« 2009年6月 | トップページ | 2009年8月 »

2009年7月30日 (木)

「タウジーヒ(運命のセンター試験成績発表!)」

  7月29日は、アンマンが一年で一番賑やかな夜となりました。10代の男の子たちがクラクションを派手に鳴らしたり、窓から身を乗り出したり、奇声を上げたりしながら車を乗り回していました。

  この日はタウジーヒの結果発表の日。「タウジーヒ」とは、日本で言うセンター試験で、毎年ヨルダンでは10万人以上の学生が受験するそうです。日本の人口はヨルダンの20倍、でもセンター試験の受験者は50万人。そう考えると、ヨルダンでは、日本以上に学歴主義の意識が強いようです。しかも、二次試験のようなセカンドチャンスは与えられません(!)

  学生に人気の職業は、医者、弁護士、外資系企業など。したがって、医学部、薬学部、法学部、外国語学部、ビジネス系学部の倍率は相当高いのだそうです。ちなみに、公務員試験というものが存在しない(縁故採用のみ)ヨルダンでは、公務員は大学卒業者に人気の職業ではないようです。

  結果発表は夜10時にウェブ上で行われます。ヨルダン生活の長い友人に聞くと、インターネットがまだダイヤルアップだった頃は、電話やインターネットがこの日だけは全くつながらなかったとか。携帯電話にも支障が出たというから、その熱狂ぶりが想像できます。

7月 30, 2009 文化、生活、習慣 |

2009年7月16日 (木)

ハッジ(巡礼)

JENのイラク人スタッフの一人が、イスラム教五行の一つであるハッジ(巡礼)を行うべく、サウジアラビアのメッカへ旅をしてきました。

この巡礼は人生の一大イベントともいえるもので、巡礼を終えているイスラム教徒は「ハッジ(男性)」「ハッジア(女性)」と呼ばれ尊敬されます。
現在のところ、イラク人巡礼者は空路でしかサウジアラビアに入国することができず、経済的にも大変な負担があるそうです。

旅の方法はそれぞれの懐に合ったものが多数用意されていて、富裕層にはファーストクラスでメッカ入りし、5つ星ホテルのスイートに泊まり、サウジアラビア巡礼用のVISAや国内交通など全て代理店が手配するというパッケージツアーもあります。
一方で、遠くパキスタンやアフガニスタンから、国際バスを乗り継ぎ、そのバス乗り場で荷物を広げ、露天のお店で物を売りつつ、お金を貯めてメッカにたどり着く人たちもいます。

しかし、どのような方法でたどり着こうとも、メッカのカーバ神殿で礼拝を行うときには、みんな同じエハラームという2枚の白布を身にまとい、決まった形のサンダルを身につけます。帽子や宝石を身につけることもできません。
すなわち、イスラム教徒が信仰する来世を決める最後の審判のときと同じように、「何を持っているか」ではなく「どれだけイスラム教について理解し、信仰規範に基づいた生活を送っているか」がその人の判断基準とされるようです。
090716_resized_2







(写真:メッカのカーバ神殿)
090716_resized







(写真:カーバ神殿を埋め尽くす巡礼者たち)

彼と奥さんにとっては、訪れた土地の宗教的な尊さ、そしてそこに集まるイスラム教徒の意識の高さなどに感銘を受け、大変意義深く楽しい旅になったようです。
しかし、子どもたちはというと、「ショッピングモールに行きたい」と呟いていたとか。

7月 16, 2009 事務所、スタッフ文化、生活、習慣 |

2009年7月 2日 (木)

教員研修の必要性

 イラクでは、今、何千人という先生たちが研修を必要としています。経験年数によって熟練度に差があるので、常に研修を受け、スキルを磨くことが求められているのです。

 特に、教育史の研修を通して、ここ数十年の教育分野の推移を学ぶことが重要だと考えられています。例えば、「非識字」は、「新しい知識分野にアクセスする能力の欠如」として理解されることなどです。2003年以降、イラク教育省は年次計画の中で教員研修の重要性を挙げ、努力を続けてきました。しかし、現実には大変限られたものでした。

 現地では、教育省が国際機関とともにイラクのすべての教員に対する研修を行い、学校での教員研修に関して評価までもすべてが教育省の計画に含まれるべきである、という声があります。また、教員を日本に派遣し研修を受けることや、研修やモニタリングのスペシャリストを日本からイラクに派遣することで、イラクの教育分野を支援することを希望する声もあります。

 教育とは常に発展し続けている分野です。JENは、現在、教育環境の改善に力を入れています。このプロジェクトによって、子どもたちの教育へのアクセスが広がるだけではなく、いずれ、この国を担うようになる人びとへのより豊かな教養を得るという育成を行っているのです。と同時に、日々の問題である、人びとの健康状態の改善を願い、大きな視野をもって活動を続けています。

7月 2, 2009 文化、生活、習慣 |