2018年4月12日 (木)
2018年3月15日 (木)
イラク教育省より感謝状
2018年の3月、JENはイラクで長年行っている学校修復と衛生教育に関してイラク中央政府教育省より感謝状を拝受いたしました。
JENは2004年からイラクにて学校の修復を行っています。これまで約250校の修復を行い、イラクの子どもたちが教育を受けられるよう尽力してきました。また、修復する学校の選定や修復後の管理に関して常に教育省と共に歩み、強い協力関係にあります。
2018年1月25日 (木)
学校と井戸の修復が進んでいます
JENは2014年後半、シリアとの国境に近いシンジャール山で支援活動を始めました。
ここには山の南側に位置するシンジャール市から多数の国内避難民が逃れてきているため、その方々を対象に水と生活物資を提供していました。
同市が2015年に武装勢力から解放された直後、シンジャール市にはわずかの人しか残っていませんでしたが現在は多くの人が帰還しています。
JENは現在給水設備の修復と、帰還した子どもたちが安心して学業を再開できるよう市内の学校を修復しています。
学校修復の様子(シンジャール市)。建物のペイント、窓とドアの修復をしています。↓
サヌニの井戸。井戸設備、中間貯水タンクの修復を行っています。写真はオペレーション室の屋根修復。
シンジャールの井戸。貯水タンクの修復中。
井戸の基礎部分、貯水タンクの修復を行っています。
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2017年10月26日 (木)
クルド人自治区での活動と今後
JENが武装勢力から逃れた国内避難民や帰還民への支援活動を開始してから、3年が経ちました。現在はアクレ市にあるマミリアン避難民キャンプ、シンジャール地区、ズマール地区、モスル市で支援活動を行っています。
<マミリアン避難民キャンプ>
2014年のキャンプ開設当初から、JENは水衛生分野の支援活動を行う国際NGOとして中心的な役割を担ってきました。活動では主に、敷地内に設置されているトイレの維持管理、上下水道の整備と給水を行っています。
また、水衛生環境をより良く保つために、石鹸や洗剤からなるキットの配布を行っています。人びとに水因性疾患の危険性を周知し、手洗いや健康維持のための個々の衛生意識の向上を目指し、衛生促進活動を行っています。
このキャンプには、設立当初からイスラム教徒とシンジャール地区から逃れてきたシャバック人やヤジディ教徒、併せて約2,500世帯が暮らしていました。2016年以降、武装勢力の動きをメディアの情報から得て、安全になった故郷へ帰還する人が増えたため、キャンプの居住者は徐々に減っています。とは言え、いまだ帰還を果たせていない人がいます。彼らが安心して故郷に戻る日が来るまで、今後も可能な限り、水衛生の環境整備をしていきます。
【マミリアン避難民キャンプから故郷へ帰還する家族】
<西モスルでの給水活動>
モスルがイラクの政府軍によって武装勢力から解放された後、JENは西モスルで給水活動を始め、毎日約80万リットルの水を約8万人に提供しています。
【給水活動は、住民の協力を得て行っています】
<シンジャール市・山の井戸修復>
JENは2014年後半、シリアとの国境に近いシンジャール山に逃れた国内避難民への支援活動を始めました。当時は主に南側のシンジャール市で、武装勢力から逃れた人びとに水と生活物資を提供していました。
同市が2015年に武装勢力から解放された直後、シンジャール市にはわずかの人しか残っていませんでしたが、現在は安全な地域に避難していた多くの人が帰還しています。JENは現在給水設備の修復を行っています。
現在、シンジャール市内の井戸を修復していますが、次はこれに加え、帰還した子どもたちが安心して学業を再開できるように、市内の学校を修復する予定です。
【JENが設置した水タンク(シンジャール山)】
<ズマール地区>
ズマール地区では、95%の家族が村に帰還しています。ここでの戦闘は短期間でしたが、人びとの生活再建に必要な家、水道、学校などのインフラは破壊され、壊滅的な状態です。この地区の主要な水源は、つい最近まで武装勢力が占拠していた地域にあるため、修復は慎重に、完了するにはまだ時間がかかります。そのため、JENは12月中旬まで給水活動を続け、その間に水管理局と共に他の解決策を検討する予定です。
【修復した給水施設の定期点検も重要です】
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2017年10月19日 (木)
イラクの教育システム(1)
イラクの学校教育は1921年に始まり、1970年代前半に全ての公立学校が無料化され、誰でも学校教育を受けることができるようになりました。
1970年に制定された憲法では、初等教育を義務教育とし大学までの全ての教育課程を無料化し、教育を受ける権利を保障することが定められています。
また、1978年には15歳から45歳までの人を対象に、非識字率を改善するための総合的なキャンペーンを行い、1978年当時48%であった非識字率が1987年には9・19%まで低下しました。
ユネスコの報告によると、湾岸戦争が勃発した1991年以前のイラクの教育システムは、近隣の地域では最も優れたものでした。
しかし、第2次湾岸戦争後の教育システムの悪化と13年間続いた経済封鎖の負担は、教育の質の悪化だけでなく、識字率を徐々に低下させ、国民の経済状態の悪化による学校中退率の増加を招きました。
(続く)
【衛生教育の様子】
【歯磨き講習会】
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2017年6月22日 (木)
2017年4月20日 (木)
アル・ファルージャの学校
昨年11月、戦闘行為により学校施設はひどく破壊されましたが、学校関係者は子どもの通学の再開を決定しました。
アル・アンバール県政府はアル・ファルージャの60%の学校施設が損害を受けていると発表しました。建物が100%破損している学校もあり、学校ごとにその損害の程度は異なります。
また、ここ数年の生徒数の増大により、学校施設は増加する生徒数に対応できず、学生を午前と午後などのグループに分けてシフト登校を実施し、あるいは学庭を教室として使用せざるを得ない学校もあります。
ある学校では80人の生徒が、生徒数に見合わない狭い一つの教室で勉強しており、このような込み合った教室では、子どもがかかりやすい感染症が瞬く間に流行します。
アル・アンバール県教育局は教育省と他の政府機関に学校施設の修復と再建を依頼していますが、適切な対応がなされていません。例えば、 長期使用には耐えられない簡易工法の仮設教室用建材が送られてきただけのこともありました。
JENでは子どもたちが、安全に学校で勉強を続けられるように、このような状況へのサポートをぜひとも継続したいです。
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2016年12月 1日 (木)
私たちの学校、私たちの家
2016年度初頭、イラク教育省は、環境教育学部と学校保健学部の総局に、それぞれの地域の市総局と共同により、学校をきれいにしようというキャンペーンの実施を呼び掛けました。また、教育省から関係NGOにもキャンペーンへの参加招待状が届き、このキャンペーンは「私たちの学校、私たちの家」と題して実施されました。
教育省や学校は、特に学校の衛生環境には特別な注意を払っており、その重要性を良く認識しています。このプロジェクトの目的の一つは、イラクの学校環境を整え、安全で健康的な学びの場を生徒と先生たちに提供することです。JENは、学校に清掃用具や必要な資機材を提供し、このキャンペーンの成功に深く寄与しました。
研修実施前には、丸一日かけて学校を清掃し、キャンペーンには教育省職員も参加しました。JENスタッフの積極的なキャンペーンへの参加・実施には、各所より称賛の言葉を頂きました。
【学校の庭を清掃する学生】
Thikra J. Alnajar
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2016年10月20日 (木)
イラクでの新学期開始
2016年9月29日に、イラクで新学期が始まりました。教育省の大臣により、バグダッドの小学校で新学期開始のベルが鳴らされました。
1970-80年代のバグダッドの教育システムは、その地域では最高レベルであり、識字率は高い水準を維持していました。当時、政府が実施していた識字率向上キャンペーンも寄与していたと考えられます。しかし、1991年以降、イラク戦争の勃発により、また経済制裁の影響もあって、教育システムは衰弱していったのです。
2003年以降、イラクの学校の多くが修理や衛生設備の修復が必要な状態であり、また実験室や図書館、電気や水道などのインフラも不足しています。教育システムの衰弱に加え、このような学校設備の不備が、子どもたちの足をさらに学校から遠のけます。また、経済的に困窮した状況により、多くのイラクの子どもたちが児童労働を余儀なくされ、このことが識字率の低下へと繋がっています。
【JENが修復した学校のトイレと貯水タンク】
2015年6月25日 (木)
避難民の児童たち
ラマディ、ファルージャ、ハディサなどで生活する人たちのうち、経済力があって家を借りることができる人たちは、治安の不安があるため今住んでいる街を離れて別の街へ行き、子どもたちも別の街の学校に通っています。
一方で経済力がない多くの人たちは避難民のキャンプで暮らし、過酷な生活を送り、学校に通えない状態が続いています。また、もとの街にとどまっている子どもたちも、学校に通うことができていません。もとの街の学校は爆撃で破壊されたり、武装勢力が占拠していたりするからです。
ニナワ、アンバー、ディヤラなどの地域の少年少女たちは、自分たちの行政区域で戦闘が起こっているため、本当に過酷な生活を送っています。
JENは、他の行政区域からの子どもたちを受け入れている多くの学校を訪問しました。これらの学校では特に、トイレ、ドア、電気などの状態が悪く、修理が必要です。
そのため、JENは学校設備の修繕を行い、子どもたちが良い環境で学習できるように支援しています。
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2014年7月17日 (木)
学校のための建物が大幅に不足
イラクの地区行政が設置している学校数に対して、圧倒的に施設の数が不足する状態が発生しています。
例えばバビル県では、学校の数を1,280校と設定しているのに対し、実際の建物は830しかなく、1つの建物を複数の学校が使用するという状況になっています。キルクーク県の多くの学校では、1つの建物を3つの学校が使用しており、場合によっては、1つの建物を5つの学校が共同で使用しています。またキルクーク県内の別の地域では、小学校が1つあるだけで、中学校や女子児童のための中学校は建物がありません。
そのような場合、短期間だけキャラバン(仮設の簡易な建物)を教室として使用するケースもあります。キャラバンを1つの小さな教室として使用し、50~60人の児童がそこで学習します。こうした形で教室を運営する学校が、イラクには469校存在します。
イラク中央政府は、イラク国内で約4,000校が建物を必要としており、一時的な解決策として500個のキャラバンを提供すると発表しています。
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【JEN設立20周年記念の取り組みについてはこちら】
2014年4月10日 (木)
生徒の気持ち
JENが修繕事業を行った学校の12年生に在籍する生徒の一人が、「JENのおかげで、生徒みんなが快適な学校生活を送れ、幸せに思っている」と話してくれました。
トイレの修復が行われる前は、トイレ環境が非常に悪かったため、何人かの生徒は外の野原をトイレ代わりに使っていたとのことです。
そして彼は、学校をきれいにするためにJENと働きたいという希望も伝えてくれました。
校長先生が会話に加わり、クラスメートと共に学校をきれいに保つよう、彼を励ましました。私は、一生懸命勉強し、JENの職員として働けるだけの学位を取ったらJENで働けるよ、と彼に応えました。校長先生もうなずき、JENのディヤラ県における教育省との仕事はすばらしい、とおっしゃってくれました。
これからイラクは夏を迎えるにあたり、気温もどんどんと上がります。教室の暑さ対策として、JENは学校に扇風機を提供しました。この生徒はまた、クラスに備え付けられた扇風機についても、感謝の言葉を述べてくれました。
このような生徒の笑顔が、私たちの励みにもなります。家と同じくらい生徒にとって大切な生活の場である学校で、少しでも快適に、安全に過ごせるよう、JENは衛生施設を含めた学校設備の修繕を行っていきます。
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2013年12月19日 (木)
本日、新しい事業を開始しました!
