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2009年4月23日 (木)

バジョールの一般市民が思うこと

090423_13_14april09nwfpassessment_4 2008年、バジョール管区とモハマド管区の一部で、過激派と政府治安部隊の間の衝突が起こりました。過激派・政府治安部隊の両者とも自分たちの正当性を主張しています。

 この衝突による一番の被害者は、貧しい村人たちです。彼らはこれまで、部族内の問題が発生したときは、地元のジルガ(長老たちにより行われる部族の集会)の働きで解決し、平和に暮らしてきました。ジルガで決められたことは、誰もが受け入れる仕組みなのです。

 バジョールとモハマドの両管区は、パキスタン北西部のFATA-連邦直轄部族地域にあります。この地域は、イギリス統治時代の1849年から特殊な行政・政治体制をとっており、伝統に基づき、独立した生活を営んできました。このユニークな体制は今日でも続けられています。090423_13_14april09nwfpassessmentid

 しかし、最近の衝突は、この地域にも様々な変化をもたらしました。そして、多くの人が、住みなれた故郷を離れ、より安全だといわれている北西辺境州への避難を余儀なくされています。難民キャンプで生活している人もいますが、避難民の多くは、キャンプの外で親戚とともに生活しています。家を借りて生活している人もいます。

 JENパキスタンでは、さきごろ北西辺境州でのニーズ調査を実施し、現実を目の当たりにしました。

090423_13_14april09nwfpassessment_2  避難民たちは、多くの問題を抱えています。例えば、キャンプではテントを与えられますが、防水が十分ではないようです。医療機関や、子どもたちが勉強を続けられるような学校も不足しているように見受けられます。いくつもの団体や政府が支援を届けるべく努力を続けていますが、まだまだ不十分なことがたくさんあります。

 避難民キャンプで出会ったおじいさんは言いました。
 「夏が近づいてきているのに、扇風機もない。風呂に入る水も、冷たい飲み水も不足している。人生の中で一番厳しい夏となるだろう」

 そんな状況でも、村の平和を100%確信するまでおじいさんは村に帰る気持ちはないと言います。

 こうした避難民の人びとの未来を考える必要があるのではないでしょうか?JENでは、引続き調査を進めていきます。

4月 23, 2009 |

2009年4月 9日 (木)

被災地の結婚式

090409_marriage_dress  支援を行っているバロチスタンでは、イスラムの伝統的な結婚式が行われます。結婚式の準備は、新郎の家族、親戚、そして友達と一緒に1ヶ月ほど前から始めます。結婚式の3日ほど前からお祝いが始まり、女性や子どもたちは新しくあつらえた服を着て出席します。夜になると女性たちは新郎新婦の家に集まり、太鼓のリズムに合わせて歌います。バロチスタンは敬虔で保守的なイスラム教徒が多く、いつもは静粛な雰囲気なのですが、それでもこの人生の一大イベントはにぎやかに祝います。ここでの典型的な結婚式のメニューは、羊の肉が添えられたご飯とカレーです。

 パキスタンの他の地方と同様に、新郎新婦はモルビ(宗教の教師)と2~3人の証人の前で互いを伴侶として認めると宣誓するまで、顔をあわせることはありません。まれに恋愛結婚もありますが、年配者や家族には好まれません。それでも離婚率はとても低いです。

 結婚式では、男性はAttanと呼ばれる伝統的な踊りを舞います。Attanはアフガニスタンの国民的な踊りで、パキスタンのパシュトゥン人の間でも一般的に踊られます。新郎の友達やプロのダンサーたちは輪になり手を叩いてリズムをとりながら、くるくる回って踊ります。090409_quetta_marriage

 実際にバロチスタンの州都クエッタとJENの事業地ジアラットで行われた二つの結婚式に出席する機会がありました。ジアラットの結婚式では、Attanやその他のセレモニーを目にすることはできませんでした。出席者に話を聞くと、「結婚式はうれしいけれども、つい数ヶ月前に地震で亡くなった人や倒壊した家のことを考えると、ダンスや歌でその喜びを表現することはできない」と言います。

 地震の影響は、このような、おめでたい席までにも及んでいたのです。人びとは、今も人道支援団体から配布されたシェルターやテントでの生活を続けています。

090409_tent_bedroom  地震によって人々が伝統的な方法で結婚式を祝えないのは悲しいことです。一方で、JENのテントが結婚式のようなすばらしい目的に使われたことは、うれしい出来事でした。人々が以前と同じように集い、心を通わせあっているのを見ると、私たちJENスタッフもまた勇気づけられます。

4月 9, 2009 |