避難民キャンプでの厳しい生活
イラクの国内避難民、特に避難民キャンプにいる避難民は、寒さや空腹、風呂の不足などのため、大変厳しい生活を余儀なくされています。
アルビル(イラク北部のクルド人自治区内)のキャンプでは、風呂の順番を待つ人の長い列ができています。多くの避難民に対して風呂の数はとても少ないため、中にはシャワーを浴びるまでに10時間も待たなければならない人もいます。同キャンプでは、2014年6月10日以降現在までに、1500人の乳幼児が亡くなりました。
ディヤラ県のハナキーンで難民省によって風呂やトイレが設置されたのは、避難民がキャンプに来てから1か月も経過した後でした。
アルビルやハナキーンの避難民キャンプでは、ほとんどの避難民が1日に1食か2食しか食事をとっていません。というのも、ほとんどの人たちが3か月前に政府や国際機関から100万イラク・ディナール(約800米ドル)支給されただけで、お金が足りない上、調理や暖房に使う灯油も1か月に10リットルしか支給されないからです。また、毛布も充分にはありません。寒さと飢えにより下痢やカタルにかかる人が増えています。
さらに、充分な医療を受けられなかったり、薬が不足していることなどにより、様々な問題が生じています。たとえば避難キャンプ全体で180件もの流産が発生しています。
一方、ハナキーンキャンプではサソリやヘビが増え、大勢の避難民を悩ませています。今までのところ何の対策も取られていないため、ハナキーンキャンプの何十万人もの人々がこの厄介な存在の脅威にさらされています。
また、アンバール県の砂漠では、家族と一緒にテロリストから逃げた子どもたち20人が、飢えと暑さのため亡くなりました。
【ハナキーンキャンプの給水車】
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