イラク全国一斉地方議会選挙
イラクの地方議会選挙が2013年4月20日に行われ、2009年の選挙で選出された地方議会に代わり、新たな地方議員が選出されました。
独自の地方選挙を予定するクルド自治区の3県に加えて、アンバル県、ニネワ県、キルクーク県が治安上の理由から投票を6月まで見送ったため、投票は18県中の12県で行われました。
選挙活動は選挙の45日前より開始されました。265の政治組織、50の連立政党から立候補した8100人の候補者により交差点や人混みの中でチラシが配布され、それぞれのロゴや候補者のポスターが街中に貼り出されました。また、電光掲示板では政治改革を訴えるメッセージが流され、街頭での選挙演説が行われました。
選挙管理委員会は、今回、選挙活動の監視チームを設け、適正な活動の監視を行うとともに、違反行為には罰金を課す方向でのぞみました。
議会選挙の実施に際し、多くのイラク国民が日常生活において様々な圧力にさらされました。バグダットではいたるところに数多くの検問所が設置され、治安警備の厳格化や道路渋滞が更に悪化したことにより、10キロ程度の移動にも1時半以上の時間がかかることになりました。それにもかかわらず、選挙前の4月15日には50名が死亡し300名が負傷するという自爆攻撃も発生してしまいました。
そんな状況下にもかかわらず、投票率は50%を維持し、選挙管理委員会は、選挙の一週間前に行われた軍関係者を含めた全体の投票率は51%を超えると発表しました。
今回の議会選挙では、投票が行われた12県の内、過半数の7県でイスラム教シーア派のマリキ首相率いる政党が勝利し、政治図が大きく塗り替えられました。