イラクでポリオ感染を確認
国連は、シリアの隣国であるイラクにおいて、14年ぶりに36件のポリオ感染が確認され、そのうち2件は首都バグダッドで確認されたと発表しました。
国連は、中東で発生している神経系疾患を引き起こすポリオの感染が、今後拡大する恐れがあると警告しています。
イラクの保健省は、WHOとUNICEFの支援を受けて、8月10日にポリオ予防接種キャンペーンを開始しました。今回のキャンペーンでは400万人以上の5歳以下のイラクの子どもたちを対象にしたポリオ予防接種を目指しています。
しかし、イラクは武装勢力による紛争下に置かれており、このキャンペーンを実施するのは困難を極めます。
現在イラクでは、多くの子どもたちが武装勢力の暴力からイラク内各地に逃れ、国内避難民になっています。キャンペーンでは、イラク国内で武装勢力との衝突が起きている地域や国内避難民、その避難民を受け入れているホストコミュニティの子どもたちにも予防接種を届けることを目標としています。UNICEFによれば、今年初めから発生している150万人以上の国内避難民のうち半数が子どもたちであるとも報告されており、ポリオ感染の拡大を抑えるために早急な対応が必要となっています。
イラク保健省は、TVや幹線道路の看板などあらゆる手段で、予防接種の必要性、特に予防接種は1回だけでなく6回は接種が必要であるといった、接種に伴う情報を広くイラクの人々の周知しようと取り組んでいます。
イナス・アルナジャール
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