帰還の先に
スワート県から戦闘を逃れてきた国内避難民は、避難民キャンプやホストファミリーの家で暮らしている間、それぞれ人道支援団体から緊急救援物資を受け取り暮らしていました。スワート県の一部地域の安全が確認された現在、その地域の人々は故郷へと帰還を続けています。
先日、スワート県へ帰る人びとに話を聞く機会がありました。ある男性は、JENのスタッフに次のように話してくれました。
「私たちが厳しい状況に直面し、助けを必要としていた時、多くの団体が私たちを支えてくれました。物資の支援は、私たちが本当に必要としているものを満たしてくれてとても助かりました。そして今、私たちは希望を持って故郷に帰ることができます。
しかし一方で、故郷では、家や学校、病院、水道など、戦闘によって破壊されている場所もあるのが現実です。子どもたちが勉強する場所も不足しています。校舎が壊れてしまった学校の一部では、軍によって供給された、一時的に校舎の代わりになるテントがあるだけです。
山岳地帯であるスワートの冬がもうすぐ始まろうとしています。戦闘によるトラウマは勉強にも影響が出そうですが、子どもたちが再び学校で元気に学べる日を願っています」