2025年12月24日 (水)
2025年12月18日 (木)
「これほど壊滅的な災害は見たことがありません」―8月の洪水被災者の声と越冬支援
パキスタンでは2025年8月、国内各地で甚大な洪水が発生し、北部ハイバル・パフトゥンハー州では政府の公式発表で、少なくとも511人が死亡、570棟以上の家屋が全壊するなど深刻な被害が報告されています。
洪水発生から3ヶ月以上が経っても依然として多くの人が避難生活を余儀なくされています。ジェンは、特に被害が集中した同州ブネール郡で、被災した人びとが厳しい冬を乗り越えられるよう、支援を行っています。
治水インフラのない山沿いで甚大な被害
ブネール郡は、首都イスラマバードから車で約3時間半の距離にあり、香川県と同程度の面積の山岳地域です。2025年8月14日に局地的な集中豪雨が発生し、1時間に150mm近い雨が降ったとみられる地域もありました。現地では日本のような治水インフラがほとんど整備されておらず、急激に増水した濁流が山肌を削り取り、土砂や岩を巻き込みながら谷沿いの村々を襲いました。
同郡では、200人以上が死亡し、数百棟の家屋が流失・倒壊しました。家族単位で被害を受けた世帯も多く、結婚式の準備をしていた家族や親戚24人が亡くなる痛ましい被害も発生しました。
「すべてが目の前で消えていきました」
ジェンはブネール郡で被災者の生活状況や越冬に向けて必要な物資などを調査しました。
「これほど壊滅的な災害は見たことがありません。土石流が信じられない速さで襲いかかり、あっという間に村のすべてを破壊しました。家や道路、学校、そして家族が目の前で消えていく中、私は何もすることができませんでした」
特に被害の大きかったガデザイ地区ベショナイ村のスルタン・ザダさん(62歳)は、私たちの聞き取りにこう振り返りました。洪水で母と義理の妹が犠牲になり、兄と甥は流された場所から1キロ下流で生きて発見され、別の甥2人も土砂で覆われた家の一室で生きて見つかったそうです。
「今残っているのは、床上まで泥に埋まった家、閉ざされた学校、失われた家族と友人、声を失った子どもたち、そして未来を案じる大人たちだけです」
ガデザイ地区の調査では1,000世帯以上が安全な家屋や水へのアクセスがなく、食料や生活物資の不足に直面していました。
困難に直面する500世帯を支援
ジェンは、ブネール郡ガデザイ地区の4村での支援実施を決めました。女性が世帯主の家庭や家族に障がいのある人がいるなど、特に困難に直面する500世帯へ、2ヶ月分の食糧のほか、毛布や衣類、防寒用のマントの配布を行います。ブネール郡は標高が高く、山間部の村々では冬季、夜間は氷点下まで気温が下がるため、越冬のための物資は必須です。
ジェンは12月初旬より順次、物資を被災者に届けています。
パキスタンでは、毎年のように異常気象に伴う自然災害が相次いでいます。ジェンは各地で、被災された方々への支援活動を続けていきます。皆様のご協力を、どうかよろしくお願い申し上げます。

支援物資サンプルの検品を行うジェンスタッフ(イスラマバード)
※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金や皆さまからのジェンへの寄付金により実施しています。
2025年11月13日 (木)
清潔な水がもたらす希望 ― 洪水被災地で進む水衛生改善プロジェクト
1.事業開始の背景
パキスタン・シンド州カイルプール郡は、2022年の大洪水により給水施設が甚大な被害を受け、現在も人口の約40%が安全な飲み水を得られない状況にあります。
井戸やポンプは壊れ、女性や子どもたちは何キロも離れた水源まで水を汲みに行かなければなりません。
この状況を受け、2025年3月末日より、ジェンは水・衛生環境の改善と給水施設の維持管理能力の強化を目的とした事業を開始しました。
修理が必要な給水ポンプ場の中にある、壊れた水ポンプ
2.事業の概要
洪水で被災した5つの村において、太陽光発電を活用した給水施設の修復・新設を行い、約2,200世帯(13,200人)に安全な飲料水を届けます。
また、地域住民による「飲料水協会(DWA)」を組織し、施設の維持管理や衛生教育を担う仕組みを構築しています。
加えて、男女10名の「水衛生促進員」が中心となり、手洗い習慣や安全な水利用を広めています。
3.進捗状況(9月末時点 → 現在)
2025年3月の契約締結後、現地での安全確認や入域手続きに時間を要したため、事業は当初計画より約2か月遅れて8月中旬に全5カ村で工事を開始しました。
