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2016年3月 3日 (木)

シンジャール山避難民への越冬支援物資の配布

 JENは、昨年12月から今年1月にかけて、シンジャール山に避難している人々への越冬支援物資の配布を実施しました。

 シンジャール山は2014年8月から12月の間、武装勢力によって包囲されており、その間、近隣の町、特にシンジャール市から大勢の人々がこの山に逃げて来ました。そして、解放から1年たった今でも、避難民は町に帰ることがかなわず、厳しい生活環境の中で暮らしています。特に寒い冬の間は厳しさが増します。

 JENはこういった人々を支援するため、越冬支援キットの配布を計画しました。
 最初に、避難民の方々の状況や彼らが必要としている物を把握するため、コミュニティーの中心的な人たちとグループディスカッションを行いました。
 また、全1,600世帯の世帯人数や各メンバーの情報などをデータベース化するための調査を実施し、その結果、毛布、子ども服、シェルターキット、ジャケットやカーペットを配布することにしました。

【男性たちとのグループディスカッション】
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【女性たちとのグループディスカッション】
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【配布会場】
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【配布物資を受け取る人びと】
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【配布物資を受け取る子どもたち】
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 支援物資を受け取った大勢の人たちから、JENや日本の人々に対する感謝の言葉をいただきました。

 その一方、改めて認識したこともありました。上記のグループディスカッションの際、何人かの人々から苦情が寄せられました。その多くは、避難民の方々の情報を集めに様々な組織がやって来るが、そのあと何の支援もないことがよくある、との内容でした。避難民世帯に対する調査の時も、このような苦情がありました。
 
 この地域はとても穏やかな人が多いので、彼らの苦情は彼らが今置かれている状況が、いかに厳しいかを示していると思います。今回JENがこのような人たちにも実際に支援を提供することができたことで、支援団体への不信感を少しでも払しょくできたのではないかと思っています。

 JENが支援物資を配布することにより、避難民の方々の問題が全て解決するわけではありません。しかし、遠い島国からの支援が届いて、彼らが抱えている困難のほんの一部だけでも確かに軽くなったのです。
 今後もこのような地道な支援を続けていきたいと思います。



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3月 3, 2016 国内避難民支援支援物資配布 |