支援者の皆様、そして外務省の協力を得まして、本日、2013年12月19日より新しい事業を始めることができました。事業名は、「イラク中部・北部の小中学校における衛生促進および衛生環境改善事業」です。
事業名からもわかっていただけるかと思いますが、2014年はより多くのイラク人の子ども達に衛生的であることの重要性を理解してもらい、手洗いやうがい、歯磨きなどの衛生的な習慣を覚えてもらいたいと思います。そして、感染症などから自分を守り、元気に学校に通い続けてほしいと願っています。
JENでは2003年より、イラクのバグダッド市内の学校において、教室や衛生設備を中心に修復工事を実施し、子ども達への衛生教育を広めてきました。2010年からは、バグダッド以外の県にも活動地域を広めることができました。これまでにバグダッド、他4県の200校以上の小中学校への教育支援を行ってきましたが、まだまだイラクの教育分野への支援は足りていない状態です。このため、2014年も引き続き、子ども達が安全に、そして安心して学ぶことができるよう支援できることに喜びを感じます。
【JENがイラク教育省と開発した卓上ゴミを受け取った生徒たち(前事業にて)】
【歯磨きの仕方を習う生徒たち(前事業にて)】
今回の事業では、アンバール県(バグダッド市より西へ150キロ)、ディヤラ県(北東へ45キロ)、キルクーク県(北へ250キロ)の4県にある18校の小中学校において、生徒約8000人・教師650人に対して衛生教育を普及します。また、それぞれの県で学校設備の老朽化が激しい学校(計3校)での修復工事を実施します。
そして、新しい試みとして、各県教育局と協力し、修復された建物や学校設備の維持管理がしっかりと継続されるような体制を各県の中で築いてもらえるよう、活動を行います。このような維持管理システムがしっかり整えば、今後イラク教育省が担っていく学校修復活動で修復された学校設備が長く使用できるようになるはずです。
【小学校の壊れたトイレ】
【中学校の壊れた窓ガラス】
より多くのイラク人児童が、清潔で安全な学校で、健康的に学習ができるよう、JENは出来る限りのサポートをしていきます。引き続き、温かいご支援をいただけますよう、どうぞ宜しくお願いします。
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2013年11月21日 (木)
プロジェクトのモニタリング調査
どのような支援が適切かを把握するために行う、支援先、支援内容、支援方法などに関する事前調査は、支援をする上でとても大事な要素です。同様に、支援プロジェクトの効果を把握するための事後調査も重要です。
JENはイラクで実施してきた全てのプロジェクトに対し、様々な事前および事後調査を行ってきました。本日は最近終えたばかりの事後調査を紹介します。
以前にもご紹介したことがありますが、JENがイラクで現在実施しているプロジェクトは、小中学校10校を対象とした、学校施設の修復と衛生教育の普及です。
学校修復活動では、トイレや水飲み場を中心に、壊れたまま放置されていた施設を改修しました。衛生教育の普及活動では、先生に対する衛生教育ワークショップを開催し、生徒たちには歯ブラシ、歯磨き粉、せっけんなどを含む衛生キットを配り、感染症を予防する方法や健康を維持することの大切さを伝えました。
これらの活動を一通り終えましたので、その効果を測るために、それぞれの学校の校長先生と各学年の生徒10名ずつに対し、アンケート調査を行いました。生徒向けのアンケートには「食事の前に手を洗いますか?」「食事の後に歯磨きをしますか?」「最近下痢になったことがありますか?」などの質問が含まれ、生徒たちの行動や考え方の変化をモニタリング(調査)しました。これらのアンケート調査は、プロジェクト開始前にも行っているため、変化の度合いを把握することができます。
【アンケート調査に回答する校長先生】
今回も、以前のプロジェクト同様に、とても良い結果が出ました。詳しい数字はまたの機会にお知らせしたいと思いますが、プロジェクト目標として掲げていた、「生徒たちが感染症予防のためのうがいや手洗いなどを学び、実践する。身の回りを清潔にすることの大切さを知り、学校施設をきれいに保つことを心掛けるようになる」という目標は達成されました。校長先生や教員たちも、生徒たちの態度や行動の変化を感じ取り、とても喜んでいました。
JENスタッフも、子どもたちの回答結果にはとても満足しています。多くの子どもたちが元気に笑顔で学習していることに、喜びを感じます。
【アンケート調査に回答する生徒たち】
イラク事務所 アドミニストレーション・マネージャー
ティクラ・アル・ナジャール
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2013年9月12日 (木)
生徒の保護者からも「大満足」の声をいただきました
今年の1月より始まったイラク東部・北部の10校の学校修復・衛生促進事業も、終盤に差し掛かっています。
JENは、最後の学校である女子中学校の学校設備修復をあと少しで完了できる見込みです。
それに伴い、つい先日、校長先生と修復内容についてのミーティングを開き、関心の高い保護者の方々にも参加していただきました。
【ミーティングに参加された保護者たち】
校長先生は修復のレベルに大変満足されていました。掃除担当者が「以前はトイレがとても汚かったが、修復によって設備の状態がとてもよくなり、景観もとても美しくなった」と言っているそうです。
さらに校長先生は、「JENの教育支援活動によって生徒たちの健康状態が改善し、その結果、学校の教育レベルも上がることになる」とおっしゃいました。わたしも、常々、健康は子どもたちが得る最も大切な財産で、かれらの成功への最初の一歩だと考えています。健康でいられることにより、生徒たちは勉強に集中できるのです。
今回のミーティングでは、多くの保護者から感謝の言葉をいただきました。ある保護者は、「以前はきれいな水が無くトイレも悲惨な状況だった。それが今では子どもが『家のトイレよりも学校のトイレの方が好き』というほどです」とおっしゃいました。
特に、衛生教育の一環として行われた掃除道具と衛生キットの配布を喜ぶ方が多く、「子どもたちが、学校だけでなく家庭でも清潔さを保つことの大切さを理解するのに大いに役に立つ」というコメントをいただきました。
学校で学んだことが家庭にも普及しているということを、わたしはとても嬉しく思います。
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2013年8月15日 (木)
イラクの子どもたちのために、そしてイラクの平和のために
1か月続いたラマダーンが終わり、私たちはイド・アル=フィトゥルという断食の終了を祝う祭りの日を8月10日に迎えました。
この日は、全世界のイスラム教徒がお祝いをする、とても素晴らしい1日のはずなのですが、同じ日に、首都バグダッドとその周辺のシーア派のイスラム教徒が多く住む地域で爆弾テロや銃撃などがあり、数十名が亡くなりました。ニュースなどから得た情報によると、今年のラマダーン期間中は、イラク全土での爆弾テロや銃撃などのテロ行為による死者が1000人を超え、2008年以来最も危険な状況となってしまいました。7月下旬には、バグダッド近郊の刑務所が襲撃にあい、500名以上の囚人が逃げ出すという事件もありました。
イラクでは、なかなか平和への道を進むことが出来ないのが、とても残念であり、悲しくもあります。
みなさん、1970年代、80年代前半におけるイラクの教育システムは、中東地域諸国の中でも優れたものであったことはご存知ですか。学校の建物も教育カリキュラムも申し分ありませんでした。しかしその後の湾岸戦争、イラク戦争などの紛争、そしてイラクに課せられた長年の経済制裁により、国内の経済・社会基盤は破壊され、もちろん教育の分野にも多大なる影響が出ました。
イラク戦争が終了した後の2003年以降も、政府による教育分野での復興はなかなか成し遂げられず、破壊された建物はそのままで、増加する生徒に対して新しい教室を建てる資金もなく、1970年代のイラクの教育レベルに戻ることは、夢のまた夢でした。
それでも、イラク社会の回復と復興のためにも、そして暴力のない平和な社会を築くためにも、イラクの未来を担う子どもたちに健全に学べるスペースを用意することはとても重要です。だからこそ、どのような困難な状況の中でも、JENがイラクの小中学校において、建物や設備の修復をし、教育環境の整備や生徒への衛生促進のサポートを行ってきたことは意義があると感じています。
JENは、現在進めているプロジェクトで最後となる女子中学校の修復工事をすすめています。この学校はバグダッドの南に位置するバビル州にあります。先週、老朽化していたトイレの壁や洗面所のタイルを除去し、また、新しい水道管や水タンクを設置することができました。この学校では、すでに衛生教育が行われているので、学校の設備の修復工事が完了し、女子生徒たちが授業で学んだことを実践できる日がくるのを楽しみにしております。
まだまだ修復が急務となっている学校はイラク中にありますが、一つずつ丁寧に、子どもたちの学習環境を改善していきたいと思っています。
【女子中学校の生徒たち】
【学校内の壁に貼られた衛生促進ポスター】
【衛生教育を受ける生徒たち】
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2013年7月18日 (木)
学校内に安全で快適なトイレを!