9月末時点の中間報告では、基礎部分が完成しています。
技術チームが給水施設の基礎工事を確認中
公衆衛生工学局(PHED)の専門家による施設維持管理研修・施設管理キットの研修も終えました。

施設維持管理キット供与を終えて、PHEDがDWAメンバーにキットの説明をしている様子
DWA強化や水衛生促進活動も順調に進んでいます。ジェンは確実な目標達成のため、事業期間の2か月延長申請の準備をしながら、地域の人びとが安全な水にアクセスできる体制づくりを着実に進めています。
その後(2025年10〜11月現在)、全5カ村において、ジェン技術チームと公衆衛生工学局(PHED)が連携し、太陽光発電システムの設置や給水配管の接続作業が進められています。
ジェンは引き続き、現地の安全を確保しながら、誰もが清潔な水にアクセスできる社会を目指して活動を続けます。
※本事業は、外務省「NGO無償資金協力」および皆さまからのご寄付により実施しています。
2025年10月23日 (木)
子どもたちの笑顔が戻った教室 ― シンド州での新しい机と椅子の贈り物
2022年、パキスタン・シンド州を襲った大洪水は、多くの学校を押し流し、子どもたちの学びの場を奪いました。特に女の子たちは、安全な教室も清潔なトイレもない環境で、通学をあきらめざるを得ない日々が続きました。被災後、子どもたちは壊れた校舎の床に座り、ほこりにまみれながら授業を受けていました。暑い夏の日には、床からの熱と埃に耐えながらノートを開く姿――そこには、学ぶ喜びよりも、つらさがにじんでいました。
私たちジェンは、「教育環境・水衛生改善および災害対応力向上事業」を実施し、12校の再建と修復を行いました。新しい校舎とともに、清潔なトイレや安全な飲料水の設備、さらに太陽光パネル等も整備し、明るく風通しのよい教室を取り戻しました。
それでも、まだ足りないものがありました。それは、「子どもたちが誇りを持って座ることができる机と椅子」です。床に直接座っての授業は、体にも心にも負担が大きく、特に女の子の通学を妨げていました。そこで、ジェンは地域や教育局と協議し、机と椅子、教師用の机や棚を届けました。
学校に届いた机
事業の終盤に、12校に新しい家具が届いた日、子どもたちは目を輝かせて教室に駆け込みました。
「これで本当の学校になったみたい!」
新しい机に向かう子どもたちの笑顔に、先生たちは胸が熱くなったといいます。
「前は床に座っていたから、制服がすぐ汚れていたけど、今はきれいなままで書きやすいんです」
ある先生はこう話します。
「教室に活気が戻りました。子どもたちは集中して授業を聞き、保護者も娘を安心して通わせています。ジェンと日本の皆さんに心から感謝しています。子どもたちに『希望』と『誇り』を取り戻してくれました」
かつて水害で荒れ果てていた学校が、今では明るく清潔で、子どもたちの笑顔があふれる場所になりました。日本の皆さまのあたたかいご支援が、子どもたちの未来を照らしています。彼らの小さな手が、机の上で夢を描き続けられるよう、ジェンはこれからも「生きる力を支える」活動を続けていきます。
※本事業は、外務省「NGO連携無償資金協力」からの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。
2025年8月21日 (木)
災害に強い学校づくりと防災活動
2022年の大洪水により、パキスタン・シンド州ダドゥ郡では12の学校が壊滅的な被害を受けました。教室は水没し、校舎は倒壊。子どもたちが安心して学べる環境は失われ、再び災害が起これば命さえ危ぶまれる状況でした。そして、防災力の不足は、子どもたちの教育と安全にとって脅威となっていました。
こうした中、ジェンは「災害に強い学校づくり」を掲げ、学校の復旧・再建プロジェクトを開始しました。現地の人びととともに、単なる建設ではなく、「次の災害にも負けない学校」を目指したのです。
その象徴が、Gaha小学校の再建です。
かつて洪水で深刻な被害を受けたこの学校は、ジェンの支援により、災害に強いインフラを備えた安全な学び舎へと生まれ変わりました。トイレの貯水槽はトイレの屋上に設置し、太陽光発電や給水用貯水槽は教室の屋上に設置、安全な避難経路を確保。地域住民が災害に備える力――「レジリエンス(回復力)」を手にしたことが、この取り組みの大きな成果です。
ジェンの支援は校舎の修復にとどまりません。学校運営委員会(SMC)や児童による災害レジリエンスクラブ(DRRクラブ)の設立を通じて、地域ぐるみの防災意識を高めました。
