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2014年9月25日 (木)

バグダッドの現状

 バグダッドのほとんどの人たちは現在、不安と緊張の中で生活しています。いつどこで、突然爆撃されたり検問されたりするか分からないからです。
 検問所は、他の宗派(スンニ派)を標的とする攻撃的な宗派の人たちから成っています。

 ほとんどのバグダッドのイラク人たちは危険にさらされた生活を送っていて、バグダッドの人口の25%以上の人たちは1月以降、もっと安全な場所である、たとえば北部のクルド人自治区(アルベルやスライマニア)やトルコなどに避難しています。また、多くのイラク人たちは、アメリカや他の国への再定住を求めて国連事務局に向かっています。

 その一方で、イラク第二の都市で北部に位置するモスルが武装組織によって陥落された後、7月には数千人規模の国内避難民たちが同じニーナワー県のタラーファからバグダッドにやってきたのを目にしました。

 大勢の若者たちが、バグダッドの西や北で政府軍の兵士として戦闘に参加しており、殺されることを恐れています。

 また、バグダッドの西に位置するアブグレイブ、南に位置するユーシフィヤ、北に位置するタルミヤやタジのような、小さな都市での生活はとても悲惨です。人々が無作為に逮捕され続けています。

 2013年の12月以来、戦闘が始まったファルージャやラマーディーでは、ほとんどの民間企業の活動は50%まで低下し、2014年の6月以降は(モスル陥落により)15%に低下し、あらゆる種類の民間企業は操業を停止しています。

 結果として、身代金を目的として裕福な人たちを誘拐する事件がこの2ヶ月で増加しているのです。   

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2014年9月11日 (木)

イラクでポリオ感染を確認

 国連は、シリアの隣国であるイラクにおいて、14年ぶりに36件のポリオ感染が確認され、そのうち2件は首都バグダッドで確認されたと発表しました。
 国連は、中東で発生している神経系疾患を引き起こすポリオの感染が、今後拡大する恐れがあると警告しています。

 イラクの保健省は、WHOとUNICEFの支援を受けて、8月10日にポリオ予防接種キャンペーンを開始しました。今回のキャンペーンでは400万人以上の5歳以下のイラクの子どもたちを対象にしたポリオ予防接種を目指しています。

 しかし、イラクは武装勢力による紛争下に置かれており、このキャンペーンを実施するのは困難を極めます。
 現在イラクでは、多くの子どもたちが武装勢力の暴力からイラク内各地に逃れ、国内避難民になっています。キャンペーンでは、イラク国内で武装勢力との衝突が起きている地域や国内避難民、その避難民を受け入れているホストコミュニティの子どもたちにも予防接種を届けることを目標としています。UNICEFによれば、今年初めから発生している150万人以上の国内避難民のうち半数が子どもたちであるとも報告されており、ポリオ感染の拡大を抑えるために早急な対応が必要となっています。

 イラク保健省は、TVや幹線道路の看板などあらゆる手段で、予防接種の必要性、特に予防接種は1回だけでなく6回は接種が必要であるといった、接種に伴う情報を広くイラクの人々の周知しようと取り組んでいます。

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 イナス・アルナジャール




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