イラクにおける校舎・衛生施設の修復および衛生教育事業に対する皆様のご支援ありがとうございます。
JENはこれまで200校を超える小・中学校において、教育環境・衛生環境の改善のための活動を行ってきました。
6月6日に紹介した女子中学校も、JENの支援事業により校内環境が劇的に向上した学校のひとつです。
【改修前】
【改修後】
事前の学校調査の最中、私は多くの女子児童がトイレの使用のために自宅に帰る姿を目にしました。また、自宅まで距離のある児童においては、水のボトルを手に、校舎の周りに設置された柵の周辺で用を足す姿も見受けられました。女子児童が一生懸命にトイレの代わりなる場所を探す姿を目にすることは、とてもつらいものでした。
学校側は県の教育局に何度も施設の改修を依頼しましたが、教育局の財源も限られていたため、このような困難な状況がこれまで長い間ずっと続いていたといいます。
このため、学校長は当初、JENによる施設修復の話をなかなか信じられませんでしたが、JENが行った修復工事により、配電線が整備され、屋根、扉を含むトイレ施設が実際に生まれ変わった姿を目にした時、とても感謝したとのことです。
ヤシン(JENチーフエンジニア)
【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
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2013年7月 4日 (木)
JENのイラク事業
JENは現在イラクで活発に活動を行っている団体のひとつです。勤勉性、高品質の日本車、高い産業力等を理由にイラク国民は日本に対し高い信頼をおいていますが、JENの活動も各事業地で高く評価されています。
JENはバグダッド県内ではもちろん、広くイラク全土にまたがって、多くの学校修繕事業を行ってきました。JENによる学校修繕は、事業の各段階における適切な管理監督と丁寧で質の高い仕上がりにより、他団体と比較して効果が高いと評価を受けています。
JENの事業効果は、新学期を迎えた児童の行動にも現れています。学校によると、多くの児童が新しく生まれ変わった学校に愛着を持ち、施設をきれいに維持することを心がけており、日々の勉強への取り組みにも意欲的に取り組んでいるとのことです。
学校修復と同時に衛生教育も行っており、児童生徒は基本的な応急手当や病気を防ぐための基本的知識・方法を学びます。衛生行動の促進とその継続を目的に清掃道具及び衛生キットの配布もしており、事業内容の充実ぶりに学校側から多くの謝辞が寄せられています。
事業の完了後にも、学校環境向上を継続するためのフォローアップを行うという大切な役割があります。
2月と4月に紹介した小学校では、水衛生設備の修復工事に続き、衛生教育及び衛生キットの配布を完了しましたが、今後も学校側との協力体制の下、学校環境の向上に向けて支援を行っていきます。
JENエンジニア ハムーディー
【修復が完了した小学校のトイレ】
【修復工事が完了した小学校の手洗い場で行われる衛生指導の様子】
この事業は、外務省と皆様のご支援で進められています。
【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】
2013年6月 6日 (木)
JENに寄せられた感謝のメッセージ
ディヤラ県のある女子中学校の水衛生施設は、生徒・教師ともに使用ができないほどに状態が悪く、学校教育を行う上で大きな問題となっていました。このため学校長は県の教育局に何度も足を運び、施設の改修を依頼しましたが、様々な理由により長いあいだ改修は行われませんでした。
JENが教育省及び教育局との合意のもと、この学校の改修事業を行うことになり、長年問題であった水衛生環境がようやく改善されました。下記写真の通り行った改修工事は、学校側から「予想していた以上に質が高く丁寧な仕事であった」と高く評価されました。
【事業実施前】
【実施後】
また、JENは生徒の衛生意識の向上及び施設の適切な維持管理を目的に、教員向けトレーニング、生徒向け衛生セッション及び清掃用具の配布を併せて実施しています。学校側とのミーティングでは、JENの活動に対する感謝の言葉が多く寄せられました。
そして衛生ソングの撮影のために学校を訪問した際には、この日のために準備されたというJENに対する感謝メッセージが生徒たちから送られました。
【JENへの感謝メッセージを披露する生徒たち】
JENプログラム・オフィサー バスィム・ユスィフ・ジャコブ
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2013年4月11日 (木)
治安は悪いけれど、平和を願って活動を続けています。
2月28日にも紹介した小学校で、現在も活動が続いています。
この学校での活動において一番の問題は治安状況です。学校の周りの道路が自爆テロを防ぐためにコンクリートのブロックで封鎖されており、建設業者が資材を運んだり、私たちJENのスタッフが現地に行くのでさえ非常に時間がかかります。
3月19日はサダム・フセイン政権が崩壊した米国主導のイラク侵攻から10年にあたるのですが、バグダット内外では60人は死傷するという過去半年で最も大きな被害を出した自爆テロが発生してしまいました。
イラクはまだ不安定な状態にあります。石油資源が豊富なキルクークをめぐるクルド自治区と中央政府との対立問題は激しい暴力を伴い、未だ安定した国づくりへの道のりを長く感じさせる現状があります。
そんな中、この小学校では工事を行うにあたり、校長補佐がJENのエンジニアと建設業者に大いに協力してくれました。校長補佐は今回の補修工事を大変喜んでおり、よりよいものとなるよう積極的に工事のフォローアップをしてくれています。
【話し合いをする校長補佐、JENエンジニアと建設業者】
JENはまたこの学校で衛生教育も行っており、生徒たちは病気を防ぐためにはどうすればいいかを学びます。生徒たちは、JENが配布した衛生教材や衛生キットを受け取りとても喜んでいました。
【小学校の生徒たち】
この事業は、外務省と皆様のご支援で進められています。
JEN エンジニア ハムーディー
2013年2月28日 (木)
2013年2月21日 (木)
2013年1月17日 (木)
2013年、あたらしい活動が始まりました!