教員やSMCメンバーへの防災研修、避難マップ作成、避難訓練の実施、毎日5分間の防災学習時間(安全・危険な場所、避難経路、緊急時に取るべき行動等の確認)――これらの活動が、子どもたちと地域に「災害から命を守る力」を根付かせています。
一人ひとりの意識が変われば、地域全体が変わる
今では、Gaha小学校の子どもたちが自ら防災を語り、家族や近隣住民に避難経路を伝える姿が見られるようになりました。これは、支援を受ける側だった地域が、自ら未来を切り拓く側へと変わった証です。
私たちの支援の根幹にあるのは、「人は誰もが再び立ち上がる力を持っている」という信念です。Gahaのような小さな村での変化が、やがて地域や社会を変えていく大きな力になります。
子どもたちの未来を守るために、どうかあなたの力を、この取り組みに加えてください。
※本事業は、外務省「NGO連携無償資金協力」からの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。
復興を支え、災害に備え、子どもたちの未来を紡ぐ
2022年にパキスタンで起きた大洪水で最も深刻な被害を受けたと言われるシンド州・ダドゥ郡で、学校と給水・衛生施設を整備し、子どもの就学促進を目指す事業を継続しています。
パキスタンでは子どもの就学率は44%と世界で2番目に低く、シンド州もその例外ではありません。シンド州では79%の学校が洪水によって損壊。ダドゥ郡では公立小学校の45%で給水施設がなく、36%ではトイレがありません。洪水後、人びとは汚染された水の利用を余儀なくされ、衛生知識の不足から多くの子どもたちが下痢の症状に苦しんでいます。
事業では施設整備に加え、衛生教育の研修を実施し、子どもたちが衛生知識を身に付けることで病気を防ぎ、学校に通えるようになることを目指しています。
教室の改修が必要だった学校のひとつ、Shafi Abad Channaで、学校の譲渡式が行われました。
式典にはダドゥ郡教育局全体を管轄する教育担当官のLiaquat氏が参加。

記念碑にはこの事業の名前と、日本からの支援であることを示すロゴが刻まれています。
大洪水の教訓を踏まえ、災害の再発時に備えることもこの事業の目的です。施設は洪水に耐えられるようトイレの位置を高くする、貯水槽を教室の屋根に設置する等工夫されています。事業前後の写真をご覧いただき、事業によって起きた変化を感じていただければ幸いです。
事業実施前のトイレ

事業実施前の教室内部。壁の半分程の高さまで洪水が襲った跡がある。

事業実施後の教室外観。屋上には太陽光発電で井戸から汲み上げた水を貯める貯水槽を設置。
ジェンは、困難な状況にある地域でひとりひとりの未来を支えるために、支援活動を継続します。引き続き、皆さまの温かいご協力とご支援をよろしくお願いいたします。
※本事業は、外務省「NGO連携無償資金協力」からの助成金や皆さまからのジェンへの寄付金により実施しています。
2025年7月17日 (木)
彼女の一歩が、世界を変える
パキスタンの南部にある、小さな村。そこに暮らすラジアさんは、夫と共に農業を営みながら、四人の子どもを育ててきました。畑で綿花を育て、家畜の世話をしながら慎ましくも力強く日々を過ごしていました。
けれども、2022年の夏。モンスーンによる未曾有の洪水が村を襲いました。それは、ただの自然災害ではありませんでした。多くのいのちの支えが、濁流と共に押し流されてしまったのです。ラジアさんの家も、そのひとつでした。せっかく実った作物は失われ、裏庭に積んでいた種や穀物も、水と共に消えていきました。汚染された洪水の水で家畜も病にかかり、次々に命を落としていきました。
水が引いたあとに残ったのは、深い泥と、不安だけでした。「これからどうやって暮らせばいいのか」と村中が、絶望に沈んでいました。収入の見込みもなく、塩化した畑を回復させ耕す手段もなく、食べる物さえも足りませんでした。
けれども、ラジアさんは黙って立ち尽くすことをしませんでした。彼女は、子どもたちを守るため、畑を取り戻すために「誰かが何かをしてくれるのを待つのではなく、自分から動こう」と決意したのです。
そのころ、私たちジェンは、洪水の被害を受けた農村地域への支援を始めていました。洪水や干ばつに強く、栄養価も高い小麦やからし菜、大麦などの「未来のための種」を、被災した家庭へ届けるプロジェクトでした。私たちがラジアさんの村を訪れたとき、彼女は自ら声をかけてくれました。
