国内避難民の今を知ってほしい
避難民キャンプの現状をご報告します。
イラク国内に発ししている国内避難民は、政府も人道支援組織も解決することができない多くの問題に直面しています。
国内避難民の家族は食糧や生活必需品を買うために、避難先から一番近いマーケットまで長い距離を歩かなければなりません。多くの家族は着の身着のままで避難しているため、車を持っていません。マーケットで買った物は歩いて運ばなければなりません。さらに、彼らには必要な物を全て買うためのお金も十分にありません。
2014年6月以降から今までに、戦闘地となったモスールやティクリートから避難して来た家族は、たった1か月分の生活費に当たる100万イラク・ディナール(約825米ドル)を政府や国際機関から支給されただけです。彼ら家族の大部分は夏服しか持っておらず、冬服を買うお金はありません。
冬が来た今、避難民キャンプで暮らす人々には、暖房のための灯油、ガソリン、電気がありません。彼らは遠くまで行って木の枝を取り、暖を取るためにそれをテントの中で燃やします。料理を作るために、小さな灯油コンロも使っていますが、そのようにテントの中で火を使うことにより、アルビル(イラク北部のクルド人自治区内)などのキャンプでは、多くのテントが燃えてしまいました。火災が防げるような防炎加工をしたテントではなかったのです。
2013年12月以降現在まで、どの避難民キャンプにも教育を受ける施設(仮設の学校)がありません。これらのキャンプにいる児童たちは、もう2年間も学校に通っていません。
もし子どもたちが一番近くの学校に行きたいと言っても、歩いて通える距離には学校はなく、家族は学校のある村や町に車で子どもたちを連れて行かなければなりません。しかし、ほとんどの国内避難民の人々は貧しく車を持っておらず、あるいは、キャンプで生活する人々は、キャンプの外に簡単には出られないようになっているところもあります。
JENでは、イラク国内で発生している国内避難民を対象にした緊急支援を開始しました。この緊急支援に対し、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
ご寄付は、こちらから受け付けております。