イラクでの新学期開始
2016年9月29日に、イラクで新学期が始まりました。教育省の大臣により、バグダッドの小学校で新学期開始のベルが鳴らされました。
1970-80年代のバグダッドの教育システムは、その地域では最高レベルであり、識字率は高い水準を維持していました。当時、政府が実施していた識字率向上キャンペーンも寄与していたと考えられます。しかし、1991年以降、イラク戦争の勃発により、また経済制裁の影響もあって、教育システムは衰弱していったのです。
2003年以降、イラクの学校の多くが修理や衛生設備の修復が必要な状態であり、また実験室や図書館、電気や水道などのインフラも不足しています。教育システムの衰弱に加え、このような学校設備の不備が、子どもたちの足をさらに学校から遠のけます。また、経済的に困窮した状況により、多くのイラクの子どもたちが児童労働を余儀なくされ、このことが識字率の低下へと繋がっています。
【JENが修復した学校のトイレと貯水タンク】
学校環境が整備され、イラクの教育システムが整い、学校中に子どもたちの声が響き渡る日が再び来ることを願ってやみません。