ハッジ(巡礼)
JENのイラク人スタッフの一人が、イスラム教五行の一つであるハッジ(巡礼)を行うべく、サウジアラビアのメッカへ旅をしてきました。
この巡礼は人生の一大イベントともいえるもので、巡礼を終えているイスラム教徒は「ハッジ(男性)」「ハッジア(女性)」と呼ばれ尊敬されます。
現在のところ、イラク人巡礼者は空路でしかサウジアラビアに入国することができず、経済的にも大変な負担があるそうです。
旅の方法はそれぞれの懐に合ったものが多数用意されていて、富裕層にはファーストクラスでメッカ入りし、5つ星ホテルのスイートに泊まり、サウジアラビア巡礼用のVISAや国内交通など全て代理店が手配するというパッケージツアーもあります。
一方で、遠くパキスタンやアフガニスタンから、国際バスを乗り継ぎ、そのバス乗り場で荷物を広げ、露天のお店で物を売りつつ、お金を貯めてメッカにたどり着く人たちもいます。
しかし、どのような方法でたどり着こうとも、メッカのカーバ神殿で礼拝を行うときには、みんな同じエハラームという2枚の白布を身にまとい、決まった形のサンダルを身につけます。帽子や宝石を身につけることもできません。
すなわち、イスラム教徒が信仰する来世を決める最後の審判のときと同じように、「何を持っているか」ではなく「どれだけイスラム教について理解し、信仰規範に基づいた生活を送っているか」がその人の判断基準とされるようです。
(写真:メッカのカーバ神殿)
(写真:カーバ神殿を埋め尽くす巡礼者たち)
彼と奥さんにとっては、訪れた土地の宗教的な尊さ、そしてそこに集まるイスラム教徒の意識の高さなどに感銘を受け、大変意義深く楽しい旅になったようです。
しかし、子どもたちはというと、「ショッピングモールに行きたい」と呟いていたとか。