国内避難民の味方、ハビブ・ウル・レーマン
デラ・イスマイル・カーンに住むハビブ・ウル・レーマンさんは、農業を営む一方で、肥料を扱う事業も手掛けている一人の男性です。 今回は、国内避難民や人道支援団体の強い味方となっている彼の話をお伝えします。
ハビブさんはイスラム勇士・モハマドとも呼ばれ、46歳という高齢にも関わらず(アフガニスタンの平均寿命は42歳*)、)本当にアクティブで、熱心な社会活動家でもあります。彼は、周囲でらハジ・サイブ(巡礼を実行し、人々に尊敬されるべき人物に与えられる名称)として知られています。
ハビブさんはここ11年間、南ワジリスタン管区のサラロガ郡と、ジェンの事業地の一つであるデラ・イスマイル・カーン県のミアン・ワダ村の2か所で暮らしてきました。
彼は以前このブログで触れた「季節性国内避難民」で、寒さの厳しい冬はデラ・イスマイル・カーンで暮らし、夏は過ごしやすい南ワジリスタンに帰ってくるという生活を送っていたからです。
2009年の夏にパキスタン政府が反政府勢力掃討作戦を開始した時には、ハビブさんは家族と一緒に南ワジリスタンに戻っていました。
しかし、今から約1ヵ月前に南ワジリスタンサラロガ郡の治安が急激に悪化したため、ハビブさん一家はデラ・イスマイル・カーン県へ避難してきました。同じエリアで暮らしていたマスード族の人々も、着の身着のまま逃げてきました。
「国内避難民にとっての問題は数多くありますが、宿泊場所と医療施設の不足が特に大きい、と感じています」とハビブさんは言います。
彼はこう続けました。「私は(デラ・イスマイル・カーンに)家を2件所有しているので、両方の家を南ワジリスタンから逃げてきた人々に提供していますが、いまだに慣れない猛暑の中、デーツの葉を乾燥させて作った家で暮らしている人々のことを思うと、心が落ち着かず、悲しくなります。」
ハビブさんははたくさんの活動に従事し日々忙しい中、国内避難民の人々が持っている国際NGOに対する誤解が解消されるよう、日々活躍してくれています。彼は最も支援を必要としている人々の生活再建の為に手を差し伸べるのです。
例えば、ハビブさんはパハル・プル市場で、ある国内避難民の為に、コカというお茶を売る小さな仮設店舗を立ち上げました。貧しい人々や、避難先でどう生活を立て直したらいいのか途方に暮れている多くの人々にとって、ハビブさんは生活再建のきっかけになっているのです。
ハビブさんはジェンが集落から遠く離れた場所で暮らす国内避難民を確認する際に手を貸してくれただけでなく、他にもいくつかの人道団体から、その貢献に対し感謝状を授与されています。ハビブさんの努力によって、多くの国内避難民の人々が救われているのです。
*2010年WHO調べによる。
===== ご報告 =============
平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、こちらへ
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10月 6, 2011 北西部大洪水 被災者緊急支援 | Permalink