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2014年2月28日 (金)

イラクの国際患者デー

先日バグダッドで行われた国際患者デーの祝典について紹介します。国際患者デーは、病気の患者のために祈り、彼らの苦しみを分かち合う特別な日とするようにと、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世により1992年5月13日に定められました。22回目の国際患者デーとなる今年のスローガンは「信仰と愛」です。祈りを捧げ、患者の苦痛を共有する行事を催し、患者たちを心理的、経済的にサポートするこの日を、毎年イラク国内の多くの教会が祝っています。
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バグダッドでは先日2月8日に多くの聖職者列席のもと、セイダット・アル・ナジャト教会で国際患者デーの祝典が行われました。祈りが捧げられ、ベサニーハウスによる催しがいくつか行われました。
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ベサニーハウスは、重度の障がいを持つ人々や高齢の患者たちを介護する目的で、2000年にバグダッドのカラダ地区に設立され、現在は高齢女性約50人が入居しています。ここでの医療はすべて寄付によって成り立っています。
ハウスの館長のアルハン・スミスさんと館長補佐のアンワール・ナジムさんはここで無償で働いています。二人は「人は長い一生の最後に、尊厳のある生活が必要です。」と言います。
入居者たちは一つの家族としてここで分け隔てなく暮らしています。出身地域の違いよりも人間的な繋がりが何よりも大切にされています。ラファエル・ルイ・サコ1世総大司教は、「ベサニーハウスの運営は今私たちが置かれているこの状況の中で、一筋の明るい光です。特定宗教とは無関係の人道的な活動だからこそ、支援を必要としています。」と言います。総大司教はスピーチの最後に、イラクが今置かれている長く暗いトンネルの真ん中で、一つの光り輝くランプになろう、と人々に呼びかけました。
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イラクでは障がい者や高齢の人たちを対象に、このような活動も行われています。

2月 28, 2014 |