ビータルゴート
貧しい畜産農家の人びとにとって、ヤギは大切な生計の手段です。
パキスタン国内には5千万頭以上のヤギがいると言われていますが、その種類は様々で、肉やミルクの生産性の高い品種もあります。ビータルゴートはそのミルクから作られる乳製品や、ヤギ肉で有名です。
ジェンはデラ・イスマイル・カーンで暮らす国内避難民を対象に、妊娠しているビータルゴートを配布する事業を行っています。 一時的なNFIs(Non-Food Items:食料品以外の物資)や金券の配布に比べ、ビータルゴートの配布は持続的な経済面・健康面での効果が期待できます。
今日は、ビータルゴートが国内避難民の家庭にもたらす効果をご紹介します。
【経済面の効果】
ビータルゴートを飼育することで、まず見込めるのは、国内避難民の経済状況の改善です。
ジェンが現在支援を行っているのは南ワジリスタン管区から逃れてきたマスード族という人びとで、かれらはもともと農業や畜産業で収入を得ていました。
ジェンの調査でわかったマスード族の1世帯一日当りのミルク消費量は2リットルほどでした。ビータルゴートからは毎日2~3リットルのミルクが取れるため、これまで避難先で購入していたミルク代を削減することができます。
また、ジェンは妊娠しているヤギを配布しているため、生まれた仔ヤギを売ることも、繁殖用に飼育することも、食用にすることも、ミルクで乳製品を作ることもできます。
【健康面の効果】
国内避難民の人びとがビートルゴートからミルクやヤギ肉を摂取できるようになることによって、これらの人々の栄養状態が改善することも見込まれています。
ミルクには数種類のビタミンが含まれており、肉は貴重なタンパク源です。ヤギを飼育していくことで、栄養失調状態の人の数が減少することが期待できます。
避難先で教育も受けることもできず、時間を持て余してしまっていた子どもたちも、ビートルゴートを配布された後はヤギと遊んだり、放牧のために外に連れていったりと、毎日一生懸命ヤギの世話をしているようです。
ヤギの配布は10月末まで続きます。受け取った国内避難民の人びとには、あらかじめ専門家の研修を受けた畜産指導員が、適切な管理・飼育方法を伝えていく予定です。
===== ご報告 =============
平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、こちらへ
10月 20, 2011 国内避難民支援 | Permalink
コメント