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2015年5月28日 (木)

イラクの国内避難民の児童たち

 学校がない国内避難民キャンプで17か月間暮らしている児童たちがいる一方で、イラクの街中の学校には、もともとその学校に通学していた児童たちよりも多い人数の国内避難民の児童たちが通っています。

 たとえば、キルクークの小学校では、児童数500人に対し、900人の避難民の児童が夜間に学んでいます。キルクークのほとんどの学校は同様の状況で、避難民の児童たちは夜間に学校に行っており、教育局はトイレ、ドア、屋根、電気が不足していると訴えています。

 JENがサマラ市で調査を行った時に、教育長が「市内のすべての学校に、平均してもともとの児童数の1.6倍以上にのぼる避難民の児童たちが通っているので、どこの校舎も受け入れ可能な範囲を超えており、上記のように様々な物が不足している」と語っていました。

 JENは今後も避難民の子どもたちをたくさん受け入れている学校の設備修繕などを通じて、学校に以前から通っている子どもたち、避難民の子どもたち、みながよい環境で学習できるように、支援を継続します。


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JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を行っております。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

iraq

5月 28, 2015 国内避難民支援緊急支援 |

2015年5月21日 (木)

石鹸・洗剤の配布を行いました!

 JENが水衛生分野の活動を担当しているキャンプで、石鹸と洗剤の配布を行いました。配布は5つの地区に暮らす住民を地区ごとに順番に集め、各世帯の代表に、世帯人数に応じた数の石鹸と洗剤を配ります。

 キャンプでは日中はすでに30度を超える暑さとなっています。手洗いや衣服・寝具の洗濯が頻繁になる季節に、石鹸と洗剤は必需品です。

 強い日差しが照り付ける中、他の団体やキャンプマネジメント、警察など様々な方の協力を得て、3日間で全地区への配布が完了しました。

 配布が終わったあと、ある住民の方が、石鹸が世帯人数より多く入っていたと言って返しにきてくれました。キャンプという厳しい環境下で暮らしていて、こういうことは簡単にできることではありません。

 そういう方の期待に応えることができるよう、私たちも襟を正して活動を続けていきます。



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JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を行っております。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

iraq

5月 21, 2015 国内避難民支援緊急支援支援物資配布 |

2015年5月14日 (木)

避難民キャンプでのごみ対策

 先週の支援速報でお伝えした疥癬の問題に続き、国内避難民キャンプではポイ捨てからくるゴミの問題も、衛生や環境に危害を及ぼしています。

 キャンプでは毎日ゴミ収集トラックが家庭から出るゴミを集めていますが、大きなキャンプのため、トラックも1日で回れる場所が1セクターに限られています。そのため、1週間ほどゴミを外に置いておく家庭がたくさんあり、悪臭のもとになったり、病気の媒介となるハエなどの繁殖場所となったりしています。

 また、キャンプでは各家庭に個別のゴミ箱がなく、公共のゴミ箱も設置されていなかったため、住民によるゴミのポイ捨てが増えていきました。特に衛生意識の低い子どもたちの間では、食べているお菓子の包みをそのまま落としていていくなど、ポイ捨てが頻繁に行われています。

 キャンプ内のゴミの散乱を抑えるため、JENは家庭用のゴミ箱を購入し、5月10日から13日の3日間で全家庭を対象に配布を行いました。ふたつきのゴミ箱は、ゴミ収集トラックの回収を待つ間ゴミが野ざらしにされるのを避け、虫の繁殖を抑えることができます。

 さらに、JENは住民内の有志ボランティアを集め、コミュニティ衛生プロモーターとして活動をしてもらうためのトレーニングを行いました。5月初旬に行った1回目のトレーニングでは、ボランティアグループによって、ゴミの問題が優先順位の高い課題としてとりあげられました。キャンプ内を清潔に保つこと、そして住民のゴミに対する衛生意識をあげるため、コミュニティ衛生プロモーターたちは毎月ゴミ拾いの日を設け、戸別訪問を通して住民のゴミ問題に対する衛生意識を高めていくことを提案してくれました。

 JENは新しく発足されたコミュニティ衛生プロモーター達とともに、ゴミ問題に取り組んでいく事を楽しみにしています!

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JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を行っております。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

iraq

5月 14, 2015 衛生教育国内避難民支援緊急支援 |

2015年5月 7日 (木)

国内避難民キャンプでの疥癬(かいせん)問題

 JENはクルド自治区内にある国内避難民キャンプの1つで活動しています。そのキャンプには現在約1万3千人の避難民が住んでいます。
 このように、人が混み合った緊急の生活状況では、感染症が発生・蔓延する危険性が高くなります。キャンプでは各テントに1つの個別トイレ・シャワーが割り当てられ、ハード面での衛生環境は整い始めていますが、避難民の中には衛生意識が低く、危険な行為を行う人もたくさんいます。

 最近クルディスタンに所在する国内避難民キャンプで問題となっているのが疥癬の蔓延です。疥癬は小さなダニによって引き起こされる感染性の皮膚病で、発心と激しいかゆみを引き起こします。この病気は一般的に、個人衛生の不足などから起こります。疥癬の治療は適切な薬品があればいたって簡単ですが、皮膚の接触やダニの住み着くマットレスやブランケットを共有することから起こるこの病気は感染性が高く、急速に広まってしまいます。特に、疥癬にかかった人の家族などは感染の危険性が高くなります。

 当キャンプでは現在、生後7か月から60歳まで、150人以上の感染者が確認されています。JENはキャンプマネージメント、UNHCRや医療に携わる他団体と協働で、新しいマットレスやブランケット、薬や衛生キットを感染者のいる家族に配布し、疥癬の蔓延をくい止める運動を行っています。

 また、人々が適切に疥癬や他の一般的な病気から身を守ることができるように、JENは、キャンプのボランティアグループを通して衛生推進活動を始める準備を進めています。




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JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を行っております。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

iraq

5月 7, 2015 衛生教育国内避難民支援緊急支援支援物資配布 |