バグダッドの老舗市場
Al Shorjeh市場はバグダッドで最も古い市場として有名であり、その歴史は13世紀頃のアッバース朝後期にまで遡ります。
この市場は当初Rayiaheen(調香師)市場と呼ばれ、その後Attareen(スパイス売り)市場、そして現在のAl Shorjeh市場と名称が移りかわってきました。現在の名称の由来にはいくつかの説があります。アラブ語の「塩水の井戸」や「ごま油」が由来だという説もあれば、トルコ語の「小さな塩水の川」が由来だという説もあります。
市場の名称の由来が何であれ、バグダット市民にとってAl Shorjeh市場はラマダン(断食月))))))))))))やラマダン明けを祝う盛大な祭りであるイードなど、大事なイベントの際に、様々な種類のキャンドルやスパイスを買いに行く大切な場所です。
Al Shorjeh市場には19を超える裏通りがあり、石鹸屋や文房具屋など多くの店が軒を連ねており、何でも揃えることができます。また、13軒の宿と4つのモスク、昔ながらのコーヒーハウスが2軒あり、そのうちの一軒にはアラブの古典音楽(マカーム)を歌う歌い手が集っています。
悲しいことにAl Shorjeh市場の建物の一部は、戦争による爆撃や老朽化などにより壊れてしまいました。現在、徐々に新しい建物に建て替えられていますが、それに伴って、伝統的なAl Shorjeh市場の雰囲気は変わりつつあります。