歴史の宝庫アンバール州
今日は、イラクでの事業地の一つであるアンバール州について紹介します。
イラク西部に位置するアンバール州は、イラクで最も大きな州であり、国土の32%を占めています。ラマディ、ハディサ、アナ、ファルージャといった都市があり、ヨルダンとの国境に接しています。
アンバールという言葉は、もともとアラビア語で「倉庫」という意味でした。3世紀頃、ムンナーザル族(Mutherids)とも呼ばれたイラク南部に住んでいたアラブキリスト教徒が、この地を軍事や食料の倉庫として使っていたことに由来しています。
アンバールはササン朝時代(3世紀から7世紀)、ローマ帝国からの侵攻を防ぐのに重要な場所と考えられていました。アッバース朝時代(8世紀から13世紀)に、第二代カリフのマンスールによって8世紀半ばに首都がバグダッドに移されるまで、アッバース朝の首都はアンバールにあったのです。アンバールは地中海とペルシャ湾に注ぐユーフラテス川を結ぶ道として、たくさんの人が行き交い、その歴史の中で多くの寺院や宮殿が建設されました。
現在でも遺跡として残る建造物から当時の面影を見ることができます。