大学という有名な農業大学があります。
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 ゴマル大学はパキスタン国内大学ランキング12位の評判の良い大学の一つで、学部レベル・学院レベル共に幅広い講義を提供しています。
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学部は文学部、農学部、薬学部、理学部の4つがあり、全部で29の学科に分かれています。
(写真は農学部)
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 デラ・イスマイル・カーンのゴマル獣医化学カレッジでは、ゴマル大学と連携して5年間の獣医薬学博士課程を開始しました。これまでに何百人もの学生がここを卒業し、畜産分野で活躍しています。
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 現在のジェン事業地で畜産指導員研修を担当する家畜専門家も、そのうちの一人です。

 ゴマル大学はパキスタン人の学生だけでなく、アフガニスタンやイラン、湾岸諸国など、様々な国から学生を受け入れており、特にアフガニスタンからは毎年30~40名の学生が上記の博士課程を履修しています。
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3月 1, 2012 文化、生活、習慣 |