2017年9月21日 (木)

武装勢力から解放された後の村で

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写真が見せているのは、ニネワ平原にあり、モスル市の近くにある村の入り口です。

この村の中ではスンニ派とシーア派の二つの宗派が共に暮らしており、両派ともにイスラム教徒ですが、信念や教義に違いがあります。

2014年に武装勢力が村に侵攻した際、一方の宗派は村から逃げましたが、他方は村に残りました。村に残った宗派の人びとは、自分たちと武装勢力は信仰が同じだと考えていましたが、武装勢力は同宗派を信仰しているふりをしていたのでした。

イラク軍により村が武装勢力から解放された後、JENはUNICEFと協同し、いくつかの事業を開始しました。そのうちの一つが、村のボランティアが他の村人へ伝える衛生促進活動です。

JENのスタッフと衛生促進活動ボランティアは、両方の宗派の人びとに活動に参加してもらうことの難しさから、時折困難に直面しました。

活動当初、両派は何も問題はなく共に平和に暮らしていると話しており、実際そのように見受けられました。村のリーダーは、武装勢力からの解放後、村が平和にそして自由になり、新しい生活を始められたことをとても嬉しく思っていました。

しかし、JENが事業を開始し、ボランティアや村人たちがJENのスタッフに信頼を寄せ始めた時、ボランティアたちは村内での陰口や偏見についてスタッフに明かすようになりました。

二つの宗派の人びとは隣人同士ですが、衛生促進活動やイベントの際にお互いの家を行き来きすることはありませんでした。

村で少数派である宗派の人びとは、多数派の人びとが武装勢力を支援したと信じていました。なぜなら、武装勢力の侵攻の時、多数派は村から逃げ出さなかったからです。

この少数派グループは民兵組織を結成し、この村を統制しています。そのため、多数派であっても、少数派グループに衛生促進セッションや活動への参加を促すことはできません。

JENは人道支援団体として、お互いの宗派への偏見を助長しないように、村の両宗派グループの子どもたちが一緒に過ごす機会を設けることにしました。

JENのスタッフは8月28日に節水に関する衛生促進イベントを企画し、125人以上の子どもたちを緑鮮やかなきれいな広場に集めました。

両宗派から参加した子どもたちは楽しいゲームやアクティビティに参加し、JENとUNICEFが準備したお菓子やプレゼントをもらいました。イベントが終了した後、子どもたちはお互いの手と手を取り合って帰っていきました。

最も嬉しかったのは、翌日その子どもたちがまたイベントをやっているかもと期待して、一緒に広場にやってきたことでした。彼らにはお互いの親たちが持っているような考えはなく、親が家で何を話そうと、どう考えていようと、気にしていませんでした。

このことは私たちスタッフに、二つの宗派のグループがいつかお互いの違いを乗り越え、仲よく暮らせる日がくるのではないかという希望を与えてくれました。

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【衛生イベントを行う衛生促進ボランティア】

シェルワン・ミールハジ・ムハンマド

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9月 21, 2017 衛生教育 |

2017年9月 7日 (木)

シンジャール山から水汲みへ



イラクのシンジャールで活動をするJENスタッフから、いつもの活動とは少し違う印象の写真が届きました。

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シンジャール山からロバに乗って水汲みをする少女たちをとらえました。

JENのこれまでの給水支援活動はこちらからご覧いただけます。

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9月 7, 2017 国内避難民支援, 水衛生環境改善 |

2017年8月24日 (木)

キルクークの若者事情



ここ、キルクークでも大人気なスポーツ、それはサッカー!昨今のキルクークの若者は、スペイン・スーパーカップ「クラシコ」のレアル・マドリードとバルセロナの対戦に熱中しています。

クラシコはキルクークでとても人気があり、若者の多くがカフェに集まり、熱狂的に試合を観戦しています。

つい先日も、キルクークのクラブにはサッカ―観戦のために多くの人びとが集まっていました。この日は、バルセロナサッカースタジアム「カンプ・ノウ」で対戦が行われていたのです。3-1でレアル・マドリードが勝利しました。

レアル・マドリードのC・ロナウドはこの試合で退場となりましたが、今日、私たちはレアル・マドリードのサッカースタジアム、サンティアゴ・ベルナベウでのリターン・マッチでスペイン・スーパーカップの勝者を目にするのを心待ちにしています。

JENイラク
アブドゥッラー



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8月 24, 2017 文化、生活、習慣 |

2017年8月 3日 (木)

モスル解放、そして…

2014年に、イラク第二の都市モスルが武装勢力に制圧され、数百万人もの市民が国内の安全な場所へ避難する事態となっていました。2016年10月以降、イラク政府によるモスル解放作戦がスタートし、2017年7月、モスルはついに武装勢力から解放されたのです。

これから重要なことは何でしょうか?

