WELCOME TO バクダッド アラブ文化首都2013
フセイン政権崩壊から10年、首都バグダッドは「2013年アラブ文化首都」に任命されました。これは、ユネスコの「文化首都プログラム」のもと、アラブ連盟の主導により開催されているプログラムで、アラブ文化の振興を促進し、同地域における相互理解を深めることを目的としています。
今回の任命は、バグダッドが自動車爆弾や誘拐事件だけでなく、豊かな文化を備えた都市であることを世界に呼びかける良い機会となります。
しかし、まだ多くの問題も存在しています。バグダッド国立劇場は、バグダッドの他の公共の建物と同様、10フィート(約3m)のコンクリートの防護壁に囲まれています。そして入口に控える数人のチケット係に対し、倍以上の数の兵士が配置されています。これは、宗教色の強い民兵組織が芸術活動の妨害を目的に劇場に対し行なってきた脅迫行為への備えによるものです。
今晩の演目である「family―friendly comedy」は「Run for Your Wife(妻からの逃亡:イギリス映画)」のイラク版ともいえるコメディ作品ですが、男性が女性と並んで舞台に立っているというだけで、彼らの目には過激な劇として捉えられています。
「劇場に所属する人間は、みな例外なく長年にわたって生死にかかわる脅迫を受けてきました。しかし私たちは伝えるべきメッセージをもつ芸術家であり、これまで諦めることなく進んできました。」と劇場の副支配人、イスマエリ・ジュボーリ氏は語ります。
長く暗い時代を終えた今、イラクの芸術・文化が今一度花開く時が訪れました。「文化首都 in バグダッド」では、バグダッド及び周辺で製作された9本の長編映画、9本の短編作品及び6本のドキュメンタリー(計24作品)が上映されます。
また、期間中、音楽、舞踏、写真展、民俗芸術・工芸展等、様々な文化イベントが開催されます。
今回の文化首都への任命は、長年に及ぶ戦争と、国際社会からの経済的・文化的な孤立の後、イラクが懸命に取り組んできた信頼回復への努力の成果といえます。
2012にはアラブ首脳会議の開催都市となり、2015年にはアラブサッカー連盟が主催するサッカーの国際大会「ガルフカップ」がイラク南部のバスラ市で開催される予定です。
JENエンジニア ハムーディー