夢が現実になった時
ジャナス・ハーンとシャー・ナワズは、グンバットという町に住む兄弟です。そして、5人と4人の子どもを育てています。二人は、馬車を使ってグンバットの市場から隣の村に積荷を運ぶ仕事をしています。
ある日、深夜2時に、子どもたちと一緒に眠っていたところを、突然水が押し寄せてきました。目覚めてすぐに目に入ってきた光景は、自分たちの家が水に浸かっていく様子でした。とっさの判断で家から安全な場所へ、避難することを考えました。すさまじい速さで家が水に浸かっていく中、9人の子どもたちをつれて一目散に逃げることは、至難の業でした。逃げまどう中、子どもたちのうち何人かがケガをしてしまいましたが、幸運にも安全な場所に避難することができました。
翌朝早くに家を見に行ってみると、建物は全壊しており、残骸だけが残っていました。もちろん、唯一の財産である馬も、洪水という容赦のない自然災害により流されてしまいました。家を失っただけでなく、収入を得る手段さえも失ってしまいました。わたしたち一家に、かつてない試練が訪れた現実を目の当たりにし、希望を失ってしまいました。大家族を抱えて洪水前の暮らしに戻ることは想像すらできませんでした。
それからというもの、近所の人々が食べ物をくれる以外、誰も助けにきてくれませんでした。そんな時、JENの調査チームがやってきて、何が必要か尋ねてくれました。それから2日後、JENは支援物資を届けてくれました。一家は再び希望の光を見いだしました。受け取った支援物資はすべて、生活をスタートするために必要最低限のものでした。生活必需品を手にした今、私たちは、家を建てなおし、再び働くために、歩み始めました。
9月 7, 2010 北西部大洪水 被災者緊急支援 | Permalink