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2015年2月26日 (木)

仮設校舎の不足

  イラクの避難民の子どもたちのほとんどは、2014年の時点で学校に通えていません。学校がキャンプから遠かったり、街中の学校では大勢の避難民の子どもたちを受け入れることができなかったりするからです。

 イラクの避難民の半分以上は、クルド人自治区のキャンプで暮らしています。クルド人自治区の地域政府は、スレイマニアで66の、エルビルで46の仮設住宅を学校として使用するよう用意していますが、現時点で、机、黒板、教科書、参考書、教員の手配はできていません。

 これらの仮設住宅では、避難民の生徒たちの15%の受け入れができず、JENはあらゆる人道支援団体とイラク政府に、かれらが通える学校を用意するように呼びかけています。かれらは2年間学校に通えておらず、その状態がいつまで続くのかも分かりません。

 カルバラでは、200の仮設住宅を避難民の生徒たち用の教室として、20の仮設住宅をトイレとして用意するよう、教育省が要望していますが、現時点では、カルバラ郊外に15の学校(仮設住宅)が用意されているのみです。
 ディヤラとナジャフ用に用意されたのは450の仮設住宅ですが、教室用に提供された仮設住宅は80でした。500の仮設住宅がバグダッドの郊外に提供されましたが、教室用は80のみでした。

 避難民の子どもたちのための校舎の不足が深刻になっています。子どもたちが学校に通えるようにするために、世界中の人たちは協力しなければなりません。

 

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 寒さの厳しい今、210万人の避難民たちが一層過酷な状況に置かれており、この冬に入って100人以上の子どもや赤ちゃんが亡くなっています。

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JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を開始しました。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

iraq

2月 26, 2015 国内避難民支援緊急支援 |

2015年2月12日 (木)

避難してきた生徒たち

 JENのプロジェクトの対象校では、教員や生徒の衛生・健康・環境への意識を高めるために、研修を行う他、衛生用品や清掃道具を配布しています。

 他の行政区域から避難してきた生徒は多数おり、JENが活動する学校に通っています。JENは避難してきた生徒の人数を調査し、当局に対して、衛生状態を改善するためには衛生用品を避難してきた生徒に対しても提供する必要があることを説明し、同意を得ました。

 合意されたことは次の通りです。第1は全学校の管理者に対して怪我をした生徒を治療するためのシラミ取りシャンプーを24缶配布すること。第2は避難してきた各生徒に衛生用品(先髪用シャンプー、手洗用液体せっけん、大判タオル)を配布することです。

 JENは以上の衛生用品を購入し、各学校への配布明細に基づいて、仕分けを行いました。 

 JENのスタッフは、教育局の環境教育担当者と学校保健担当者の立会いの下で、各学校の管理者と面会し、避難してきた生徒たちに対して注意を払う必要があることや、衛生用品の配布の必要について話し合いました。2学期に予定されているPTAの会合日程も確認しました。

 それは、JENのスタッフもPTA会合に出席し、学校の管理者と協力して、生徒の保護者に対して、公共の場・個人的な場における健康・衛生への配慮についてアドバイスをするためです。生徒と保護者をそれぞれ別の機会において教育するための研修カリキュラムが含まれたCDも、学校管理者に提供しました。
      
  上のような協議の後、私たちは学校の管理者に割り当てられた衛生用品を配布しました。そして一つ一つの学校を訪問し、学校の管理者の立会いの下、避難してきた生徒たちに衛生用品を配布することと清潔に保つことの大切さを伝え、健康と環境に関する意識を高めるようにアドバイスしました。

 この取り組みについて、教育省の職員・学校の管理者・生徒たちなどから感謝のお言葉と評価をいただきました。日本の人たちと、JENに対してお礼の気持ちを表してくれました。
         
 報告者:プログラム・オフィサー

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JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を開始しました。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

ご寄付は、こちらから受け付けております。

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2月 12, 2015 衛生教育支援物資配布 |

2015年2月 5日 (木)

越冬支援用バウチャー配布 -準備編-

 JENは避難民家族に対して、ストーブや石油、ブランケットなどが購入可能なバウチャーを配布すべく、準備を進めています。

 人々に必要な物資を届けるには大まかにわけて3種類の方法があります。1つは、支援団体が物資を購入して、その購入したものを人々に直接配布する方法。もう1つは、バウチャー(引換券)を配布して、そのバウチャーを使って、人々が登録されたお店で特定のアイテムを購入する方法。最後が、現金を人々に渡して、好きなお店で必要なものを購入する方法。

 どの方法を選択するかは、その支援地の状況によります。例えば、自然災害の直後では、お店は機能していないので、バウチャーや現金の配布は現実的ではありません。今回のイラク避難民支援に関しては、人々の必要な物資が家族によって大きく異なることや、避難地の物流および経済が正常に機能していることを鑑みて、バウチャーの配布を行うことに決定しました。

 準備段階で最も重要な活動は、バウチャーを受け取る人の登録と、バウチャーを受け入れるお店との調整です。

 バウチャーを受け取る人の登録では、JENスタッフは、情報収集用のアプリが入ったスマートフォンを使用して、各世帯を訪問し、IDカードや世帯の家族数の確認、現状調査を行っていきます。

 バウチャーを使った売買に承諾してくれた地元のお店に対しては、バウチャーを受け取った人がお店にきたときにどういう手続をとらなくてはいけないかや、決められたアイテムしか販売できないことなどを、一軒一軒説明していきます。

 避難民の方々の家を訪問し、地元のお店の方々と話をするたびに、このバウチャーを使用した越冬支援物資配布方法が、人々のニーズに的確にこたえることができ、かつホスト・コミュニティの経済発展の一助となることを実感しています。

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JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を開始しました。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

ご寄付は、こちらから受け付けております。

iraq

2月 5, 2015 国内避難民支援緊急支援支援物資配布 |