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2015年11月19日 (木)

イラクでのコレラ流行

 イラクの情勢が安定しているとはいえず、人々の生活が今日もまた十分なものとは言えない中、さらにもう一つの災いがイラクの人々を襲いました。ずっと前に消えたはずのコレラが、再びイラクに出現したのです。

イラク保健省によると、300人を超える程の感染者と5名の死者もでている模様です。実際の状況はこれよりもずっと悪く、感染者数はもっと多いと思われます。

コレラの発生は、公共の飲料水供給計画の実施が遅れた結果、飲用に適さない水が使われたことが主な原因です。それに加え、埋め立て地がないため、生ごみが通りや居住地区にあふれてしまったことも原因の一つです。


 コレラは伝染病の一つで、もし適切な治療を受けないと、感染後数時間のうちに死に至ることがあります。しかし、世界保健機関(WHO)推奨の方法で作られた経口補水塩をすぐに投与すれば、80%の患者が救われます。

 衛生的な環境を整えること、とりわけ適切な飲料水と汚染されていない食品を供給することで、伝染病の広がりを抑えることができます。さらに、人々の衛生意識を高めるための衛生教育キャンペーンも不可欠です。

 JENはコレラに関する情報を小冊子にまとめ、小中学校の生徒に配布するとともに、衛生意識向上のためのトレーニングを教師や生徒たちに実施しています。

【JENが配布した冊子】
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 バグダッド・オフィス事務局長  
 ティクラ.J.エリアス




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JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。

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口座名: JEN

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11月 19, 2015 水衛生環境改善衛生教育 |

2015年11月 5日 (木)

シンジャール山での仮設トイレ設置

 シンジャール山に住んでいる約1000世帯の家族にとって、適切な水衛生設備へのアクセスは大きな課題です。

 避難民の方々の山中での暮らしは一時的なものという前提なので、トイレやシャワーは地面に浅い穴を掘り、プライバシーを守るためその四方をシーツやブランケットで囲むような簡易なものです。

【シンジャール山のトイレ】
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 特に降水量の多い冬には、浅い浄化槽があふれかえり、住居スペースの方にも広がってしまう可能性があるので、このようなトイレは深刻な健康上のリスクを伴います。今年はイラクのあちこちでコレラの発生が確認されているので、適切な衛生設備は優先課題の一つです。

 中でも、チャイルドフレンドリースペースや山中に3か所設置されたヘルスポストなど、子どもや免疫力が低下している方々などが集まるところでは、水を介した感染症が広まりやすいため、衛生設備の提供は急務でした。

 そのため、JENは上記の4か所の施設に深い浄化槽を掘り、仮設トイレを設置する作業を行いました。この作業は、ヘルスポストを統括しているニネワ県の保健省およびチャイルドフレンドリースペースを設置した他団体との調整のもと行われました。また、地域の住民がボランティアとして手伝ってくれました。

【山中に運搬された仮設トイレ】
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 この仮設トイレが設置されたことで、ヘルスポストとチャイルドフレンドリースペースを使用する1日120人ほどの患者と250人ほどの子どもたちが、清潔で安全なトイレにアクセスできるようになりました。


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11月 5, 2015 水衛生環境改善国内避難民支援 |