2012年12月19日、支援者の皆様そして外務省の協力を得て新しい事業がスタートしました。
今回もイラク中部・北部の小中学校での教育環境の整備と衛生知識を促進する活動です。昨年同様に、バグダッド、アンバール県、バビル県、キルクーク県、ディヤラ県の5県が対象地域です。
対象になった10の学校は、いずれも戦争で崩壊してしまったり、老朽化しているにもかかわらず、国の予算不足で改修が遅れています。少しでも早く安心、安全な学習環境を整備するために、小中学校の水衛生施設や教室設備の修復工事と、教師や生徒への衛生促進活動を行う予定です。
この事業で、教育環境が良くなると想定している生徒の数は、全体で約4500名、教師の数は350名です。学校の環境が良くなり、校内でトイレに行けるようになったり、手を洗うことができるようになったり、壊れた窓ガラスや電気のスイッチでけがをすることがなくなることを目指して、今事業も全力で進めます。
今後もご支援をお願いいたします。
【事業開始前のA学校のトイレ】
【事業開始前のB学校のトイレ】
【事業開始前のC学校の壊れたガラス窓】
【事業開始前のD学校の壊れた洗面所】
【E学校の壊れた電気スイッチ】
2012年10月25日 (木)
地域全体で見守る学校へ
イラクでは10月に新学期が始まります。新しい学年に進級するとともに、衛生教育の後半授業が始まりました。
これは、衛生施設の修繕を行った学校で4月に行われた前半授業の続きになります。教育省や教育局、そして教師が一丸となって、衛生知識に関する教育の方法や教材を、どのようにしたら子どもたちに伝えやすくなるかを考えながら開発してきました。以前にご紹介した手作り教材を使って、ワクワクしながら楽しく学べるように努力しています。
【自分たちで開発した教材を使って、どうやったら楽しい授業になるかを試行錯誤しながら考える教師たちとJENスタッフ】
また、衛生教育を行った学校では、教師と子どもたちの保護者から成るPTAも組織し、生徒を通じて家族やコミュニティにも衛生知識と習慣が広がるように取り組んでいます。PTAのメンバーは、修繕されたトイレや洗面所がきれいに保たれているかを定期的に見回りに来ます。このように、学校が教師だけでなく、保護者の目からも見守られることで、コミュニティ全体で子どもたちを育てる環境が出来上がると信じています。
【卓上ゴミ箱を作る生徒たち】
JENの事業対象となった学校の先生方は、学校設備が修繕され、衛生教育が行われて生徒たちの習慣が改善されていく様子を見て、かつての自分たちのような状況にある他の学校すべてが改善されることを願っている、と話していました。JENはイラク全土の学校における子どもたちの学習環境が改善されるよう、今後も一歩一歩努力を続けていきます。
2012年6月14日 (木)
学校のトイレ洗面所修復が進んでいます
現在イラク中部および北部で行われているJENの教育環境改善事業では、小中学校の教室やトイレ、洗面所の修復工事を行っています。
教室の窓ガラスが割れていたり、電気コンセントが壊れていたりする箇所を直し、子どもたちが安全な環境で勉強できるようにしています。
また、トイレや洗面所は使えないほどに壊れていて、手を洗うこともできず、トイレに行きたくなったら家に帰らなければならない状況でした。そのようなトイレや洗面所をきれいに修復し、子どもたちの衛生と健康を保てるように改善しています。
現在、19校のうち11校の修復が終わりました。
2012年3月 1日 (木)
2012年2月 2日 (木)
2011年11月17日 (木)
新事業のスタート
昨年の12月から始まった、イラクの5県・19校を対象とした学校修復・衛生促進事業が10月末に完了し、11月より新事業がスタートしました。
引き続きJENは、イラクの学校における水・トイレまわりの修復、衛生促進事業に取り組んでいきます。
新事業では、これまで活動を行っていたバグダッド県、ディアラ県、アンバール県、キルクーク県、バビル県の5つの県(緑色)に、サハラディン県、ワシット県の2県(紫色)を加えた7つの地域で学校修復、衛生促進事業を行う予定です。
現在ヨルダンに来ている海外事業部長とバグダッド事務所長が、新事業をどう進めていくかについて話し合っています。
===== ご報告 =============
平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、こちらへ
2011年11月 2日 (水)
イラクのテレビ局が伝えた、学校の厳しい現実
先週、バグダッド事務所のスタッフから「緊急」メールが入ってきました。
彼からの報告によると、イラクのテレビ局(AL-Sharqia T.V)がキルクークの学校の現状を報道番組の中で伝えたというものでした。
その報道番組の映像を見たところ、学校の前にゴミが散乱し、学校が半ばゴミ置き場になってしまっている状況や、ガラスが調達できないために窓のない教室で勉強する子どもたちの姿が映されていました。
なかには「学校をきれいにしてほしい」と泣きながら訴える生徒も・・・
JENはバグダッドを含む5つの県で学校修復に取り組んでいます。イラクにはまだまだ支援を必要としている学校が多くあるということを実感させられました。
===== ご報告 =============
平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、こちらへ
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2011年10月20日 (木)
バグダッドの中学校から先生・生徒の声が届きました
JENが修復に取り組んだ学校、バグダッドにあるA中学校で、インタビューを行いました。
校長先生・生徒の声が届いたので、紹介します。
A中学校の校長であるBさん。
「新学期が始まる前に、修復が終わりとてもうれしく思います。教室やトイレがきれいになったことで、生徒たちが勉強に集中できる環境になりました。また、衛生ワークショップでそうじの大切さを学んだことで、学校をきれい保つよう皆努力するようになるでしょう。」
Cくん(14歳、中学2年)
「僕の将来の夢は医者になることです。学校がきれいになって、前よりも学校がもっと好きになりました。水道の水が出るようになったので、学校にいる間飲み水に困らなくなりました。」
<学校の運動場>
<修復された水道>
<生徒用のトイレ>
===== ご報告 =============
平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、こちらへ
2011年8月25日 (木)
「世界最古のトイレ」水洗式トイレの発祥地はイラクだった!?
現在JENは、イラクの5つの県21校で学校修復と衛生促進事業に取り組んでいます。
壊れて使えなかった水道や汚れていたトイレがきれいになった様子の写真が、毎週バグダッドから送られてきます。
写真からも分かるように、イラクの小学校で使われているトイレは和式トイレによく似ています。ただし、しゃがむ方向は和式トイレとは逆です。
事業でトイレの修復に取り組んでいることもあり、イラクのトイレ事情について調べてみると、気になる記述を発見しました。世界最古のトイレがイラクにあるというのです。
世界最古のトイレは、紀元前2200年頃にアッカド王朝の都市として栄えていたエシュアンナ(現在のバグダッドの北東60km、ディアラ県)のテル・アスマルという遺跡で発見されました。
この約4000年前のトイレは、便座はレンガで「コ」の字状に積み立てられ、座ることができるようになっていたそうです。さらには、配管や下水道も現代に引けを取らないほど整備されていて衛生的であり、下水はティグリス川の支流に流れる水洗式のトイレでというから驚きです。
この水洗式トイレ、宮殿のみならず一般家庭にまで浸透していたとか。
このことから、水洗式トイレ発祥の地はイラクだと考えられているようです。
JENも4000年前のトイレに負けないくらい衛生的なトイレを作っていきたいものです。
====== ご報告 =============
平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、こちらへ
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2010年12月 9日 (木)
新事業がスタートしました!
支援者の皆様、UN-OCHA、外務省にご協力いただいておりました学校修復・衛生促進事業がそれぞれ、10月末と11月末に完了いたしました。ありがとうございました。
そして、12月1日から新たな事業が開始となりました。本事業では首都バグダッド北東に隣接するディヤラ(Diyala)県とバグダッドから北上した所に位置するキルクーク(Kirkuk)県が新たに活動場所として加わりました。(バグダッド、バビル、アンバール、ディヤラ、キルクークの計5県)
この2県は治安上国際支援が行き届いていません。ディヤラは2006~07年にかけて激戦地となっていたため、多くの学校が破壊されたと伝えられています。また、イラクで最も基本的な社会サービスを享受できていない県とも言われています。
避難民、帰還民、多様な民族(アラブ、クルド、トルクメン)が混在するキルクークでも、ニーズに対し国際支援が依然不足しています。2007年にイラクで大流行したコレラの約60%が、この県で確認されました。イラクの中でも非常に人口密度が高い県ですので、再度コレラが流行した場合、その感染率が高くなることが懸念されます。
コレラをはじめ水を媒体とする病気は、衛生環境が整っていれば十分に予防できるとされています。JENは機能していない水・衛生設備の修復とともに、衛生に関する注意を喚起する事業を手掛けて参ります。
2010年7月22日 (木)
学校の修復と衛生ワークショップ
現在JENは外務省の他に、UN-OCHA(国連人道問題調整事務所)とのパートナーシップによる事業を並行して行っております。今年の4月から10月末までの7ヵ月間に、バグダッドにある小中学校の修復と、衛生に関する意識を高める事業を行います。
7月15日現在7校の修復が完了しました。この夏休みの間に、清掃用具・衛生キット(歯ブラシ・石鹸など)の購入や衛生ワークショップで用いる教材作成をします。9月末、新学期が始まり次第、衛生ワークショップを開催します。
衛生ワークショップは、水を媒体とする感染症(コレラ等)やインフルエンザの流行の予防と、学校の清掃によって清潔を保つことの重要さを理解してもらう、という2つの目的があります。また、学校をきれいに保つことで、修復により改善された学校環境を維持することが可能になります。清掃用具や衛生キットは、学んだ知識を即実践してもらえるように配布します。
2010年6月24日 (木)
バカロレア
支援者の皆様と外務省のご協力により行っている学校修復・衛生促進事業にて、新たに4校が修復されます。3校はすでに作業が開始されているのですが、残る1校の修復がなかなか開始されません。どうしたのでしょう?
6月は年に1度のバカロレア試験の季節です。小学校6年生は卒業資格を、intermediate school(12歳から3年間)とsecondary school(15歳から3年間)の3年生は卒業と進学を目的として受験します。この試験、一日おきに一教科ずつ、合計2週間かけて行われるそうです。受験料無料。最低ラインの50%に満たないと、卒業できません。万が一失敗してしまったら翌年再受験です。一浪するごとに自分の合計得点から一律の点が引かれてしまい、浪人する程不利なシステムになっている様です。一浪生は最終学年をもう一度やり直し受験に臨めますが、二浪生以降は独学で準備しなければなりません。
成績により入学可能な学校の選択肢が変わってきます。intermediate3年生の場合、良い成績を収められないとsecondary schoolへの進学が難しくなってしまいます。その場合は工業、商業、職業訓練校が進路として出てくるようです。Secondary school3年生の場合、授業料が無料で良い教授が揃っている、メリットの大きい国立大学への合格が難しくなります。
冒頭でふれた学校は、このバカロレアの会場になっているために作業が開始されていなかったのでした。
2010年4月28日 (水)
修復した学校に通う生徒のお父さんから
支援者の皆様と外務省のご協力により、イラク3県(バグダッド、アンバール、バビル)で行っている学校修復および衛生促進事業を開始してから、5カ月半が経ちました。衛生促進事業は、衛生環境を改善し、衛生習慣を向上してもらう事業です。
さて、このような中、直接事業地を訪れることがかなわない私(1)に、バグダッドにいるスタッフから嬉しい知らせが届きました!
