2014年に、イラク第二の都市モスルが武装勢力に制圧され、数百万人もの市民が国内の安全な場所へ避難する事態となっていました。2016年10月以降、イラク政府によるモスル解放作戦がスタートし、2017年7月、モスルはついに武装勢力から解放されたのです。
これから重要なことは何でしょうか?
復興と一言で言っても、漠然とした印象を持ちます。復興は、戦闘により破壊されたインフラの復旧だけではありません。モスルへの人びとの帰還を促すこともそうです。
モスルの復興を推進するには、まとまった資金が必要であり、国際社会の支援が入っていますが、それだけでは、まだまだ不十分であることは否めません。
復興の際には、様々な側面での公平性を保つためにも、いわゆる一般的なイラク社会とモスルの住民間での和解も行われるべきです。
【モスル市内の様子】
武装勢力によるテロは死や物理的な破壊をもたらしただけではなく、もともとあった「文化」そのものも壊そうとしていたのです。
武装勢力がこの数年間で育成してきた「文化」や「社会」、「政治」、「宗教感」は、そのリーダー等によって、自分たちの思想を社会に広めるために入念に練られ人びとに少なからず影響を与えました。これらの過激な思想を人びとから取り除く過程も同時に必要でしょう。
その為にも、これから国は、NGOや聖職者、有識者、思想家やイラク社会に影響を持つすべての人びとと協動して復興に向けたプロジェクトを実施していく必要があるのです。
また、私たちは子どもたちのことを忘れてはいけません。
【モスル市内の人びと】
イラクの専門家たちは、モスルの子どもたちへの心理的・社会的リハビリプログラムを実行していくため、他国の専門家たちの協力を仰ぐ必要があるでしょう。
子どもたちが経験した悲劇は、将来的に彼らの心理・思考に負の影響を与えることが考えられるからです。
ティクラ・J・アルナジャール
バグダッド/イラク
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