「話を聞いてください。畑を再開したい。でも、種もお金もないのです」その率直で真剣な言葉に、私たちは心を動かされました。彼女の家族は特定基準に沿って支援対象として選ばれ、必要な種子や肥料、農薬、種の保管袋などを受け取ることになりました。
ラジアさんは支援を「もらって終わり」にはしませんでした。農業経験をもとに「リーダー農家(Leader Farmer)」に選ばれたラジアさんは、農業技術研修に参加し、病害虫の見分け方や、適切な収穫の時期、種の選別方法などを身につけていきました。
ラジアさんは学んだことを、「同じように困っている女性たちにも伝えたい」と、近くの村の女性たちを50人集め、小さな研修会を始めました。「自分にもできるかもしれない」と感じた仲間たちにとって、ラジアさんはいつの間にか、村の希望の象徴になっていました。
収穫した種の一部は、次の年のためにと、大切に保管されました。この事業では、収穫した種の一部を他の2世帯に提供します。それは、助け合いの仕組みでもあり、未来へ希望をつなぐ仕組みでもありました。
プロジェクトが拡大し、370世帯が新たに支援を受ける「第二フェーズ」が始まったとき、ジェンは再びラジアさんに声をかけました。今度は「リーダー農家」として地域と行政をつなぎ、支援活動を先導する役割を担っていただきました。ラジアさんは農業局とも連携し、女性たちの声を丁寧に拾いながら、セッションを開催しました。農業に女性が関わることが当たり前ではなかったこの地域で、彼女はしっかりと道を切り拓いていったのです。
彼女の一歩が、世界を変える:
今、ラジアさんの家には、再び家畜の鳴き声が響いています。支援活動に参加してから家畜を購入することができたのです。バッファロー、子牛、ヤギとその子どもたち。彼らのミルクは、家計を支え、子どもたちの教育にも役立っています。「私たちは助けられただけではありません。一緒に立ち上がったのです」と、ラジアさんは穏やかに話します。
私たちジェンは、ただ支援を「届ける」団体ではありません。人びとの中にある「生きる力」を信じ、それを支え、ともに未来を育む団体です。ラジアさんのような人が、立ち上がり、歩み出す。それがやがて地域を変え、世界を変えていきます。あなたの想いが、その第一歩を支えます。どうか、これからも共に歩んでください。
*本事業は株式会社ゼンショーホールディングスのお客さまと従業員の皆さまから寄せられた募金とジェンへの寄付金により実施しています。
2025年5月29日 (木)
広がるシードシェアの輪~タリクさんの力強い復活~
タリク・カーンさんは、シンド州ダドゥ郡に住む農民です。家族4人で暮らし、収入の多くを農業と家畜の飼育で得ていました。しかし、2022年の大規模な洪水で、収穫した米、綿花、唐辛子などの作物をすべて失い、その経済的損失は約100万パキスタン・ルピー(約53万円相当)にものぼりました。洪水による病気で2匹のヤギも失いました。
この未曾有の災害後、タリクさんは種や必要な農業資材を購入する余裕がなく、商人から借金をして再び農業を始めることになりました。
そんな中、ジェンの農業支援「シードシェア」が始まりました。洪水で被災した中でも最も脆弱な農家185軒に、種子と肥料、収穫した種用の密閉袋を配布。そして、その中から選ばれたリーダー農家が専門家から研修を受け、学んだ知識を他の農家に伝えます。参加農家は収穫した作物から採れた種子のうち、自身が受け取ったのと同量の種子を、地域の他の2軒の農家に提供し、研修も受けます。
タリクさんは、洪水に強く、高収量が見込め、環境にも適した小麦、大麦、カラシの種、肥料や農薬を受け取り、再び農地を耕して栽培することができました。次の季節に向けて種を採取し、家族の食糧を確保するとともに、余剰の作物を市場で販売し、借金を返済しました。また、困窮している他の2人の農家にも小麦、大麦、カラシの種を提供しました。
タリクさんは適切な灌漑方法や肥料の使い方、害虫の識別、農業局との連携について学びました。また、大麦粉やカラシ油の栄養価についても知識を深め、市場の油と混ぜることで健康に良い効果が得られることを実感しました。彼は他の農家にも沢山の有益な情報を自発的に伝えています。
タリクさんは、学んだ情報を最大限に生かし、次の収穫時期で大麦の栽培面積を4倍に、カラシの面積を2倍に広げることができました。
今年1月からは第二期の支援が始まりました。肥料などを配布し、リーダー農家が専門家から研修を受け、370軒に対して研修を行います。そして、タリクさんのように、収穫された種の一部を他の2世帯に提供します。これによりシードシェアの輪が広がっていきます。