嬉しい知らせとは、修復した学校に通う生徒のお父さんからのメッセージです。皆さんにもご紹介しますね。
「この地域に住むどの家庭でも、
学校が修復された話で持ち切りです。
壊れたままのトイレや電気が
6年以上も放置されたままだったんですよ。
息子は新しくなった学校に通うのが
嬉しくてたまらない様子です。
おかげで学習意欲がわいて
成績もよくなってきたし。
修復してくれた人たちに
心から感謝しています!」
(1)イラクでは治安の都合上、日本人スタッフは隣国アンマンに駐在し、遠隔管理を行っています。
2010年3月 4日 (木)
事業開始から3カ月半
事業開始から3カ月半
支援者の皆様と外務省のご協力によりイラク3県(バグダッド、アンバール、バビル)で行っている学校修復・衛生促進事業の開始から3カ月半が経ちました。今回の支援速報では、現在までの進捗状況をお伝えしたいと思います。
事業を進めている15校のうち4校の修復が完了、2校についても完了間近です(2月25日現在)。次のような箇所の修復を行いました。
①水・衛生設備
・水回りの修復
・トイレの修復
②電気設備
③その他緊急に修復が必要な箇所(割れた窓ガラスなど)
残りの学校にも同様の修復工事を続けていきます。
また、一月前にお伝えした小・中学生向けの教材(衛生促進事業用)は内容が決まり、現在はサンプルの作成中です。
============イラクの人々へ届ける支援。JENでは イラク支援募金を受け付けていますより迅速な支援を届けるために、皆さまのご支援が必要です クレジットカードでのご寄付 こちらへ 郵便振替口座でのご寄付00170-2-538657 口座名 JEN *通信欄にイラクとご記入ください* ご協力お願いいたします。
2009年8月13日 (木)
パートナーシップの力
ジェンは、支援者の皆さまおよび外務省のご協力を得て、バグダッド市内の小中学校17校にて、主に水・衛生設備の修復支援を行っています。今年2月の事業開始から現在までに、対象校17校のうち、10校の修復作業が完了し、残りの7校についても最終段階に入っています。
ジェンの学校修復を行う建設業者は、そのほとんどが2003年にジェンがイラクでの事業を開始して以来ずっとパートナー関係を結んできた業者です。治安のよくないなか、ジェンは、安全管理のために、厳しい選択基準(イラク建設省によるガイドラインの順守、仕事の質、経験年数、現場へのアクセス、価格など)をクリアした建設業者のみパートナー業者としてあらかじめ登録し、これらの業者を招いて公正な入札を行い業者を選択する方法をとっています。したがって、建設業者の修復能力の優秀さについては証明された業者ばかりです。しかし、事務能力については、実際に入札や契約を通じてしか知ることができません。
ファイナンス・アドミニオフィサーである私が赴任した当初は、業者から送られてくる請求書、領収書ともに、誤字・脱字が大変多く、1つの書類を作成してもらうのに2か月にわたってやり取りを重ねることも珍しくはありませんでした。しかし、ここ1年の間に、建設業者の書類作成能力が徐々に高まってきました。迅速かつ正確な対応をしてくれ、フォームのデザインを見直す業者なども出てきました。
ジェンとのパートナー事業が、地元建設業者の事務処理能力の意識の向上につながったのであれば大変嬉しく思います。
2008年12月11日 (木)
セクター・アウトカム・チームとは?
イラクへの支援は、教育、保健、水・衛生、食料などの分野ごとに、団体間で密な調整を図り行っています。ジェンは「学校修復」に特化していることから、教育分野に属しています。それぞれの分野で国連機関やNGOが一丸となって取り組む体制、これがセクター・アウトカム・チーム、通称SOTです。
教育SOTは、月に一度定例会議をもち、情報共有や連携調整を行っています。具体的には、団体間で活動内容が類似している場合に、注意を促したり改善策を共有したりなどです。同じ地域内で活動する場合には、治安情報の交換をしたり、また、新たなニーズの発掘をしたりしています。
他組織ではあるものの、互いに同じ分野で同じ国の発展のために働くという共通の目的があるためか、チームワークがとても良いです。フレンドリーな雰囲気の中で、歯に衣着せない活発な議論をするのが、教育SOTの特徴です。
現在、支援者の皆さま、ジャパン・プラットフォームからの資金協力により修復が進んでいる5校は、バグダッドの最貧困層が多く居住するサドル・シティにあります。
イラク国内の他地域で武力衝突が起こった場合、ジェンの現地スタッフも現場へのアクセスの確保、状況確認の実施、国連・NGOの連携による事業形成と、迅速に対応しています。
ジェンはこれからも、他団体との連携調整を大切にしながら事業を進めていきます。
(写真:修復前の学校のトイレ。さて、修復を終えるとどうなるのか)
2008年11月13日 (木)
モニタリングチームの訪問を終えて
去る11月3日、2003年以降、遠隔管理体制で行ってきたイラク事業のモニタリングのために、このプロジェクトをご支援くださっているジャパン・プラットフォーム(JPF)の職員の方々がここジェン・アンマン事務所にいらっしゃいました。
これまでに、ジェンはイラクの首都バグダッドにおいて小中学校84校の全体・部分修復に加え、衛生教育、学習机の配布、学校管理委員会の設立・活動促進などの事業を終了しました。現在進行中の事業においても、18校の修復が順調に進んでいます。ジェンのこれまでのプロジェクトでは、生徒75,000名、教員3,500名、労働者5,000名以上に貢献してきました。
また、2004年にはバグダッド市内の下水処理施設6か所の修復を行い、こちらは10万人以上の市民と労働者400名の生活を支えました。
この場をお借りしまして、長期にわたりご指導・ご支援を賜わりましたJPFの皆様、またJENのイラク事業をご支援してくださっている皆様に深く御礼申し上げます。
JPFの事業は、今期をもって終了いたしますが、ジェンは今後も、継続して教育分野で優先順位が高いとされている学校の給水施設修復を行います。引き続き皆様のご支援をよろしくお願いいたします。
2008年10月30日 (木)
コレラの蔓延
イラク国内では、今年8月以降、水を媒体とする感染症コレラの発症例が続々と伝えられています。
発症すると猛烈な下痢と嘔吐を繰り返し、子どもや老人が感染すると死に到ることもある深刻な感染症です。
コレラは不衛生な環境で特に蔓延しやすいといわれています。つまり、衛生に気をつけていれば感染も防ぐことができるのです。
実際に、国連によると、バグダット東部では、水道水を使えない人々が多く川の水などを頼らざるを得ないため、下痢の症状を訴える人が市内他の地域の3倍以上と伝えられています。
また、コレラの症例数も増加しています。2005年に大規模な蔓延が伝えられてからも、資金不足からなかなか衛生状況が一変せず、毎年変わらず夏季から秋季にかけての蔓延を繰り返しています。
バグダッド市内でも学校4500校のうち、水道にアクセスのある学校は半数ほどに限られているそうです。
ジェンがバグダッドで継続している小中学校の給水施設は、子どもたちが安心して飲める水にアクセスし、清潔な環境の下で学習することを目指しています。
これまでに修復した学校では、一件もコレラの症例は報告されていません。
これからも、1人でも多くの子どもたちをコレラやその他の水を媒体とした感染症の恐怖から守るため、ジェンはこの活動に引き続き取り組んでまいります。
(写真上:校舎横に設置された給水タンク:子どもたちの1週間分の水を確保できる。
写真下:修復後の生徒用手洗い場:衛生ワークショップを通じて生徒の利用を促す)
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2008年9月 4日 (木)
持続可能な国づくりのお手伝い
イラク教育省や教育局でニーズ調査を行うと、これまでにジェンが行ってきたような小中学校の“全体修復”を依頼されることがあります。
ジェンは、イラク戦争直後の2003年より、戦争で被害を受けた学校や、長期間にわたる国際的な経済制裁などによって整備がなされていなかった学校の全体修復を手掛けてきました。
しかし、6年にわたる継続的支援にもかかわらず、緊急修復のニーズを抱える学校があとを絶たないことから、2007年より、給水設備・電気設備・換気設備などの緊急的ニーズのみに焦点を当てた部分修復をはじめました。こうして、より多くの生徒がより良い教育環境で学習することができるようになりました。また、コレラなど水を介して感染する病気の予防にも役立ってきました。
いまだ治安が安定せず、十分な国家予算を持てないイラクで、行政が国連や国際NGOに全体修復を依頼する気持ちはよくわかります。また、イラクの状況を切実に思う一日本人としては、日本政府の資金で市内すべての学校に同様の修復作業を施せれば、と強く思います。
しかし、公立学校の修復はその国の行政の責務です。この国の持続可能な発展のために、イラクの行政の協力を得ながらジェンは復興のお手伝いを継続してゆきます。
2008年6月26日 (木)
子どもたちが学校に復帰するために
4月から5月にかけて、バグダッドでは市内の貧困層居住地域であるサドルシティを中心に、政府軍対反政府勢力の激しい戦闘が続いていましたが、6月に入り少しずつ落ち着いてきました。治安が回復するにつれて、バグダッドの子どもたちは、やっと学校に復帰することができます。
4月下旬に開始した学校修復プロジェクトは、5月初旬に公正な入札を経て、現在バグダッド市内の8校において、修復作業が進んでいます。
修復を進める学校は、度重なる激しい戦闘によって環境整備が後回しにされてきた、優先順位の高いものばかりです。衛生的な水の供給設備がなく、または破損し、トイレも大変汚れています。さらには、電気系統の設備や換気設備も整っていません。せっかく治安が徐々に回復しても、これでは安心して子どもを学校に送り出すことはできないでしょう。
