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2013年9月26日 (木)

イラクの新学期準備

 イラクでは、小学校も中学校も9月に授業が始まります。各学校からは通学かばんや文房具、制服など学校に通うために必要なものを指定されますので、保護者たちはその準備に追われます。その中で、年収の少ない家族はこれらを揃えるのに大変苦労します。イラクでは息子を10人近く学校に通わせる家族も少なくありませんので、学校に通う準備で家計がすぐに圧迫されます。

 これら学習必需品の市場価格は日々変動し、さらに一気に高騰することもあり、低所得者層の中には、すべてのものを揃えられない人々もいます。もちろん、そういったお父さんやお母さんは、なるべく費用を抑えられるよう、最安値の文房具や教科書を購入しようとします。ただ、これら低価格の商品は質がとても悪いものが多く、すぐに使えなくなることもよくあります。そのため、通学かばんや制服など何度も買い替える必要があり、さらに学校までの交通費などの出費もあるため、いっそう家計が苦しくなってしまいます。
 モスクや慈善団体からの支援もありますが、すべての家族を支援するにはとても足りません。

 さて、子どもたち学校に通い、勉学に励むために、保護者は少しでも安いものを購入するようにしていると話しましたが、通学かばんや文房具はどこで売っていると思いますか。イラク人の家族のほとんどが、バグダッド市のアル・ムタナビ・マーケットとアル・サレイ・マーケットに行きます。
 アル・ムタナビ通りはバグダッド市で最も古い通りで、イラクの人種や部族と同様に多様な本をみつけることはできます。イラクや中東の歴史、政治、宗教に関する本のほか、詩や小説なども置いてあります。文房具やノートはもちろんのこと、児童書、マンガ、雑誌など、何でも揃っています。
 これら2つのマーケットでは学校に通うために必要なものはたいてい手に入れることができますので、新学期が近づくと多くのイラク人家族が訪れ、活気づきます。

【アル・ムタナビ・マーケット】
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【アル・サレイ・マーケット】
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JENエンジニア ハムーディ




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9月 26, 2013 文化、生活、習慣 |