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2012年10月25日 (木)

地域全体で見守る学校へ

 イラクでは10月に新学期が始まります。新しい学年に進級するとともに、衛生教育の後半授業が始まりました。
 これは、衛生施設の修繕を行った学校で4月に行われた前半授業の続きになります。教育省や教育局、そして教師が一丸となって、衛生知識に関する教育の方法や教材を、どのようにしたら子どもたちに伝えやすくなるかを考えながら開発してきました。以前にご紹介した手作り教材を使って、ワクワクしながら楽しく学べるように努力しています。

【自分たちで開発した教材を使って、どうやったら楽しい授業になるかを試行錯誤しながら考える教師たちとJENスタッフ】
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 また、衛生教育を行った学校では、教師と子どもたちの保護者から成るPTAも組織し、生徒を通じて家族やコミュニティにも衛生知識と習慣が広がるように取り組んでいます。PTAのメンバーは、修繕されたトイレや洗面所がきれいに保たれているかを定期的に見回りに来ます。このように、学校が教師だけでなく、保護者の目からも見守られることで、コミュニティ全体で子どもたちを育てる環境が出来上がると信じています。

【卓上ゴミ箱を作る生徒たち】
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 JENの事業対象となった学校の先生方は、学校設備が修繕され、衛生教育が行われて生徒たちの習慣が改善されていく様子を見て、かつての自分たちのような状況にある他の学校すべてが改善されることを願っている、と話していました。JENはイラク全土の学校における子どもたちの学習環境が改善されるよう、今後も一歩一歩努力を続けていきます。

【歯ブラシメダルと衛生キットを受け取った生徒たち】
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10月 25, 2012 学校建設・修復衛生教育 |

2012年10月 4日 (木)

子ども達に衛生教育に親しみを持ってもらうこと~ソングコンテストを通して~

 「子どもたちがもっと簡単に、そして楽しく衛生習慣について学べるようになると、その知識がもっと彼らに定着するのではないだろうか。」
JENスタッフが教育省の職員たちと、衛生促進ワークショップの内容についてミーティングの中で画期的な意見が飛び出しました。

 「正しい衛生習慣を歌にして子どもたちが歌えるようにすれば、大切なことを楽しく覚えることができ、彼らも習慣に親しみがわくのではないか」との考えから、イラクのJENが活動する5県を対象に、衛生習慣に関して歌を作成する取り組みが教育省主催で開催されました。

 2003年より、JENはイラクの教育省とともに衛生教育を続けてきました。その長年の積み重ねの中で、JENの一方的なアイディアだけでなく、現地教育省も自発的にアイディアを発するようになり、ついにはこのような画期的なイベントの実現に発展したのです。JENが活動を続けてきたバグダッド県、アンバール県、バビル県、ディヤラ県、キルクーク県の5県の教育局対抗で衛生習慣を促進する歌を作り、コンテストが開催されました。

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 コンテストの結果は、歌詞のフレーズが分かりやすく、メロディーも親しみやすく仕上がった、ディヤラ県の衛生局が作成した歌が一位となりました。
現在、なんとその歌がイラク全土の教育局に紹介され、各地の子どもたちへの衛生教育の普及に使用されています。

10月 4, 2012 衛生教育 |