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2009年6月18日 (木)

ヨルダン国王在位10周年

090618_zimbio  ヨルダン政府は、アブダラ国王の在位10周年を記念して、彼の誕生日である6月9日を臨時の国民の休日としました。

 この日、アンマン市内にある国際スタジアムでは、政府主催の記念イベントが行われました。この式典に参加したJENスタッフによると、イベントには国王のご家族、王妃と2人のご子息が出席され、会場はすごい熱気と歓迎のムードに覆われていたそうです。

 ヨルダンの王家は、国民から絶対の信頼と尊敬を得ています。特に、クウェート出身のパレスチナ人であるラニア王妃の人気は、アブダラ国王の大きな支えとなっていると言われています。

 ラニア王妃は、人権や女性の自立促進などに大きな関心を寄せていらっしゃる方で、ご自身でもパレスチナ難民女性の経済的自立をめざすNGOや、ヨルダン国内の女性企業家をマイクロファイナンスによって支援する事業などを立ち上げられました。また、頻繁に国内外の様々な支援団体などを訪問し、特に若者への人権教育などの必要性を訴えていらっしゃいます。090618_zimbio_2

 9日のアンマンでは、花火がたくさん打ち上げられ、また、ヨルダン国旗を振りながら車が走りまわり、大変賑やかな夜となりました。

6月 18, 2009 文化、生活、習慣 |

2009年6月 4日 (木)

世代のギャップ、文化のギャップ

 イラク、ヨルダンのみならず、アラブ世界では一般に、「家族」の名誉、威信は社会生活で最も大切な価値観とされています。イラク人スタッフによると、たくさんの手続きを踏んで難民として認定され、西洋のリベラルな国に移住できた家族も、いざ住んでみると彼らの心労は大変なものであるそうです。

 イラクの人々の多くは、敬虔なイスラム教徒です。家族の結びつきは何にも増して大切にされ、たとえば1日5回のお祈りを欠かさない、飲酒をしないなど、イスラム教の教えにのっとって生活をします。

 このような価値観を持った人々が西洋世界に移住すると(もちろん全てのイラクの人々がそうではありませんが)、学校やショッピングセンターにお祈りの設備のない環境で生活します。金曜日(イスラム教では金曜日は休日)の礼拝も、出勤・登校を余儀なくされることで、イスラム教の生活習慣を保つことが難しくなることがあります。

 このようにイラクで大切にされているアラブ文化を守ろうとする両親と、新しい環境で学校に通い滞在先に友人を持つ子どもの世代間に、大きな精神的ギャップができてしまうことが、しばしば社会問題になるそうです。

6月 4, 2009 文化、生活、習慣 |