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2009年1月29日 (木)

人びとにあらわれた効果

090115_  2006年の復興期に入ってからは、復興を必要とする各分野の中でも、特に遅れが顕著だった教育分野の復興支援に力を入れました。

 日本政府を始めJICA、企業、ユニセフ、そして支援者の皆さまのご支援により、学校再建、地震で破損した学校の水供給・衛生設備設置、学校用備品の配布など幅広い活動を実施しました。

 また、学校建設のようなハードウェアと呼ばれる物を提供する事業以外にも、衛生教育ワークショップ、防災ワークショップ、子供のためのスポーツや絵画を通じた心のケア活動など、子供たちの知識向上や心のケアも重要な分野としてフォーカスしてきました。

 衛生教育とセットで行った学校の水供給・衛生設備設置事業では、ハベリ郡の中でも特に被害の大きかった4地区全120校で、泉から学校まで安全な水を供給するパイプと水飲み場を設置しました。また、学校内にごみ箱と簡易トイレの設置を完了しました。

 これによって、学校にトイレが無いために女の子を学校に送らないという家庭も減り、児童の出席率向上に役立ちました。

 防災教育では「悪い行いを罰するためにアラー(神)が怒って地震が起こった。だからまた悪いことをしたらまた地震が起こるかもしれない」と怯える子どもたちに、正しい地震のメカニズムや日頃からの備え、地震が起こったときの対処法などを伝えながら、心のケアに取り組みました。

 これらの事業は旧ユーゴスラビア時代から「心のケアと自立の支援」をモットーとするジェンの経験が新たな地域で活かされた好例だと思います。

1月 29, 2009 パキスタン地震 緊急支援 |