JENは、すべての子どもが日本の子どもたちのように、安心して学んだり、友達と遊んだりできる学校環境をつくるため、日々学校修復を進めてまいります。
写真①: 小学校でのタイル設置の様子、
写真②: 小学校での排水ポンプ設置の様子
2008年5月15日 (木)
「トイレ」にかくされた努力
現在、4月上旬に完了した事業の写真を整理しています。修復が終わり、きれいに生まれ変わった学校の写真を見るのは楽しい作業です。今回はトイレのタイルに惹かれています。
パステル系の色使い、切替えが施されているところなど、高級ホテルのトイレに負けない趣味の高さのように思いませんか。バグダッドの現地スタッフの話では、近年、イラクの建設業者はヨーロッパ諸国からサンプルを集め、インテリア・デザインの研究をしているそうです。
JENが作成する仕様書には、トイレの壁にタイルを貼付することが記載され、そのタイルの品質はJENの求める水準を満たさなければなりません。しかし、凝ったデザインまでは要求されてはいないのです。建設業者が完成度をより高いものとするため、予算の許す範囲内で努力しているのでしょう。子どもたちが気もちよくトイレを使用している様子が目に浮かびます。
2008年5月 1日 (木)
子どもたちの愛する場所
昨年9月よりジャパン・プラットフォームと支援者の皆さまからのご寄付のもと進めていた学校修復事業が4月上旬に完了しました。
バグダッドにある小中学校25校において、緊急に修復が必要とされるタンク、トイレ、手洗い場などを中心に修復を実施し、イラク教育省へ引渡しました。4月下旬より開始した新規事業では、首都の小中学校18校を対象にします。水関連の施設、電気設備、ドアや窓などの修復を行い、安全で衛生的な教育環境を整えていきます。
バグダッドでは最近、衝突が起こり、改善傾向にあった治安状況に影を落としました。メディアのインタビューに答えたサドル・シティに住むある父親のことばが印象に残ります。
「私たちは彼が銃弾の犠牲になるのではないかと恐れているのですが、息子は学校に行くといって聞かないのです、『僕は学校が大好きなの』と」。
子どもたちの愛する場所を快適に-JENのイラクにおける教育支援は続きます。
2008年3月19日 (水)
子どもたちに希望を託して
アンマンの商店街を歩いていて東京よりよく目に入ってくるは、マタニティ服のマネキンです。
都市部では、それぞれの子どもに高い教育を受けさせるため、一組の夫婦あたりの子どもの数は以前と比べて少なくなったようですが、それでも3、4人が通常とのこと。地方に行くと、一人のお母さんが産んだ子どもだけで野球チームを作ることができる、というケースは珍しくありません。マタニティ服のマネキンが散見されるところに、子沢山を後押しするアラブ社会というものが感じられます。
ユニセフが2007年に発表したイラクの教育に関する報告書によると、「人口増加に対応するため」小学校4,500校の新設が必要とされています。イラクの今後は不透明といわざるをえませんが、そうであっても子どもたちが築く未来に希望を託し、人びとは子どもを産み、育てているのでしょう。このような高いニーズを背景に、JENはイラクでの教育支援を続けています。
2008年3月 6日 (木)
日本の工夫、イラクの工夫
JENが学校を修復する際には、教職員からの意見を反映させるようにしています。学校によって壁の色や小さなパーツが少しずつ異なる理由の一つです。
例えば、写真の蛇口。日本ではあまり見られないタイプだと思います。取っ手が下についていて水が上向きに出てくるのです。日本では、手洗いと水飲み兼用の蛇口としては、先の部分が回るタイプのものが選ばれるのではないでしょうか。
手を洗う時は下向きに、水を飲む時は上向きに変えられて便利なため、どうして使わないのか疑問に感じ、エンジニアに確認しました。回るタイプにすると、接合部分が増えて壊れやすくなるため、避けるようにしているとのこと。
修復の終わった学校がイラク教育省に引渡された後は、教職員が維持・管理をしなければなりません。学校の予算不足のなかで、子どもたちが長い期間使うことができるように工夫することも、学校修復において重要なポイントです。
2008年1月24日 (木)
建設会社の遊び心!?
現在のバグダッドの治安状況では、国際スタッフが事業地を訪れることはできません。修復作業の進捗具合は、バグダッド事務所から送られてくる写真で確認しています。
先週の写真の中には、美しく楽しく描かれた動物の絵を見つけました。これまでも、小さい花柄や標語が描かれた学校はありましたが、本格的な絵柄は初めてです。
JENが作成する仕様書には、塗装については当然記載されていますが、絵は含まれていません。絵のためのペンキ代も人件費も建設会社の負担になります。JENの修復工事を担当する建設会社は、公正な入札を経て決定されています。
写真の2校を担当している建設会社は、JENの事業に携わった経験があり、仕事内容については良好な評価を得ています。今回、自己負担で追加作業を施したのは、業者間での競争があるなかで、修復の質の高さについてさらにアピールをしたかったのかもしれません。または、苦境の下に置かれている子どもたちへの、ささやかな贈り物かもしれません。
いずれにしても、楽しい絵柄が子どもたちや先生方の目を楽しませていることは、喜ばしい知らせだと思っています。
2007年11月 8日 (木)
ピンク色の洗面台
今年の夏、イラクではコレラの流行が問題となりました。主な原因は、汚染された食物や水による伝染です。最近、夏が終わってようやく収束に向かっているとのイラク政府による発表がありました。
写真は、ジェンが修復した学校の手洗い場です。バグダッドの貧困地区にある、女子児童が通う小学校ですが、修復前は上下水道が機能していませんでした。水が出ない手洗い場は、物置と化していたのです。また、この小学校では、電気設備も使えない状態にあり、配線の修復と、電気器具を備え付ける必要がありました。
修復後、手洗い場は、女の子らしいピンクの可愛いタイルが張られた清潔な場所へと変身しました。トイレもお揃いのタイル張りです。また、電灯や扇風機も使えるようになりました。現在、バグダッドの小中学校で、ジェンはこのような水道施設や電気設備を中心とした修復作業を進めているところです。
2007年9月27日 (木)
25の学校が綺麗になる日
9月11日、ジャパン・プラットフォーム様と支援者の皆様からのご寄付のもと実施しておりました学校修復事業が完了しました。
首都バグダッドにおいて、小学校3校および中学校1校の全体修復を終えたところです。翌日からは、同様にジャパン・プラットフォーム様からのご支援により、学校の部分修復事業を開始しました。
新規事業では、バグダッドにある25校の小中学校を対象に、水関連の施設、窓、ドア、電気設備など緊急性を要する箇所の修復を実施することにしました。より多くの子どもたちに最低限必要とされる学習環境を提供することを目指しています。特に、給水施設の整備はコレラなどの水因性の病気を予防するためにも非常に重要です。
治安の回復が見られないなか、イラクでは通学する子どもが減少しているといわれています。ジェンは、比較的安全な場所を求めて貧困層が避難してきている地区にあり、今なお子どもたちで混雑している学校を選択しています。困難が伴いながらも「学校に通いたい」と強く願うイラクの子どもたちのため、教育支援を続けていきます。
2007年5月 3日 (木)
設備の維持管理
3月中旬から、JENはバグダッドの小学校3校および中学校1校の修復事業を実施しているところです。JENのエンジニアは、校舎毎に必要性を熟慮しながら仕様書を作成しています。資金不足のため、修復完了後に教職員が整った環境を維持していくことは難しい課題ですが、エンジニアは管理がしやすいように気を配っています。
子どもたちが日々使用する学校ですから、ダメージは避けられません。
例えば、窓。修復以前の校舎のなかには、窓ガラスが割れたまま放置され、風が吹き込み、子どもたちがけがをする危険性があるところが見られます。そこで登場するのが、窓破損防止ネットです。このネットによってガラスが保護され、長もちさせることができるのです。
2007年2月15日 (木)
定員オーバーの学校で
イラクでは、多くの学校で1教室あたりの生徒数が、定員を大幅に超えて混み合っています。さらに、学習机が破損して数が不足しているため、1人用の机を2人で使用するなど、生徒たちが重なり合うようにして座っている様子が見られます。満足に教科書やノートを置く場所すら確保できず、とても勉強に集中できる環境ではありません。
JENは、修復を実施する学校で、学習机のニーズ調査を行い、修復作業完了後に提供しています。学習机は1人用がよいのか、2人用が適当か、数はどれくらい必要なのか。教職員の皆さんとJENのスタッフが話し合い、学校により異なるニーズに合わせることが重要です。
生徒たちは、新しい机にワクワクしながら、気持ちよく勉強に取り組めるのではないでしょうか。
2006年12月 7日 (木)
ビフォーアフター
現在バグダッドで小学校3校、中学校1校の修復を行っています。修復完了後、学校は生まれ変わったように美しくなりますが、中でもトイレには著しい変化が見られます。
イラクでは、水道や下水処理施設が壊れたまま放置され、トイレが満足に使えない学校も少なくありません。イスラム教徒はお祈りをする際に体がきれいな状態になければならないこともあり、清潔好きです。水が流れない非衛生的なトイレを使うことは辛いにちがいありません。
JENが修復した学校の1つでは、戦争によって教師用トイレが全壊していたため、先生方が隣家に用を足しに行かなければならず、不便な思いをされていました。女子生徒が不潔なトイレが原因で学校に行きたがらないという事態もあったようです。JENはトイレの修復にあたり、汚れが簡単に洗い流せるタイルを張るようにしています。
きれいな学校で子どもたちが気もちよく勉強に集中できますよう、これがJENの願いです。
2006年10月27日 (金)
校長先生の夢
イラクでは9月下旬に長い夏休みが終わり、新学期が始まったところです。
