パシュトゥーン人のもてなしの心
上の世代の人々のあいだでは、北西辺境州に多く住むパシュトゥーン人はもてなしの心があることで有名でした。このもてなしの心は、パシュトゥーン人の文化にとって重要な要素だったのです。パシュトゥーン人の文化や習慣を紹介する本や記事には、彼らがお客さんに対して愛情を持ち世話をすることがいつも紹介されています。
批判家の中には、ここ数年来パシュトゥーン人のもてなしの心の習慣が変わってきていると言う人がいます。それは、彼らを取り巻く世界が変わり、伝統や文化をあまり気にしなくなったからだといわれます。しかし、この4ヵ月のあいだに、批判家の言葉は間違いだったと言える、非常に良い例を北西辺境州で目の当たりにしました。
ブネール県やスワート県での戦闘から逃れてきた国内避難民に対して、ホストファミリーは、お客さんとして迎えていました。ファミリーは、緊急避難のため何も持って来ることが出来なかった彼らに対して、食料や宿泊場所、トイレ、ベッド、料理器具、その他多くのものを共同で使用するもてなしをしたのです。
JENのスタッフが国内避難民と会話した中で、その多くがホストファミリーを、自分の本当の家族のように感じたと言っていました。また、5人の子どもがいる国内避難民の家族が暑くて苦しんでいるのを見て、一つしかない扇風機を譲ってあげているファミリーを、JENのスタッフは見ました。その他にも、北西辺境州における素晴らしいもてなしの心を、スタッフはたくさん目にしたのです。
現在JENの支援によりベッド、うちわ、ガスシリンダー、料理セット、衛生セット等を得た国内避難民は、ファミリーから借りた生活用品を、感謝の気持ちを込めて返しています。