復興と一言で言っても、漠然とした印象を持ちます。復興は、戦闘により破壊されたインフラの復旧だけではありません。モスルへの人びとの帰還を促すこともそうです。

モスルの復興を推進するには、まとまった資金が必要であり、国際社会の支援が入っていますが、それだけでは、まだまだ不十分であることは否めません。

復興の際には、様々な側面での公平性を保つためにも、いわゆる一般的なイラク社会とモスルの住民間での和解も行われるべきです。

【モスル市内の様子】

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武装勢力によるテロは死や物理的な破壊をもたらしただけではなく、もともとあった「文化」そのものも壊そうとしていたのです。

武装勢力がこの数年間で育成してきた「文化」や「社会」、「政治」、「宗教感」は、そのリーダー等によって、自分たちの思想を社会に広めるために入念に練られ人びとに少なからず影響を与えました。これらの過激な思想を人びとから取り除く過程も同時に必要でしょう。

その為にも、これから国は、NGOや聖職者、有識者、思想家やイラク社会に影響を持つすべての人びとと協動して復興に向けたプロジェクトを実施していく必要があるのです。

また、私たちは子どもたちのことを忘れてはいけません。

【モスル市内の人びと】

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イラクの専門家たちは、モスルの子どもたちへの心理的・社会的リハビリプログラムを実行していくため、他国の専門家たちの協力を仰ぐ必要があるでしょう。

子どもたちが経験した悲劇は、将来的に彼らの心理・思考に負の影響を与えることが考えられるからです。


ティクラ・J・アルナジャール
バグダッド/イラク

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8月 3, 2017 政治、経済、治安 |

2017年7月 6日 (木)

シンジャールとバシーカ・バハザニの印象

【シンジャール】
 シンジャール市やその周辺での暮らしは、まるで地獄のようです。

 シンジャール市が武装勢力から解放されて以来、JENは最初に人々のサポートを開始した団体の一つです。
 初めてJENのスタッフとしてシンジャール市を訪れた時、人々はまるで死体の中に魂が宿っているようでした。ほとんどの家と政府関係の建物が破壊されていました。そこで私たちはシンジャール市の井戸の修復を開始したのです。井戸修復は最も重要なプロジェクトの一つです。なぜなら水は生活必需であり、帰還した人々の一番のニーズでもあるからです。

 シンジャール山は市内よりさらに厳しい土地です。JENはこれまでに何が人々にとって重要かということを何度も調査してきました。そして私たちは公共の貯水タンクとタンカーいっぱいの水を毎日提供しています。

【JENが借りている給水タンカー、山に避難している人々への飲み水配布を決定しました】
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【シンジャール市の井戸修復の様子、貯水タンクの設置、ジェネレーターの配置】
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【バシーカとバハザニ】
東モスルに位置するバシーカとバハザニ村は、2年間武装勢力下にありました。

JENはこの村々に帰還してくる人のために支援活動を行っています。家々は無事でしたが、道路は戦闘によるがれきが積みあがっており、一掃する必要があったため、家庭ごみと道路の清掃プロジェクトを実施しました。また、井戸の修復支援も行っています。村の人々には非常に喜んでいただいているだけでなく、毎週帰還民が増えています。

【バシーカ水道局長、ニネワ県水道局エンジニアとともに井戸管理小屋、貯水タンク、給水ネットワークなどの話し合いをするJENのエンジニア。
 バシーカ水道局長、ニネワ県水道局エンジニアはJENに対し感謝の意を示してくださっています】
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【バシーカ村周辺にある修復した井戸】
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JENイラク
レバー・アリ・メラ

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7月 6, 2017 支援物資配布, 緊急支援 |

2017年6月22日 (木)

校舎の補修工事が終わりました

今年度の補修工事対象校において、一部の学校の補修工事が完了しました。

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補修工事が完了した、バグダッド県のバグダッド学校のトイレの洗面台です。

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こちらも同じくバグダッド学校の補修後のトイレです。

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バビル県のファティ学校の補修工事完了後の手洗い場です。

JENでは引き続き、4県の学校における補修工事を進めていきます。

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6月 22, 2017 学校建設・修復, 水衛生環境改善 |

2017年6月 7日 (水)

イラクのトリュフ



みなさん、トリュフと聞いて想像するのは何でしょう?