バグダッドのある小学校で、全日本教職員組合様からのご支援により、教室を2部屋増築する事業を実施。6月には真新しい教室に学習机を運び入れました。
イラクでは長年にわたる経済制裁や戦争による影響で使用可能な教室数が著しく不足し、定員を大幅に超過して児童を受け容れている学校も数多くあります。このような中、修復に加えて教室の増築に対する高いニーズが見られるのです。
この小学校の校長先生は非常に教育熱心で、教育環境の改善、児童の学力向上のために教室の増築を強く希望されました。新しく加わった2つの教室は新学期よりさっそく使用されています。
治安の悪化によるストレスを抱えつつも、児童は混雑が緩和された清潔な教室で快適に授業に参加することができるようになりました。
2005年12月28日 (水)
平和な年を
イラクでは、12月15日にイラク新憲法に基づく国民議会選挙が厳戒態勢の下行われました。今回の選挙には、1月の選挙をボイコットしたスンニ派も参加し、国民の約7割が投票しました。また、多くのイラク人が住むヨルダンでも、アンマンを中心に12ヶ所の学校が投票所として使用され、12月13日からの3日間、在外選挙が実施されました。今後、開票結果を受けてイラク戦争後初の正式政権が発足する予定です。
一方、バグダッド市内では、ユニセフとの協力との下進められている学校修復事業に加え、11月末よりジャパン・プラットフォームとの協力の下、14校の小・中学校の修復が新たに開始される予定です。この事業の実施により、約9,700名の子どもたちがより良い環境の下で勉強することができるようになります。
2006年がイラクの人々にとって平和を実感できる年となるよう心から願うとともに、イラクチームのスタッフが一丸となって質の高い事業を実施していきます。
2006年も皆様の温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
2005年9月10日 (土)
小学校40校と2万5千人の未来
ユニセフとの協力のもと、8月に新たにバグダッド市内の小学校3校の修復を開始することができました。2ヵ月後に完了すれば、JENとしてバグダッドにおける小学校計40校の修復をし、男女2万5千名以上の生徒が快適な教室で勉強できるようになります。
すでに2年以上も爆発・誘拐事件、それに悲しい事故などが続くバグダッドで日々生活を送っている子どもたちが、少なくとも学校にいる間はそのような危険を少しでも忘れて、学びと楽しい学校生活に没頭できるように。そのように願いながらJENは小学校事業を進めています。
9月に入り、アンマン勤務の国際スタッフは村崎由紀子から川勝健司にかわり、イラク事業にまた新たなエネルギーとアイディアがもたらされるものと期待しています。2004年2月に勤務開始して以来、イラクに関しては悲しい出来事ばかりが目立ち、やりきれない思いをすることも多くありました。それでも、バグダッドの人々は電気がなくても水がなくても、日々の生活を続けています。
ニュースでは取り上げられなくなってきたイラクですが、そんな彼らのことを忘れずに、引き続きご支援をお願いします。
2005年8月25日 (木)
3ヶ月の夏休み
6月初旬に夏休みに入ったイラクの子供たちにとって、既に夏休みに突入して3ヶ月目、日本の子供たちからみれば羨ましい限りだと思います。「追試」を受けなければならない生徒を除いて、40度以上の暑さの中、夏休みは9月まで続きます。
この夏休み中に学校修復を行うことで子供たちの勉強の邪魔にならず、できるだけ早く子供たちに安全な学校環境を提供しようと、スタッフは学校修復事業の準備に奔走しています。教育省との手続き、先生との相談、ユニセフとの技術的な打ち合わせ、建設業者との入札手続きなど、公正で本当に役立つ学校修復を行うためにすべきことは山積みです。
JENと共に働いてもう3度目の夏を迎えるバグダッドスタッフが中心となって、不安定な情勢の中、イラクの未来を担う子供たちのためにがんばっています。そんな彼らの活動を、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。
2005年5月26日 (木)
2005年3月17日 (木)
動かないロバ
バグダッド市内のとりわけ貧困地域にある小学校8校の修復をユニセフと協同で行ないました。建物自体の修復のほかに、椅子や机などの配布、それに掃除用具セットの配布なども行い、子供たちが安全で衛生的な環境で学ぶことが出来るようにお手伝いをしています。
この事業は、本来であれば、PTAの設立を通じて、先生・保護者・生徒による学校の維持管理システムの立ち上げ・運営や、衛生教育なども含めることによって、修復工事以降も生徒たちの安全と健康が守れることを重視していました。しかしながら、悪化する治安を背景に、この事業部分を実施することはスタッフを過度の危険にさらすことになると判断し、今回は見合わせました。
また、今回は市内の古くからある、道が整備されず細い小道が複雑に入り組んでいる貧困地域の学校も修復しました。車両の通行がままならないため、主要道路から学校まで資材を運ぶのにロバや子馬を使っていました。ある日、カートを引くロバが、突然道の真ん中で運び続けることを拒否し、労働者らが一生懸命なだめすかしたそうです。食べ物やキャンディーで、ロバをつる案も出たそうですが、結局はあげなかったらしいのですが…。
2004年11月18日 (木)
おもてなしの印 ヨーグルト
ユニセフ及びにジャパン・プラットフォームとの協力のもと、バグダッド市内の小学校8校の修復工事が10月に無事に終了し、教育省に引渡しが行われました。JENが特に力を入れている学校の掃除・管理の仕組み作りに向けた活動などは、これからJENと学校職員が共同で行っていきます。
6月の政権譲渡やそれに伴う省庁内の混乱、イラク人・外国人の誘拐事件の多発などの治安悪化といった困難な環境の中で、JENスタッフは細心の注意を払い地道に事業を実施してきました。
バグダッド市内でも農村部にあたる地域では、今回修復された学校をJENスタッフが訪問していると、感謝の気持ちとしてその地域ではもてなしの印であるヨーグルトを住民から差し出されたり、食事やイフタール(断食月ラマダン中に日没直後に取る食事)に招かれたりしました。残念ながら、安全上の配慮から現場には長く留まれずお断りしましたが、住民・学校職員、そしてもちろん子どもたちからのこうした感謝の気持ちを励みにスタッフ一同、更に事業を進めて行きます。引き続きご支援をよろくお願いします
2004年8月19日 (木)
気温50度を超える
緊迫した治安状況が続いているバグダッドですが、ジャパン・プラットフォームと協力し、新たに学校修復事業を実施することになりました。5月よりユニセフとの協同で実施している事業とあわせて、現在修復が進んでいます。このうち一部の小学校の修復作業が先週からスタートしました。地元の建設業者を公正に選定するため、見積書類の検討や各業者の修復現場への訪問を行い、また過去の業績や依頼主からの評価などを考慮し、6つの業者と契約を結びました。
気温50度を超えるバグダッドですが、現在子どもたちは夏休み!来月から学校が始まりますが、修復中の学校では授業が行えないため少し離れた学校の校舎を借りての授業となります。子ども達が休みの間に少しでも作業を進めようと、現在、業者とJENのエンジニアチームが汗を流しながら一丸となって工事を進めています。
1日でも早く、1人でも多くの子どもたちが新しい学校で楽しく勉強ができるよう、JENは職員の安全確保を最優先に考え、治安情報には細心の注意を払いながら、今後も可能な限りイラクでの教育支援を続けていきます。
2004年5月20日 (木)
小学校10校の修復が終了
2003昨年12月よりジャパン・プラットフォームのご協力によりバグダッド市内で10校の修復を進めてきましたが、全ての修復が終り、子どもたちがきれいになった学校で授業を再開しました。
治安悪化の中、安全への配慮のために一時的に事務所をお休みにするなどの対応を取りながらの活動でしたが、修復の質を確認するため可能な限りJENの現地エンジニアスタッフが毎日学校を訪れていました。その結果、10校とも非常に質の高い修復ができ、先生や生徒たちはもちろん、引継ぎの際に学校を訪れた教育省の関係者からも高い評価を受けることができました。
また、去る5月16日には、ユニセフ(国連児童基金)と新たな事業実施契約を締結しました。これによって、今月間もなくバグダッド市内で新たに8校の修復を開始します。この事業では、校舎の修復のみでなく、子どもたち、先生、子どもたちのご両親と一緒にPTAを組織し、子どもたちによる掃除の仕組み作り、衛生教育、イベントの開催など、様々な活動も同時に推進していく予定です。
2004年3月18日 (木)
2004年3月11日 (木)
2004年2月19日 (木)
適正価格の算出
昨年12月よりバグダッド市内で10校の小学校修復事業にあたっているJENバグダッド事務所では、業者選定など準備を進めてきました。イラクでは国際機関やNGOからの需要が高まっていること、物価の上昇、ドルのイラクディナールに対する価値の下落などの要因から、建設業者への発注価格がこの数ヶ月の間に高騰しています。同時に、建設業者からの賄賂やNGO職員に対する脅迫などの事件も増えており、公平に適正な業者を選定することが非常に難しくなっている状況です。
このような中で、JENは資材の適正価格を把握し、見積書類の検討や各建設業者の修復現場への訪問、過去の業績や依頼主からの評価、銀行口座の確認など様々な項目を考慮したうえで十分に時間をかけて価格交渉を行い、1月末に10校の修復を行う6つの業者と契約を結びました。
2月中旬から、それぞれの学校で修復作業が開始されており、毎日JENの技術者が修復内容確認のために現場を毎日訪問しています。 4月の初めには10校の修復を終えるので、それまで別の校舎で授業を続けている約9,000人の子どもたちが、きれいになった学校に戻ってくる予定です。
2003年12月25日 (木)
きれいな教室で授業再開!
