ハラブジャの悲劇
クルド人自治区には、3月と4月に記念日がたくさんあります。そのなかのひとつ、3月16日はハラブジャの日です。
1988年のこの日、クルド人自治区の南東部に位置するハラブジャで、化学兵器により5000人以上の住民が命を落としました。
それ以来、25年たった今でも、3月16日の11時には人々は道路に一列に並び、黙祷をささげます。黙祷の間は車も路上にとめられ、サイレンの音だけがひびきわたります。
クルドの人々は自分たちが経験したハラブジャの悲劇と同様のものとして、広島・長崎の原爆投下のことをよく知っています。黙祷の列に並んでいると、今でも日本では原爆が投下された日に黙祷をしますか?と聞かれました。
広島や長崎、学校などを除いて、今の日本で黙祷をしている人は多くないと思います。それは、終戦から約70年たち、私たちにとって戦争も原爆投下も遠い昔のことになってしまったからかもしれません。
一方、ハラブジャの悲劇のあとも、そして今も様々な苦難を経験しているクルドの人々。彼らは、たとえ70年たったとしても、そういった苦難を象徴するハラブジャの日に祈り続けるのではないかと思います。
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