トリュフはきのこ(真菌)であり、葉緑素を持たないため、光合成を行いません。その代り、土壌の動植物の死骸等から栄養を得ています。

4月初旬、キルクークやその周辺の地域ではトリュフが出回ります。その値段は1kgあたり35,000イラクディナール(約28USD)程です。

トリュフの産地は、かつての武装勢力支配地域であり、そのグループが化学兵器を使用した地でもあるキルクーク近郊で育つため、キルクークの人びとは兵器として使用された化学物質がトリュフに取り込まれているのではないかと懸念しています。しかし、トリュフは非常に美味しく、そのリスクを鑑みても食べたいと思わせるだけのものです。

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【山積みのトリュフ】

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6月 7, 2017 文化、生活、習慣 |

2017年5月25日 (木)

登録管理システムの使用開始



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【衛生用品の配布に登録管理システムを活用中】

JENは避難民キャンプでの衛生キットの配布に、登録管理システムを取り入れました。そのシステムを使うと、配布作業が従来の方法より簡単かつ正確に、さらに紙書類無しで配布を行うことができます。

登録管理システムの使用には、スマートフォンとキャンプに住んでいる全世帯のデータが入っているアプリが必要です。しかしそれ等があれば、キャンプ内の家庭を訪ねたとき、その世帯に関する詳しい情報、例えば家族構成や衛生キットの受給資格があるかがすぐに確認できます。さらに、その一家が衛生キットをすでに受け取ったかどうかも分かるので、重複や誤配布を防ぐことができます。

登録管理システムはクルド地域政府と他の非営利活動団体によって開発されました。キャンプやドホーク周辺に住んでいる全ての国内避難民がこのシステムに登録されています。JENは配布作業にこのシステムを使った最初の非営利活動団体の一つですが、まもなくクルド自治区で、全ての配布作業がこのシステムを使って実施される予定です。

JENフィールドスタッフ
エザット・アハメッド・バピール

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5月 25, 2017 支援物資配布 |

2017年5月11日 (木)

物資配布を行いました



武装勢力から解放された地域で、JENは2017 年5月初旬、水衛生用品などの物資配布を行いました。

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【物資配布前の段取りをしているスタッフ】

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【物資を受け取り、持ち帰る人びと】

この地域は2017年1月ごろから人びとの帰還がはじまりましたが、戦闘により井戸などが壊れており、生活用水の確保が喫緊の課題でした。そこで、JENはこの地域での井戸修復や、水衛生用品などの物資配布、衛生教育などを、UNICEFと共同で行っています。

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【物資の配布漏れや重複を防止のために登録確認をする人びと】

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5月 11, 2017 支援物資配布 |

2017年4月20日 (木)

アル・ファルージャの学校

昨年11月、戦闘行為により学校施設はひどく破壊されましたが、学校関係者は子どもの通学の再開を決定しました。

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【深刻な被害を受けた学校】

アル・アンバール県政府はアル・ファルージャの60%の学校施設が損害を受けていると発表しました。建物が100%破損している学校もあり、学校ごとにその損害の程度は異なります。

また、ここ数年の生徒数の増大により、学校施設は増加する生徒数に対応できず、学生を午前と午後などのグループに分けてシフト登校を実施し、あるいは学庭を教室として使用せざるを得ない学校もあります。

ある学校では80人の生徒が、生徒数に見合わない狭い一つの教室で勉強しており、このような込み合った教室では、子どもがかかりやすい感染症が瞬く間に流行します。

アル・アンバール県教育局は教育省と他の政府機関に学校施設の修復と再建を依頼していますが、適切な対応がなされていません。例えば、 長期使用には耐えられない簡易工法の仮設教室用建材が送られてきただけのこともありました。

JENでは子どもたちが、安全に学校で勉強を続けられるように、このような状況へのサポートをぜひとも継続したいです。

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4月 20, 2017 学校建設・修復 |