JENバグダッド事務所は、2003年10月よりユニセフ(国連児童基金)と協働で、バグダッド市内の南東、ザーファラニア地区にある老朽化が激しく、今回の戦争後の略奪によって損壊した小学校3校の修復事業を行っていました。12月18日までに全て作業が完了し、イラク教育省とユニセフの方から承認をいただき、正式に引渡しを行いました。
JENの現地エンジニアスタッフが毎日確認に行き、治安状況が悪化する中も現地業者が毎日作業を行いました。配水管が破損し、蛇口もなくなっていた水飲み場で水が飲めるようになり、使えなかったトイレは建物ごと新しくなり、壁も床もきれい張り替えられ、暗くて電気がつかなかった教室で、新しい配線と新しい蛍光灯が取り付けられました。
修復期間中、他の学校で授業を受けていた子どもたちが、12月20日から新しくなった校舎での授業を再開しました。生徒たちからは、「きれいになった教室で授業が受けられて嬉しい!」「もっと美しくにするために、絵を張りたい!」など喜びのコメントが届いています。また、21年間教師をされている先生からは、「21年間で、こんなにきれいな学校を見たことがない。長年戦争で苦しんだ私たちにとって、非常に嬉しいことです。」とJENへの感謝のコメントもいただきました。
修復された学校で、子どもたちが新しいイラクの将来に希望を持ち、勉強に励んでくれることを願っています。JENとしては、一人でも多くの子どもたちの教育環境が整うように、今後も学校修復事業を続けていきます。
2003年12月18日 (木)
爆弾が投下された小学校
ジャパン・プラットフォームの協力により、新たに10校の小学校の応急修復、特に学校内の水と衛生設備の修復を中心とした事業を実施することが決定しました。
10校の選定にあたっては、バグダッド市内でも、貧しく、学校の数の少ない地域、かつ修復があまり進んでない地域を選定し、20校以上の学校を訪問した結果、バグダッド市の南東部ザーファラニア地区の5校、南部ドーラ地区の5校の小学校を修復することになりました。この10校の中には、イラン・イラク戦争時に爆弾が投下され、多くの生徒が犠牲になったことで有名になってしまった小学校や、今回の戦争の間にイラク兵が立てこもっていたために、爆弾が投下され、天井に大きな穴がいくつも開いている小学校などがあります。また、1,500人近い生徒がいるにもかかわらず、水が出る蛇口が学校中で1つしかない学校やトイレが全く使えない状態の学校もあり、不衛生な環境の中、子どもたちが勉強している状況です。
この事業によってバグダッド市内の小学生約9,000人と教師約250人が安心して学校へ通えるようになります。また、修復作業のために現地の人々を雇用することにより、失業率の高さが問題になっている現地で、人々が職に就く機会を少しでも多くして地域社会にも貢献したいと思っています。現在、バグダッド事務所では修復事業を行う地元業者の選定に向けて、急ピッチで入札の準備を行っています。
2003年12月11日 (木)
赤堀久美子が無事帰国
今年8月からバグダッドで活動にあたっていた赤堀久美子が、12月10日に無事帰国しました。12月5日にバグダッドからヨルダンのアンマンに移動し、治安状況が悪化する中、予定を10日早めての帰国となりました。
バグダッド滞在中の約4ヶ月間、小学校の修復事業にあたり、ユニセフや教育省との調整、業者の選定や価格交渉、修復中の学校のモニタリングなど、バグダッド事務所長の補佐として活動を行っていました。彼女がバグダッド入りした8月には50度を超えていた気温ですが、今は15度前後になり、寒くて暖房が必要なくいらいだということです。それでもバグダッド市内では、電気が朝2時間、夜2時間しか通っておらず、一般市民の生活は依然として不安定な状態が続いています。
厳しい治安状況が続く中でもJENの学校修復は順調に進んでおり、3校の修復は今週中に終了予定です。その後、教育省への引渡しを行い、子どもたちが授業を再開します。赤堀は予定より早い帰国となり、3校の修復終了を見届け、子どもたちが学校に戻る姿を見られなかったのが非常に残念だということですが、JENは今後もシリル事務所長と現地スタッフが活動を続けていきます。
2003年10月23日 (木)
学校修復事業を開始します
10月4日、ユニセフ(国連児童基金)と協働で、イラク戦争やその後の略奪によって損壊したバグダッド市内にある小学校3校の修復事業を開始しました。
修復を行なう学校は、バグダッド市内の南東、ザーファラニア地域にある3校です。これらの学校では、窓ガラスが割られ、下水システムが機能していないため道路に水が溢れ、非衛生的な状態で放置されていました。
現在、修復の最初の段階として、ぼろぼろになっている教室や廊下の壁や床をはがしたり、ドアや窓をはずす作業が行われています。その後、コンクリートで新しい壁を塗り、タイルが床に敷き詰められ、新しいドア、窓の設置、トイレ、洗面所などの水周りの作業と電気の配線、蛍光灯や天井扇風機の設置が行われます。
新学期の授業がすでに始まっているため、小さな学校は、他の学校の教室を借りて授業を行い、大きな学校は、授業を行なう教室と修復作業を進める教室とを分けて、できる限り勉強に支障のないように、作業を進めています。
2003年9月 4日 (木)
JENバグダッド事務所を開設しました
8月10日にスタッフがバグダッド入りし、事業開始に向けて準備を進めてきましたが、9月1日にようやくJENバグダッド事務所が開設されました。場所は、バグダッドの中心に近いエリアで、治安も良く、周りは住宅に囲まれた静かな場所です。
また、JENが協働して学校修復を行なうユニセフ(国連児童基金)と、去る9月2日に最終契約が締結されました。8月19日の国連ビルの爆破によって、ユニセフの担当者の方も亡くなり、悲しく厳しい状況が続いている中、契約のためにご尽力いただいたユニセフの方々にも大変感謝しています。これで本格的に小学校3校の修復事業をスタートすることになりました。建築エンジニアの現地スタッフも決まり、早速、修復を行う地元業者の選定を開始する予定です。
まだまだ50度近い気温が続くバグダッドですが、暑さに負けず、現地では治安状況にも十分配慮しながら、イラクの子どもたちが安心して学校に通えるよう、この修復作業を1日も早くスタートしたいと思っています。
2003年7月31日 (木)
イラク事業本格始動!
JENは、4月から5月にかけてバグダッドに調査団を派遣し、その結果、イラクの子どもたちへの支援として、略奪や爆撃によって破壊された小学校の修復を行うための準備を行ってきました。
8月4日より、新たに4名がイラクに向けて出発し、バグダッドに事務所を開設、本格的に事業を開始することになりました。今回、イラクに派遣されるのは、フランスから事務所長として赴任する、Cyril Cappai(シリル カッパイ)、建築エンジニアの舘 光正(たちみつまさ)、調整員の赤堀 久美子(あかぼりくみこ)の3名です。このメンバーに加え、JENの国富理事が事業の立ち上げのために同行します。
バグダッドで行われる小学校の修復事業は、ユニセフ(国連児童基金)との協力により、現在、地域や学校などの選定作業が進んでいるところです。9月には新学期が始まるイラクで、多くの子どもたちが早く学校に通うことができるよう、修復事業に取り組んで行きます。