扉があるということ
JENは避難民キャンプで生活する人びとに対して、水衛生環境の整備を行っています。この活動は、全ての家庭のトイレとシャワー、そしてキッチン設備の安全確保につながっています。
最近、多くの家族がキャンプを離れています。これに伴い、彼らが住んでいた場所に他の家族が移り住むなど、めまるしい変化が起こっています。住人がキャンプを離れる際、JENはキャンプの管理者とともに彼らの住んでいた場所へ行き、あらたにやってくる家族が、キャンプでの避難生活をすぐに始められるよう、再利用できるものを回収します。中でも、扉の回収はもっとも重要です。他の扉が壊れた時に、すぐに補充できるよう備えるのです。
先週、私たちが空き家になった家を訪問したところ、住民が扉を取り外していました。
【使用していないトイレからドアを外す男性】
私たちは、扉を持ち出そうとしている人に話を聞きました。すると男性は、自分のテントの扉が壊れて閉まらなくなったために扉が必要だ、と話しました。11月に入り、次第に夜間の気温が低くなってきたことに加え、この地域は冬には大量の雨が降ります。また、扉が壊れていることは、男性のテントが安全ではないことを意味します。

【男性のテントに設置されたドア】
無断のドア拝借に当初は驚きました。その一方で、扉を必要とする人に行き渡ったことに安心しました。
避難民キャンプの人びとは、長い人で、同じテントに2年以上も住んでいます。これらのテントはもともと9~12か月間の仮設利用を想定して作られているため、老朽化が進んでいます。特に、最近みられることは、扉がきちんと閉まらないなどの破損などです。また、テントの多くは、2年経過して生地が擦り切れているため、雨漏りします。このような生活環境の悪化の中で、人びとは、これから冬を迎えるキャンプの避難生活で、雨と冷たい外気からテントの内部を守らなければなりません。JENも、支援活動を通して、少しでも安全で快適な環境を提供できればと思います。