タリクさんは、ジェンの事業と皆さまからのご支援に感謝の意を表しました。特に、提供された種が農業に大きな役割を果たしたと語っています。この支援により、食糧不安が解消され、将来の災害への備えが整い、持続可能な農業と地域社会の復興に向けた一歩を踏み出すことができました。
2025年4月24日 (木)
WASH促進活動で未来を変える:ザイナブちゃんのお話
ザイナブちゃん(11歳)は、セニャニ・ラハイ村出身のWASHクラブキャプテンです。
洪水による避難や健康問題、経済的困窮という厳しい状況を乗り越え、WASHクラブに参加したザイナブちゃんは、学校や地域での衛生習慣の啓発活動に力を注いでいます。
WASHクラブのキャプテンは、学校と地域社会の両方で重要な役割を果たしています。
学校では、手洗いやトイレの使い方など、基本的な水と衛生の習慣を他の生徒に教えたり、正しく実践されているかを日々見守ったりします。
毎週の衛生チェックを行い、結果を先生やクラブで共有するなど、清潔な学校環境づくりをリードします。
地域では、衛生に関する啓発イベントを企画・進行したり、安全な水の使い方を伝えるなど、子どもながらに地域の衛生活動を支える存在です。
こうした活動を通じて、彼女自身も実践力や責任感を高め、周囲に良い影響を与える「変化の担い手」として成長していきました。
ザイナブちゃんの活動は、学校だけでなく、家族や地域社会にも広がりました。家庭内でも衛生的な生活習慣の重要性を伝え、家族全員が清潔な環境を維持するようになりました。そして周囲の人びとに勇気を与え、模範的なリーダーとして認識されています。
ザイナブちゃんのような若いリーダーが、希望と変化をもたらす力となり、地域に新しい風を吹き込んでいます。
私たちは、困難な状況に立ち向かう子どもたちの未来を支えるため、これからも支援を続けていきます。皆様の温かいご支援が、未来を切り開く力となり、さらに多くの子どもたちに希望を届けることができると信じています。引き続き、私たちの活動へのご協力をお願い申し上げます。
※本事業は、外務省「NGO連携無償資金協力」からの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。
2025年4月17日 (木)
WASHクラブで育つ変化の担い手
【WASHクラブが結成されるまで】
2022年、パキスタンのシンド州ダドゥ郡を襲った大洪水では、汚染された水や不十分な衛生環境により、感染症が広がりました。特に下痢、コレラ、チフスなどの水系疾患が増加し、皮膚や呼吸器の病気も深刻化。医療機関は対応しきれず、衛生や健康環境の改善が急務となりました。
ジェンは、ダドゥ郡で学校の再建と衛生教育を進める事業を開始し、WASH(水と衛生)クラブを設立。ゲームや体験を通じて、子どもたちは衛生知識を学び、それを家族や地域に伝えています。地域に根ざした衛生改善を子どもたちが担い、持続的な変化を生み出しています。
【WASHクラブの活動】
WASHクラブでは、こんな活動をしています。
・各学校で、対象生徒に衛生促進キャンペーンを行う。
水の衛生、虫が媒介する病気やその予防(蚊に刺されない方法や蚊帳の正しい使い方など含む)、石鹸を使った手洗いなどの下痢の予防や対処法、適切な学校施設使用法など
・石鹸を使った手洗いを実践してもらうため、1日の中で、石鹸での手洗いのタイミング(調理・食前・排泄後)についても説明する。
・他の生徒たちが衛生促進キャンペーンで学んだ知識や習慣を家族や地域住民にも普及するよう促す。
・キャンペーン以外にもクラブ活動で学んだことを実践し、他の生徒に教える。
・家族や学校の地域住民を対象に、野外排泄のない環境(ODF:open defecation-free)を実現するため、クラスの仲間と協力して衛生促進活動を行う。
【体験学習】
体験学習では、ポスター作成やクイズなどを通じて、楽しく衛生に関する知識と意識を深め、行動変容できるよう工夫しています。
いくつかのポスターをご紹介します。
1 ちょっとした物語です。ゴミ箱の物語。ゴミ箱は、「ちゃんと使って」と伝えています。
2「床を掃除しましょう」シンディー語で、床の掃除について書かれています。
3 1日2回歯を磨くことに関するメッセージです。
次回は、このクラブのキャプテンとして活躍するメンバーについてご紹介します。






















