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2015年9月 4日 (金)

新規開放地区での井戸修復

 JENは8月に、イラクのクルド人自治区において井戸修復事業を行いました。

 クルド人自治区では天然の水源が限られているため、そのような水源にアクセスできない地域の住民は、日常使う水を村や町に掘られた深井戸から得ています。しかし、このような深井戸の多くが武装勢力によって破壊され、地区が解放された今も使えない状態であるため、避難民が村や町に帰ることができなくなっています。

 現在JENが活動を行うために調査を行った地区では、全部で35基の深井戸がありますが、そのうち使用できるのは11基だけという状態にあります。
 この深井戸は、各村にある水ネットワーク用の貯水タンクにつながれていますが、貯水タンクは地上から20~30メートルの高さにあるため、使用できない井戸が多いと揚水圧が足りなくなり、水が届きません。貯水タンクに水が溜まらないと、水ネットワークを使って水を村に届ける事もできなくなります。

 JENは新規開放地区にある6か所の村の井戸を調査し、500人ほどの帰還民が暮らす村にある2基の井戸を修復することに決めました。

【村にある貯水タンク】
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【破壊され使用できなくなった深井戸】
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 井戸の故障原因は一つ一つ異なります。モーターが使用過多で使えなくなったものや、揚水用のポンプが壊れているもの、井戸のポンプを電源につなぐケーブルや井戸の稼働スイッチが壊れているだけのものなど様々です。

 JENのフィールドスタッフとエンジニアは電気技師や技術者のチームと共に井戸を訪れ、故障原因を調査し解明したうえで、必要な機器を交換する作業を行いました。

 今回の修復では、1基目はモーター、ポンプ、ケーブル、スイッチボックスの全てを交換。2基目はポンプの交換のみとなりました。

【ポンプを交換する技術者たち】
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 修復によってこの2基の井戸が稼働可能となったことで、村の貯水タンクに水を通すことができるようになりました。

 JENはこれからもニネワ県水道局と協働で井戸修復作業を継続的に行い、帰還民支援として水のインフラ整備に努めていきます。

【修復した井戸から水が出る様子】
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9月 4, 2015 国内避難民支援 |